少し前の記事なのですが、「連合通信・隔日版」からのご紹介です。引用部分は青で表記します。
サウナ王城争議が解決
解雇を撤回し金銭で和解 211日間の自主営業を経て
連合通信・隔日版 2010年6月29日付 No.8342 p15
東京・上野にある宿泊施設「サウナ王城」で事業継続と解雇撤回を求めて自主営業を続けていた王城ユニオンは裁判上の和解が成立したことを受け、6月26日朝に営業を終了した。和解内容は、会社が組合員の解雇を撤回したうえで、本人の合意に基づく会社都合の退職とし、解決金を支払うもの。争議を支援した派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「双方が納得できる水準での和解ができた」と話している。
サウナ王城では昨年11月3日、施設を経営する山水商事から突然の事業閉鎖が通告され、同17日、経営存続を求める従業員7人が組合を結成。同28日、組合による自主営業がスタートした。組合は、事業再開を訴えながら、東京地裁に解雇無効の仮処分を申請。今年6月17日、裁判上の和解が成立した。
会社は昨年11月30日付で行った解雇の意思表示を撤回。組合員本人の合意に基づく同日付の会社都合退職とする。あわせて、解決金(金額は非公開)の支払いと引き換えに建物を引き渡すという内容。
自主営業終了後、王城ユニオンの松本光彦委員長は「みんながいたからこそ211日間の自主営業を続けることができた。事業継続できなかったことは残念だが、よかった」と述べ、解決の喜びを語った。
争議支援した派遣ユニオンの関根書記長は「裁判で解雇が向こうになっても、職場がなければ雇用を守ることはできない。労働運動では自主営業は決して珍しい闘いではない」と、組合員の苦労をねぎらった。
施設の引渡しは6月29日。解決報告集会は7月23日に開かれる。
王城ユニオンの皆さん、支援者の皆さん、お疲れ様でした。
サウナ王城は、”公設派遣村”が終了した際、まだ落ち着き先が決まっていなかった利用者の方たちの一次的な宿泊場所を格安で提供してくださったところです。その頃は既にもう自主営業中でした。
年越し派遣村のときも、自主営業中の京品ホテルが体調を崩した方々の受け入れ先の一つとなってくださいました。
これも労働組合同士の連帯の一つの形だと思います。
それにしても、両者とも事業継続ができなかったという点は残念ですね。会社に事業を続ける力がないならば仕方がないことかもしれませんが。
労働組合による自主営業という形式が、もっと長期的に認められるような法整備があれば、あるいはもっと違った形の解決があるのかもしれませんが……
争議解決のためのいろいろな方法が知られるようになり、労働組合側の勝利と言える結果もたくさん聞かれるようになりましたが、やはり雇用の維持という最も重要な要求の実現が最も難しいようです。
労働者の権利を守らない会社には早く見切りをつけて次へ行くという選択は現実的かもしれませんが、そういった会社をきちんと労働者の権利を尊重する会社に変えていくための方策も、何か考えられないものかと思います。
2010年9月16日予定の判決日まで、こちらもご支援よろしくお願いします。
緊急報告「爪ケアを考える北九州の会」からのアピール
http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10310539150.html
2009年12月18日、第2回公判が行なわれました。「ユニオン」と「労働ニュース」アーカイブ様から新聞記事をご紹介していただきました。
毎日新聞の記事
http://fukuokaunion.blog7.fc2.com/blog-entry-5054.html
朝日新聞の記事
http://fukuokaunion.blog7.fc2.com/blog-entry-5058.html
当ブログでは、2010年6月24日に結審した際のasahi.comの記事をご紹介しています。
福岡爪ケア事件控訴審、6月24日結審(asahi.comより)