後期高齢者への「短期保険証」発行やめよ(CBニュースなどより) | 労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

今日は爪ケア事件について書くのでいっぱいいっぱいだと思っていましたが、見過ごせない記事が見つかったのでご紹介したいと思います。

後期高齢者への「短期保険証」の発行について、中央社会保障推進協議会(中央社保協)と全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)が行なった調査結果についての記事です。いくつかのメディアで報じていましたが、ここでは医療介護キャリアブレインニュースに掲載されていた記事をご紹介します。引用部分は青で表記します。



後期高齢者への「短期保険証」発行やめよ

医療介護キャリアブレイン  2010年9月16日21時23分

https://www.cabrain.net/news/article/newsId/29735.html


 中央社会保障推進協議会と全日本民主医療機関連合会は9月16日、後期高齢者医療制度で保険料を滞納した場合に交付される、通常と比べて有効期限の短い「短期被保険者証」の発行件数を調査した結果、今年8月時点で約3万3000件だったと発表した。同日記者会見した同協議会の相野谷安孝事務局長は、保険料の滞納状況について「滞納している人の多くが、年金月額1万5000円以下と推測される」と指摘。「保険料が払えないような生活実態の人から保険証を取り上げるのは、高齢者の命を奪うものだ」と述べ、短期保険証の発行をやめるべきと訴えた。

(中略)


 調査では、後期高齢者医療制度の運営実務を担う全国47都道府県にある広域連合に対し、8月1日時点の短期保険証の発行件数を尋ねた。調査・集計中(9月15日現在)の青森、愛知、兵庫、愛媛、熊本の5県と、公表を拒否した栃木以外の41都道府県の結果を取りまとめた。

 それによると、41都道府県の短期保険証発行件数は計3万2961件で、昨年10月1日時点(計1万9579件)から約1万3000件増加した。
 都道府県別に見ると、大阪が5806件で最も多く、これに福岡5522件、茨城1496件、東京1407件などと続いた。一方、神奈川、宮崎はゼロだった。昨年10月時点の発行件数と比べて増加したのは30都府県。同協議会は、昨年10月時点で発行を見送っていた宮城、群馬、千葉、東京、新潟、福岡での発行が件数増の要因とみている。

 相野谷氏は、都道府県ごとに短期保険証の扱いに差があり、有効期限が1か月だったり、滞納者の実態を把握せずに事務的に発行したりするケースがあると問題視。「有効期限が切れた人への新しい保険証が更新されず、無保険状態の高齢者もいる」との懸念を示した上で、「後期高齢者医療制度の一日も早い廃止が重要だ」と強調した。



後期高齢者医療制度の最大の問題点の一つとして、保険料滞納者に短期被保険者証、資格証明書を発行することをこれまでにも何度か指摘してきました。

医療を受ける権利は社会的に保障されるべきものであり、保険料が払えなくなったからといって機械的に医療の保障を打ち切っていいというものではありません。被保険者が保険料を滞納するようになった場合は、その原因を正確に把握し、指導すべきであれば指導し、生活保護などの別の制度に引き継ぐことがふさわしい状況ならばその支援を行なうということを、社会保障行政の責任として行なわなければならないと思います。

短期被保険者証の発行は、保険証を受け取る手続きをする際に窓口で事情が聴けるというメリットがあると言われていますが、病気を抱えた高齢者が生活困難な状態に陥っている場合、果たして自力で窓口まで出向かなければ新しい保険証が発行されないという状態でいいものかどうか疑問です。高齢の滞納者の状況把握は、もっと積極的に行政の方から出向いて行なわなければならないと思います。



しんぶん赤旗には、各都道府県別の短期被保険者証発行数を2009年10月と2010年8月で比較した表も掲載されています。

下記URLの記事です。



短期保険証発行1.7倍  75歳以上 後期医療 保険料払えず

東京・福岡など急増 社保協調べ

しんぶん赤旗  2010年9月17日

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-09-17/2010091701_01_1.html  



キャリアブレインの記事でも指摘されていますが、2009年10月の段階では発行数0件だった都県で一気に大量の発行が行なわれていることに注意が必要です。

悪質な滞納者がそれまで0人だったのが約10ヶ月の間に何千人も発覚するということは考えにくので、行政の側で何らかの基準や扱いの変更を行なったものと思われます。

中央社保協の相野谷事務局長が懸念されているように、滞納の事情を把握しないで事務的な発行がされているのでしたら改められるべきですし、行政には医療は社会保障だということを常に念頭においた対応をしてもらいたいと思います。



続いて、「ユニオン」と「労働ニュース」アーカイブ様からの情報提供です。


http://mainichi.jp/area/mie/news/20100818ddlk24040157000c.html

労働相談会:非正規や外国人ら対象 9月毎週土曜 /三重
日時 9月の毎週土曜日(4、11、18、25日)、10~15時
場所 ▽松阪市上川町の市労働会館▽伊賀市ゆめが丘1のゆめぽりすセンター▽四日市市日永東1の市勤労者・市民交流センター東館、
弁護士と社会保険労務士各1人とポルトガル語とスペイン語の通訳が待機
事前申し込みが必要で、実行委員会事務局(059・225・2855)まで。
主催 「勤労者地域安心緊急サポート実行委員会」