自民躍進で地域医療法案成立に懸念も(キャリアブレインニュースより) | 労働組合ってなにするところ?

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2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

今回の参議院選挙の全体的な感想は、労働組合活動とは切り離して書くべきことなので、仕事が終わってから書くとして……選挙結果が医療にどのような影響を与えるかということについて、気になる記事が医療情報キャリアブレインニュースに掲載されていましたのでご紹介します。引用部分は青で表記します。



自民躍進で地域医療法案成立に懸念も―足立厚労政務官―

キャリアブレイン  2010年7月12日 5:20

https://www.cabrain.net/news/article.do;jsessionid=9DE1103C97DCDB64F0947FD34FC7D71B?newsId=28465&src=bp


 7月11日に投開票された第22回参院選で、大分県選挙区(改選数1)から立候補して再選を果たした民主党現職の足立信也氏(厚生労働政務官)は12日未明、大分市内の事務所でキャリアブレインなどの取材に応じた。足立氏は、先の通常国会で廃案となった独立行政法人地域医療機能推進機構法案について、「仙谷(由人)官房長官が臨時国会で一番に出すと言っていた」と明かす一方、参議院で与党の議席が過半数(122議席)を割り込むことが確実になったため、「この数でどうなるかは分からない」と懸念も示した。


(中略)


 今回の選挙で自民党が躍進したことについて、足立氏は「大きな制度改正や法律改正、あるいは新法、これは参議院で過半数が無いと通らないと思うので、極めて大きな、あるいは大胆なことはやりにくくなる」と述べた。ただ、衆議院では与党が過半数を維持していることから、「ねじれを国民の皆さんがどう判断するかというようになる」とも語った。

 足立氏は今後、厚労省で重点的に取り組む医療政策として、▽医師確保・活用対策▽予防接種法の改正▽2012年度の診療報酬・介護報酬の同時改定に向けた議論▽創薬の促進やドラッグ・ラグの解消―の4点を挙げた。一方、民主党が昨年の衆院選マニフェストに盛り込んだ中央社会保険医療協議会(中医協)の改革に関しては、「国全体、あるいはこの国の医療全体を眺められる人を選んだ」と昨年の委員入れ替えの成果を強調する一方、支払い側7人、診療側7人、公益側6人、専門委員10人としている現在の委員構成を「変えることはあり得る」と述べた。

 また、12日に厚労省内で開かれる「死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会」にも触れ、「今までは解剖主導できた。ところが、それよりももっとハードルが低い手段がある。これをどのように組み込んでいくかということを、実際の運用をやってもらう会議であって、(解剖と死亡時画像診断の)どちらを選ぶかではないということをはっきりさせておかなければならない」と述べた。



この「地域医療法案」とは、同じくキャリアブレインニュースの記事でご紹介した「社保・厚生年金病院存続法案 」のことなのですが、さきの通常国会で提出されたものの、鳩山前首相の辞任で審議日程が流れてしまい、結局参議院で廃案になってしまったものです。それでも、政権与党は臨時国会での早期の成立を目指すということでしたので、9月の独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)の廃止までには何とか間に合わせられるのではないかと期待していたのですが……

まさかこの重要法案の成立が危ぶまれるほど民主党がボロ負けするとは思いませんでした。


社会保険病院や厚生年金病院をもう役目の終わったものとして廃止させようというのは”構造改革”の発想であって、今回の参議院選挙で議席を伸ばした勢力はほとんど存続には反対と考えるべきでしょう。

実際には、社会保険病院、厚生年金病院は公的な医療機関として、民間病院ではあまり積極的に取り組まれない分野を多く担っている、地域医療に必要不可欠な医療機関です。それらの医療機関が存続不可能になったり、存続しても全て民間移譲されることになれば、地域医療には大きな打撃となることが予測されます。

そうならないようにするためには、地域医療の現状をきちんと情報収集し、公的医療機関の存続が必要である根拠を具体的に示し、存続反対の議員を説得していく必要があるでしょう。日本医労連、健保労組のがんばりに期待し、私たちも必要な支援を行なっていかなければならないと思います。



記事にもありますように、他にも医療分野には問題が山積しています。

中には、必ずしも政権与党の政策と現場の思いが一致していないものもあります。新しい政治状況がどのようにそれぞれの問題に影響を与えていくか、それに対して私たちがどのような行動を起こすべきか、頭を切り替えて考えていかなければならないでしょう。




2010年9月16日予定の判決日まで、こちらもご支援よろしくお願いします。


緊急報告「爪ケアを考える北九州の会」からのアピール

http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10310539150.html



2009年12月18日、第2回公判が行なわれました。「ユニオン」と「労働ニュース」アーカイブ様から新聞記事をご紹介していただきました。



毎日新聞の記事

http://fukuokaunion.blog7.fc2.com/blog-entry-5054.html



朝日新聞の記事

http://fukuokaunion.blog7.fc2.com/blog-entry-5058.html



当ブログでは、2010年6月24日に結審した際のasahi.comの記事をご紹介しています。



福岡爪ケア事件控訴審、6月24日結審(asahi.comより)

http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10572938282.html