「闘争100日突破! 京品ホテル闘争勝利!連帯集会」報告 | 労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

昨日、1月28日に総評会館で行なわれた「闘争100日突破! 京品ホテル闘争勝利!連帯集会」に急遽参加してきました。

基本的には、これまで闘争に参加してきた人たちが集まって、この100日間の経過を振り返り、改めて団結を強めようという主旨の集会だったので、思い立ってふらりと参加したのは私くらいだったような気がしますが……でも、京品ホテルさんには年越し派遣村の時にとてもお世話になったので、今からでもできることがあればと思って行ってきました。


集会は午後6時半からの予定でしたが、6時25分頃に着くともう椅子がいっぱいになっていて、一番後ろに立って参加することになりました。

まず、全国ユニオンの鴨代表があいさつしました。立っていたので充分にメモをとることができなかったのですが、1月25日を振り返って、「横の者との信頼がなければスクラムは組めない」、「これは権力と経営者の理不尽に対抗する挑戦、大量解雇に対抗する闘い」とおっしゃっていたことが印象的でした。また、強制執行に当たった東京地裁の執行官の態度は話し合いの余地のあるものではなく、「執行ありき」というもので、企業と権力が「これ以上運動を広めまい」としているのが感じられたということでした。現在京品ホテルの入り口はベニヤ板で封鎖されてしまっていますが、その板に誰かが「希望」と書いているそうです。この闘いを希望ある闘いにしましょうとことが呼びかけられました。


続いて、支援者のあいさつとして、弁護士の鬼束氏がまずあいさつされました。

鬼束弁護士は、執行官と京品実業との交渉に当たったが強制執行が行なわれてしまい、残念だったが、多くの人たちの理解を得ることができたとおっしゃっていました。これからは、地位確認の仮処分と解雇撤回の裁判、保全異議の仮処分の申し立てを行ない、闘いはまだ続いているということを訴えていくということでした。

次に、支援組合のあいさつがありました。発言を全て書き留めることはできなかったのですが、港区職労、ぜんろうきん(全労金→全国労働金庫労働組合連合会?)、JR総連、全水道、小田急バス労組、全国一般東京東部労組、日赤労組、自治労からのあいさつがありました。こう並べると連合系が多いですが、他にも多くの労働組合が支援に集まっているということです。年越し派遣村の取り組みに続いて、3つのナショナルセンターの壁を超えた連帯がここでも実現していると司会の方がおっしゃっていました。

なお、報道では「怪我人なし」とされていますが、支援に集まった個人(京品ホテルを客として利用したことのある方)の中で、機動隊に足を踏まれて足の甲を骨折し、全治6週間の怪我を負われた方がいらしたそうです。ですが、その方は松葉杖をついて昼のホテル前の集会に参加したということでした。


続いて、京品ホテルの労働組合員の方々が自己紹介とあいさつをされました。

夜の集会ということで全員が集まることはできなかったそうですが、ホテルそのものの従業員の方と、直営店「とんかつ七兵衛」「酒蔵いの字」の従業員の方々がいらしていました。

最後に金本書記長があいさつし、強制執行で悔しい思いをしたが、後に続く若者のためにも諦める訳にはいかない、人としての正義を全ての人にわかってもらいたい、最後までこの闘いを一緒に闘ってくださいとおっしゃっていました。

この後、社民党の福島みずほ党首と渕上副党首が駆けつけてあいさつされたのですが、メモのスペースがなくて記録できませんでした。

締めくくりに、司会の東京ユニオン・島崎書記長があの強制執行は間違いだったと認めさせるためにこれからも頑張ろうと呼びかけ、渡辺執行委員長の音頭で「団結ガンバロー」をやって集会は終了しました。



付け加えて、集会でいただいた資料から、この間の経過についてお伝えします。

東京ユニオン・京品ホテル支部は2008年5月1日に結成され、経営者の京品実業との団体交渉と重ねてきました。しかし、京品実業は一方的に交渉を打ち切り、10月20日に廃業と全員解雇を決めました。組合側はそれに対抗して、京品ホテルと直営店「とんかつ七兵衛」、「酒蔵いの字」、「日本料理さが野」の自主営業を10月21日から開始しました。

11月5日に京品実業は「立退き」の仮処分を提訴し、12月17日までに3回の審尋が行なわれました。11月21日にLCホテルズとの売買契約が解除され、「立退き」の緊急性は薄らぎましたが、1月15日に東京地裁は「立退き」の仮処分を決定しました。組合側は即日「強制執行の停止」を申し立て(1月20日に却下)、続けて「保全異議の仮処分の申し立て」(1月29日第1回審尋)を行なっています。全国ユニオン、東京ユニオンは連名で「東京地方裁判所の決定に関する声明」を出して抗議しています。

1月24日夜、組合側は京品ホテル屋上にて団結集会を開催。

1月25日早朝、東京地裁執行官、警視庁の私服警官と第7機動隊、高輪署の警察官及び警備会社のガードマンなど総勢1,000人体制で強制執行が行なわれ、約300名の組合員・支援者はホテルから排除されてしまいました。

組合側は品川に現地闘争本部を設置し、今後も京品ホテル前での抗議行動や不当労働行為審問及び裁判闘争を継続する方針です。(現地闘争本部設置のための募金も呼びかけられています。私も些少ですが協力してきました)


今回の報告は以上です。

詳しくは東京ユニオン・京品ホテル支部のブログでご確認ください。

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