そして、1日も早い復旧・復興をお祈り致します。
それから、各団体の医療支援関連情報ページの一覧を下記にまとめておきます。
全日本民医連
東日本大震災 全日本民医連対策本部情報
http://www.min-iren.gr.jp/topics/2011/110314_01.html
日本医療労働組合連合会:お知らせ
東日本大震災≪最新≫関連情報
http://www.irouren.or.jp/jp/html/menu3/2011/20110420101349.html
日本医療福祉生活協同組合連合会
東日本大震災情報―医療福祉生協連のとりくみ
http://www.hew.coop/category/1_0/1_0_1
本日は、学習会「東日本大震災支援から医療福祉生協の課題を考える」に参加してきました。講師は、日本医療福祉生活協同組合連合会専務理事、藤谷惠三氏でした。
以下、概要をお伝えします。
まず、東北地方の医療福祉生協連加入生協で特に被害が大きかったのは、宮城県の松島医療生協とみやぎ県南医療生協、福島県の郡山医療生協、福島医療生協、福島中央医療生協、浜通り医療生協の6生協であり、それらが支援活動の対象となりました。
それらの生協に大きな施設はなかったため、医療福祉生協連は全日本民医連と協定し、坂総合病院を拠点に医療支援活動を行ないました。人的支援は、4月末現在で58生協から延べ577人が送り出されました。内訳は、医師115人、歯科医師5人、薬剤師9人、看護師・保健師179人、理学療法士16人、作業療法士2人、放射線技師12人、検査技師5人、介護福祉士8人、調理師4人、栄養士2人、歯科衛生士2人、歯科技工士2人、事務160人、その他56人でした。
物的支援としては、阪神大震災での教訓を活かし、現地のニーズを聞き取ってから配送を行ないました。4月末現在、64生協から約220トン、70万点、トラック配送が66便が送られました。内訳は、食料は水28トン、米2.8トン、野菜5.1トン、燃料は軽油3.1トン、重油0.6トン、灯油2.3トン、その他、毛布4200枚、タオル8800枚、高齢者用おむつ7300枚、高齢者用尿パット3.1万枚、経管経腸栄養剤1250本、マスク41万枚、歯ブラシ3000本、カイロ2.3万個などでした。
余談ですが、物質輸送を行なう際、東京都に通行証を申請したところ、石原知事が「ドクターが乗らない車輌には通行証は出せない」と却下したそうです。そこで、厚生労働省に対して働きかけ、渋谷署から直接通行証の発行を受け、支援物資を届けることができたそうです。
資金支援としては、4月末現在で72生協から義援金が9,291万1千円、支援金は639万8千円が渡されました。義援金は、公的な機関へ渡すもので、被災自治体に届けられました。支援金は被災生協に渡すもので、使い道は各生協に任されています。
災害時の医療機関・福祉施設の役割は、まず患者・利用者の安全確保であり、特に支援の対象から外れてしまうことの多い在宅患者の安全確認訪問活動が取り組まれました。この訪問活動は関東の医療福祉生協でも行なわれました。また、避難者の受け入れ、食糧確保、避難所の医療確保なども取り組まれました。
安否確認では、生協の機関紙の手配りをしていた担当者が力を発揮しました。普段から顔がわかり、家を知っている人たちが足を使って安否確認を行なったのです。また、購買生協の例ですが、コープみやぎでは宅配の配送車で安否確認を行ない、2週間で16万人の全組合員の安否確認を行なったそうです。
新たな課題としては、ボランティア活動のあり方が挙げられました。被災地域の人たちが望む支援と、被災自治体の行政の考え、ボランティアができることがそれぞれ異なるため、すり合わせが困難だということがわかったそうです。ボランティアにも思いがあるので「したい支援」というものがありますが、それが被災者から求められる支援とは違うこともあり、ボランティアのコーディネートが必要になります。ボランティア活動は「自主的」であることが本来ですが、被災地に必要な支援を提供するには「計画的」であることが必要です。また、被災する前のことを何も知らない人たちが立てた復興計画は、地域を駄目にしてしまうということも指摘されました。
原発被害支援のあり方については、原発についての評価、被曝への対応、エネルギー政策の議論が必要だということが指摘されました。特に被曝については、内部被曝の評価について意見が分かれているのが難しい問題です。医療福祉生協連としては、統一したやり方でデータを測定すべきだと考え、同じ規格の測定器で地上1メートルと50センチメートルのデータを各地で測定しているそうです。
最後に、これから社会が変化していく中で、医療福祉生協連としては、これまでつくり上げてきた生協ならではのものを大事にしながら、多くの人と手をつなくために何が必要かを考えて自らを変えていき、社会に向かって発信していくべきものを発展させていくという方針が提起されました。
以上で報告を終わります。