まず、被災された皆さんにお見舞い申し上げます。
そして、1日も早い復旧・復興をお祈り致します。
それから、各団体の医療支援関連情報ページの一覧を下記にまとめておきます。
全日本民医連
東日本大震災 全日本民医連対策本部情報
http://www.min-iren.gr.jp/topics/2011/110314_01.html
日本医療労働組合連合会:お知らせ
東日本大震災≪最新≫関連情報
http://www.irouren.or.jp/jp/html/menu3/2011/20110420101349.html
日本医療福祉生活協同組合連合会
東日本大震災情報―医療福祉生協連のとりくみ
http://www.hew.coop/category/1_0/1_0_1
東日本大震災、福島原発事故への国の一層の対応強化が求められている一方で、国は福祉や社会保障を切り下げる法案や制度改定案の実現を着々と進めようとしています。介護保険制度の改悪については既に当ブログでもお伝えしていますが、他にも医療の自己負担の増加などが導入されようとしています。
そして、生活保護制度も改悪が狙われています。現在、厚生労働省が地方自治体との協議を行なっているそうですが、医療扶助や住宅扶助の見直しや、ボランティア活動の義務づけなどが検討されているそうです。
そうした協議が一般傍聴を認めない密室の中で行なわれていることに抗議し、生活困窮者を支援する市民団体などが厚生労働省に対して抗議する申し入れを行ないました。そのことを伝える「しんぶん赤旗」の記事をご紹介します。引用部分は青で表記します。
生活保護改悪やめて
市民団体 国と自治体協議に抗議
しんぶん赤旗 2011年5月31日
生活保護問題対策全国会議や全国生活と健康を守る会連合会、反貧困ネットワークなど53団体は30日、厚生労働省が一般傍聴を認めず、生活保護制度をめぐって地方自治体と協議に入ろうとすることに対し、生活保護法改悪に向けたものだとして抗議の申し入れを行いました。
申し入れ後の記者会見でもやいの稲葉剛代表理事は、当事者や支援者の声を反映するよう求めました。
「協議」のメンバーに、▽生活保護受給者に医療費の一部自己負担導入▽稼働年齢層の受給期間の有期化-などを求めている平松邦夫大阪市長も入っています。
反貧困ネットワーク埼玉の藤田孝典さんは、平松大阪市長の動きを「生存権を保障する憲法に反する」と批判。地方自治体の首長は、国に対し生活保護費の全額負担とケースワーカーなどの人件費負担こそを求めるべきだと強調しました。
(中略)
稲葉氏は、国が復興財源捻出のために社会保障費を切り下げようとすることに懸念を表明。「生活保護は、生活再建の下支えとなるもの。最後のセーフティネットを切り崩してはいけない」と述べました。
生活保護は、被災者の生活再建においても最後のセーフティネットとして機能しています。つまり、震災によって家や仕事を失い、蓄えも持っていなかった人に対しては、生活保護が命綱なのです。復興財源捻出のために生活保護を切り下げることは、被災者の中で最も困難な状況にある人を切り捨てることに他なりません。
また、医療費の自己負担も検討されているとのことですが、生活保護の様々な給付の中で最も切り下げてはならないものが医療費扶助であると私は考えています。これはまさに生きるか死ぬかに直結するものだからです。一般の人たちの中にさえ、医療費の自己負担が高すぎることで受診を控えたり中断したりして、症状を悪化させ、手遅れで亡くなる人たちが出て来ています。限られた生活保護費でやりくりしている人たちに、更に医療費の負担が課されることになれば、それがたとえ小額であったとしても受診抑制に直結することは目に見えています。生存権を保障することが生活保護の第一目的なのですから、医療費の自己負担は決して導入してはならないと思います。
受給の有期化、ボランティアなどへの態度によって受給の可否を判断する更新制度についても、私は反対です。厚生労働省や自治体首長は「自立の助長」につながると考えているようですが、期限を切られてしまった人がどのように生きていけばよいかが全く考慮されていません。つまり、更新制度とは国によって生かす人間と生かさなくてもよい人間が判断するものであり、人権を無視した制度です。そうしたことは、かつてナチス・ドイツがやっていたことです。そのようなことを国の制度とすることは絶対に受けられないことだと思います。
厚生労働省には、制度を運営する側の地方自治体とだけ協議するのではなく、制度を利用する側の当事者の意見をしっかり聴いて制度を検討することを求めたいと思います。