日本医労連 全国縦断キャラバン行動集結集会&国会行動報告 | 労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

今朝予告しました通り、本日は日本医労連の「いのちまもる全国縦断キャラバン行動集結集会」が行なわれ、続けて国会議員に要請を行なう国会行動を行ないました。

以下、集会の概要を報告します。


集結集会では、まず田中委員長があいさつし、大幅増員で夜勤を改善し、安心・安全の医療・介護を実現するための70日間の全国縦断キャラバン行動は、元気な医労連を広くアピールし、報道でも取り上げられ、自治体要請にも大きな反響があったことが報告されました。この間の動きでは、看護協会がILO看護条約批准を提言したり、民主党の山崎麻耶議員が看護師の労働条件改善を求める質問を厚生労働委員会で行なったり、民主党が看護議員連盟の立ち上げを呼び掛けたりといったことがあったそうです。キャラバン行動を通して看護師の過労死の報告があったり、報道で看護師のパワハラ自殺が報じられたということもありました。また、労働基準法違反が一番多い業界が映画であり、次が医療だということにも触れられ、確実な法規制を行なっていくためにも行動することが提起されました。


続いて、相澤書記長がキャラバン行動のまとめの報告を行ないました。現時点での中間集約となりますが、47都道府県のすべてで行動が行なわれ、行動参加者は2300名以上(正確な数字が聞き取れませんでした)、県への申し入れは16県、自治体への申し入れは400自治体、署名は合計157,048筆に到達したということでした。また、新しい組合結成や既にあった組合の日本医労連への加入が7県で8組合あり、新入組合員の拡大も3,372名で昨年の1.5倍に達しているそうです。なお、北海道美幌町議会は、いち早く署名の要請内容に基づく意見書を採択してくださったそうです。


国会議員からの賛同メッセージは、民主党から12名、自民党から1名、共産党から7名、社民党から1名、国民新党から1名の、計22名から届きました。代表して、看護師出身の国会議員である民主党の山崎麻耶議員と自民党の阿部俊子議員からのメッセージが紹介されました。

なお、国会議員の参加は本日は難しいということでしたが、スケジュールの合間を縫って共産党の田村智子議員が駆け付けてくださり、必ずこの署名を国会で採択し、医療をはじめとする社会保障予算の抜本的な拡充を実現し、日本の社会のあり方を変えていこうと発言されました。


次に、各地からの報告が行なわれました。

まず、愛知県医労連から署名の取り組みの報告がありました。愛知は27,078筆の署名を集め、43組合中5組合が1人10筆の目標を達成し、11組合が1,000筆超を集めたそうです。

全ての組合で取り組みを行ない、月2回の定期的集約を行ない、推進ニュースも9月から現在まで14号発行したそうです。また、病院の門前だけでなく、地域のお祭り、縁日などでも署名を訴え、スーパーの前の行動で812筆を集めたこともあったそうです。現状を変えたい、「疲れ切った看護師によい看護はできない」という思いを原動力に、団結して取り組んだ成果です。

秋の組織拡大にも取り組み、214名の加入があり、医労連共済への加入も昨年の1.6倍の到達だったということでした。

署名を通して、改めて医療労働者の仕事の社会的役割を実感していることから、全国のみんなの力で200万署名を達成していこうと呼びかけました。


福井県医労連からは11月12、13日のキャラバン行動の取り組みを報告しました。この期間で、組合員500名弱の福井県で1,811筆の署名を集めたそうです。

1日目は病院前の署名活動、石川県からの引き継ぎ集会、福井県と福井市への看護職員要請や奨学金の充実などの要請行動を行ない、夕方には福井駅前でも署名活動を行なったそうです。

2日目も病院前の署名活動から始まり、自治体病院の存続についての自治体との懇談を行ない、地元スーパー前での署名活動で937筆を集め、夕方の敦賀駅前署名活動ではパナソニックの派遣切り裁判の原告も参加した署名を訴えたそうです。


北海道医労連は、179自治体すべてへの訪問を計画し、現在133自治体まで訪問を終えたことを報告しました。自治体訪問では、町立病院の維持、唯一の診療所の維持、看護師確保の困難、高齢化、医療費が高額なための受診抑制、その結果としての重症化など、様々な問題が話し合われたそうです。その中で、役場内で署名に協力してくださるところや、議会で意見書として採択したいので資料を送ってほしいとおっしゃった議長さんなどもいらしたそうです。

しかし、まだ十分に看護師の労働実態が伝わり切っていないと感じ、データや根拠をそろえて現場から発信していくことが重要だと提起し、残り46自治体もすべて回りきる決意を述べました。


高知県医労連からは、11月6日の署名活動と11月8日の県交渉と市議会訪問の報告がありました。

署名活動には若い職員が多く参加し、アーケード街で26名が署名を訴え、344筆を集めたそうです。

県交渉では看護職員労働実態調査を示して看護師確保要請を行ない、市議会では意見書採択を要請したそうです。県議員訪問も行い、看護師の過労死問題や看護師不足による病棟閉鎖の問題などで懇談したそうです。

もっと広く実態を知らせていく必要があるということと、多くの若い職員が行動に参加することが重要だと訴えました。


最後に、沖縄県医労連から、週末に全国から沖縄知事選への応援があったことを報告し、お礼が述べられました。山形県医労連が集めたカンパも贈呈されました。



その後、行動提起が行なわれ、昼食休憩後は国会議員要請行動を行ないました。

北は北海道から南は沖縄県まで、全国各地から組合員が集まっているので、それぞれの都道府県選出の議員を訪問し、署名の紹介議員になっていただくことの要請と、社会保険・厚生年金病院の公的存続についての要望書を提出を行なうということになりました。比例区に関しても数人ずつ割り当てられて訪問しました。

埼玉県医労連では3人で19名の国会議員を訪問しました。直接議員にお会いすることはできませんでしたが、秘書の方に要請書をお渡ししてきました。

ちなみに議員会館が新しくなってからは初めての要請行動でしたので、入館手続については変わりなかったものの、内部がよくわからずに少し戸惑いました。それにしても、かなり広くなったという印象でした。

訪問の印象では、特筆すべきことはあまりありませんが、民主党議員の秘書の陳情に対する対応が緩和されていると感じました。少し前は、陳情はすべて党を通してほしいというところがあったのですが、今回はみなさんスムーズに預かってくださいました。


以上で報告を終わります。