「子どもの貧困シンポジウム」報告 | 労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

まず、直近の情報をご紹介します。 

「ユニオン」と「労働ニュース」アーカイブ様からの情報提供です。


明日!

http://www.tonichi.net/news.php?mode=view&id=29383&categoryid=1
10/4 「第2回豊橋1日派遣村相談会」 ポルトガル語やスペイン語通訳も
豊橋公園(雨天 市民センターカリオンビル)
問い合せ 本部事務局の佐野さん=電話0532(52)1511


http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=2009091214

「職場の労使困りごと相談会」 福島県労働委員会
10/4 会津若松市勤労青少年ホーム、いわき合同庁舎南分庁舎
10/18 福島市勤労青少年ホーム、郡山市労働福祉会館



本日は、反貧困ネットワークさいたま主催の「子どもの貧困シンポジウム ~学びと希望を奪う「貧困」と「自己責任」~」に参加してきました。

主催の反貧困ネットワークさいたま代表藤田さんの開会あいさつの後、第一部では県立高校の生徒さんたちによる劇「裁判劇 ―授業料が払えない」、さいたま教育文化研究所の白鳥さんによる基調講演「今を生きる子どもたちに共感と希望を」が行なわれ、第二部では現場からの発言と質疑応答が行なわれました。

生徒さんたちによる劇は、授業料を払えなかったために退学させられた定時制高校の学生が復学を求めて裁判を起こしたという設定で、今起こっている問題をとてもわかりやすく表現していたと思います。

現場からの発言でも学生の方からの発言があり、とてもしっかりした内容で説得力がありました。提案の一つに、「高校生から選挙権を」というものがあったのですが、それもうなずけると思いました。


ここでは、基調講演の概要を記録しておきたいと思います。

講師の白鳥先生は、40年間の教員生活の間の31年間は”困難校”と言われる高校に勤務したそうですが、1990年代までの状況と、9年のブランクを経て2004年に再び困難校に赴任したときの状況とでは、荒波に襲われたように大きく変わっていたそうです。

1990年代には授業料が払えないということはなかったそうですが、2004年には入学までの準備段階で、既に教科書や制服などを買うお金がないという生徒がいて、25%の生徒が授業料の免除を受けるようになっていたそうです。生活や学費のためにバイトをする生徒も増えたそうです。親の収入が減少したうえ、学費・教育費が上がったためです。そして、学力の低下が著しくなっていたそうです。親に余裕がなく、小学生2、3年から既に「援助」なしで学習しているために「わからないことがわからない」状態になり、誰からも期待されないために「意欲」が育てられない状態になってしまっています。そうした生徒たちには、マンツーマンの指導が必要となるそうです。

白鳥先生は、教員としての経験から、低学力の生徒たちは一人一人は普通の子であり、特別な個性や性格の問題ではなく、様々な困難によって低学力となり、丁寧に教えればわかる子たちであるとおっしゃっていました。大人や社会を見る目は鋭いともおっしゃっていました。一人の生徒にあらゆる社会の矛盾が降りかかり、将来が閉ざされてしまい、じわじわと中退に追い込まれるというのが現状だそうです。

文部科学省の発表では、年間7万人以上の高校生が中退しているということです。しかし、白鳥先生は実質は10万人にはなっているのではないかとおっしゃっていました。白鳥先生が学年主任を勤めた学年でも、201人の生徒のうち81人が中退しているそうです。その81人のうち、正社員になっているのは数人で、ほとんどはバイトで生活しており、そのうちの何人かは先生の勧めで定時制高校に通っているそうです。

白鳥先生は、子どもに希望を取り戻させるには大人にかかっているとおっしゃっていました。子どもの貧困をなくし、子どもの幸福感を高めるためには、社会における「孤立」、「不平等」、「近未来への絶え間ない不安」を少しでもなくし、学ぶ楽しみを得られるように学びを保障する社会保障を充実させることが必要です。生徒にマンツーマンの支えを可能にするため、教育にかけるお金と人員を増やすことも必要です。

そして、信頼できる大人の存在を示すことも必要であると白鳥先生はおっしゃっていました。年越し派遣村のことを話すと、生徒たちはとても関心を持ったそうです。社会の不平等を変えるために頑張っている大人がいることを示すことが、子どもたちにとっての希望になるという結びの言葉がとても印象的でした。


以上で「子どもの貧困シンポジウム」の報告を終わります。



2009.10.4 追記


質疑応答で出てきた話ですが、1990年代からの荒波のような大きな変化の背景として、1999年の派遣原則自由化に代表される低収入労働者の増加が挙げられていました。パート労働者の低賃金も深刻で、母子家庭の母親の時給が10年以上働いて850円のまま1円も上がらないというケースもあるそうです。

今悩んでいる子ども達に共感して政策をつくる必要があると白鳥先生はおっしゃっていました。


それから、このシンポジウムの参加者は151名で、カンパは約5万6000円(正確な金額が聞き取れませんでした)集まったそうです。



以下、「ユニオン」と「労働ニュース」アーカイブ様からの情報提供です。


http://www.pref.ehime.jp/tiroui/roudousoudan.htm
7月から月に2回無料労働相談  10/9、23
愛媛県労働委員会 先着3名
電話 089(912)2996
対象は個人の労働者など
【「ユニオン」と「労働ニュース」アーカイブ 推薦】


http://mainichi.jp/area/chiba/news/20090929ddlk12100232000c.html

10月13日 10~15時 千葉市中央区中央1の中央公園
第2回 「ちば派遣村」 労働・生活相談会
問い合せ 市民の法律事務所(電話047・362・5578)



こちらもよろしくお願いします。8月31日から福岡高裁で控訴審が始まりました。


緊急報告「爪ケアを考える北九州の会」からのアピール

http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10310539150.html