日本医労連定期大会2日目 | 労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

本日は、日本医労連定期大会2日目です。


まず来賓の挨拶で、福祉保育労の泉谷書記長から、福祉・医療・教育というヒューマンサービスを向上することに税金を使うべきであり、そこで働く職員が生活できる賃金を保障し、働き続けられるようにするため、10月19日の医療・看護・介護職員を増やし、地域医療を守る集会に協力して取り組みましょうという提起がありました。次に、日本生協連医療部会の藤谷事務局長が、後期高齢者医療制度の廃止撤回を求める運動や地域医療の崩壊を防ぐ運動の高まりに見られるように、今は歴史を大きく変える瞬間であり、国民の診療報酬制度に対する意識も変化し、医師や看護師の過酷な労働についての理解も広がっており、それは日本医労連を中心とした医師・看護師増員運動の成果だと述べられ、日本生協連医療部会としても医療制度改悪に対抗しなければ存続できない状況であることを意識し、共に運動を進めていきたいという表明がありました。

それから、医師・看護師増員運動についての発言が5つの県連から、賃金などの労働条件改善運動についての発言が2つの全国組合と3つの県連からあった後、中央労働委員に立候補した全医労の淀さんの発言がありました。

中央労働委員会とは、労使紛争のあっせん、仲裁、調停、不当労働行為の救済などを行なう国の委員会で、労働組合法と労働関係調整法に基づいて設置されています。使用者の代表15名、労働者の代表15名、公益を代表する委員15名で構成されていますが、労働者の代表は多くが連合出身の委員であり、同じくナショナルセンターである全労連からの代表は9期18年間一人もいませんでした。それでこの度、国立病院の看護師である淀さんが立候補されることになった訳です。全労連からの代表を出すということ以外にも、45名中7名しかいない女性委員の増加、現在一人もいない医療労働者の代表の参加、独立行政法人の中で最も職員が多い国公立病院の代表の参加という利点が挙げられます。淀さんに日本医労連全体が支援することが呼びかけられました。

その後、成果主義賃金の導入を阻止する運動、産別最低賃金新設の取り組み、病院給食のセンター化を阻止する運動、労働安全衛生対策についての発言がありました。次に、医療を守る国民的活動についての発言で、後期高齢者医療制度廃止のための運動、社会保険病院と厚生年金病院の売却・廃止を阻止する運動、国立病院機構による病院つぶしに抵抗する運動について報告がありました。


お昼の休憩を挟み、再び来賓の挨拶があり、日本共産党の塩川哲也議員と、新党日本の田中康夫党首からお話がありました。塩川議員は医療改悪を許さない地域の活動と医療労働者の活動が一体となった日本医労連の活動が現実の政治を動かしたと評価され、派遣労働の是正や後期高齢者医療制度の問題、地域医療を守る運動、改憲阻止の運動なども地域住民と労働組合の運動を一体のものとして進め、2200億円の社会保障費削減方針を撤回させるためにも労働組合が真価を発揮すべき時だと述べられました。田中党首は、福祉・医療・教育・環境に重きを置くことが日本の再生につながり、いくら良い機械があっても現場に人達が存在しなければ良い医療はできないのであり、箱物行政を止めて、患者と同じ視点に立つことができる医療従事者の視点で医療制度を決めていくべきだと述べられました。

次に、国立循環器病院の看護師で、25歳でくも膜下出血で亡くなられた村上優子さんのご遺族から、過労死裁判への支援の訴えがありました。村上さんが亡くなられてから7年になるそうですが、この間、国の安全配慮義務違反を訴える裁判は敗訴に終わり、公務外認定の取り消しを求める行政裁判は地裁で勝利し、高裁での審理が始まっているそうです。ご遺族は、医療従事者の健康を守ることが患者さんの安全・安心を守ることにつながるのであり、もう二度と医療現場で過労死を起こさないために協力をと呼びかけられました。

午後の発言では、病院の廃止を阻止する労働組合と市民・町民の合同の運動、県立病院の独立行政法人化を阻止する運動、市民病院の再建のための運動、厚生連病院存続のための運動、公立病院再編ガイドラインによる統廃合を阻止するための国や総務省に対する運動、准看護師が正看護師になるための2年課程通信制の問題点、ハンセン病問題基本法の制定を求める運動、反核・平和のための署名活動などについての発言がありました。

次に、労働組合の組織拡大について、個人加盟の医療・福祉労組のホームページによる労働相談をきっかけにした加入増の取り組み、臨時・パート職員の労組加入の取り組み、請負・派遣労働者の労組加入の取り組み、県内の賃金ランキング表を活用した賃上げ交渉や、医労連共済のおすすめを通した労組加入者拡大の取り組み、介護分野の職員の労働組合運動への参加を呼びかける取り組み、女性代表者会議の開催、青年部結成に向けての取り組みなどの発言がありました

秋闘に向けては、産別組織としての統一ストライキへの結集などについての発言がありました。

討論の総括の後、資格審査で大会が定数を満たしていることが確認され、その後の採決で第1号議案は満場一致で採決されました。


明日は第2号議案予算案の討議と採決があり、スト権投票、役員選挙と続く予定です。