よく患者さんから、「私の肌にはどういうケアが必要でしょうか」「何のレーザー、シミ治療が良いのでしょうか」「先生から診て私の肌はどうですか」と聞かれます。

 

ずばり、現代の20~40代女性は “脂性乾燥肌(オイリードライ)” が多いです。よくいうインナードライです。表面は油分が多く、アダルトニキビができやすいのに、水分量が少ないのでカサついて化粧ノリが悪い感じ。オイリードライ肌の方は肌がくすんで疲れて見えるので、年齢も上に見られがちだったりします。

 

私が思っていることを簡単に表にしてみましたひらめき電球(あくまでも皮膚科医としての私の感覚です。)

 

 

日本の美容市場はとても大きなもので、皆さん本当に勉強熱心で、雑誌を読んだりネットで調べたり韓国に行ったり、日本女性の肌に対する熱意には頭が下がります。そして沢山のお金と時間を使っているなとも思います。それが良い悪いではなく、それにかける時間とお金が多すぎて負担になっているのでは・・・と心配になります。お金も時間もある方は、エステでも美容皮膚科でも信頼できる場所で綺麗にしてもらえば艶々になると思います。が、多くの人は、肌に費やせるお金と時間には限りがありますよね。なので私はなるべくシンプルなスキンケアで、患者さんに綺麗になってほしいと考えています。

 

限られた診察時間の中でにはなりますが、患者さんの肌の状態を説明して、どういうケアが不足しているのか、どういうことに気をつけたら良いのか全体的なアドバイスが出来るよう心がけています。私は医者7年目になりますが、皮膚科医として大切にしていることがあります。それは、健康な肌、つまリノーマル肌がどういうものなのかを実感してもらうこと。

 

私はよく、患者さんに自分の腕を触ってもらいます。水分量が足りている肌がどういうものなのか、十分に水分のある肌の感覚を知ることで、実は自分が乾燥していること、肌に水分が不足していることに気がついてくれます。そうすると自分のスキンケアの道筋が分かってくるので、段々と自分にあったスキンケアができるようになってきます。私は患者さん以外にも、職場の看護師さんや学生さんなどたくさんの人に肌を触らせています。特に女性には背中など面積の広い部分をなでるように触ってもらうこともあります。

 

結構みんなびっくりします。でも、私はエステにも通っていませんし、毎日のように飲み歩いてるので、スキンケアは至ってシンプルです。メイクを落として、洗顔して、クリームだけなんてよくあります。肌を擦らないことと、自分に合ったシンプルなスキンケアを心がけるだけでも肌は変わってきます。とは言っても人間も動物。季節や環境の変化、年齢で肌は変わってきます。私は皮膚科医ですが、ニキビができることも、乾燥することもあります。でも普段健康な肌でいると少しのゆらぎに気が付きやすくなるので、修正も早いです。

 

本人が思っている肌質と、実際は異なっていることも多いのです。なんども言いますが、日本女性のほとんどは肌の水分が不足しています。水分不足をカバーしようと皮脂が増えてオイリーになりアダルトニキビができやすいか(オイリードライ)、全体に乾燥してカサカサ粉吹き、湿疹ができやすい(ドライ)か、この2パターンが多いです。大学勤務時代は角質水分量を計測する機械があったので、患者さんや、学生さんなど大勢の方の水分量を測ってきましたが、10代20代の女性たちも乾燥している子がとても多い。今はみんなレーザー脱毛をしているので、それで汗腺が影響を受けて汗の量が減っているという論文もあります。みなさん色々やりすぎて肌に負担をかけがちですあせる肌が健康になって、肌に費やしていた時間やお金、鬱々とした気持ちが減れば、その分他の楽しみを見出だせるのではないでしょうか。

 

“皮膚は全身の鏡”です。

されど皮膚、たかが皮膚。私は患者さんの全体をみて、自信をもって元気に過ごせるよう力になりたいと思っています。日本では皮膚科医の地位が低いですが、欧米では主席が進む分野です。知識だけでなく美的センスや手先の器用さも要求されます。勉強が出来るだけでは良い皮膚科医にはなれません。。

 

 

最後に、

ドライの方はしっかり保湿をすればある程度ケアができますが、オイリードライの方は本当に難しい。油分を過剰に与えないようにして水分を取り戻してあげる。いつかそのような保湿剤を作ることができたらと考えています。

 

余談ですが、草花、動物、食べ物、生きているものは水っぽさがあると美味しそう、生き生きとして見えます。なので、無理なダイエットをしなくても、肌の水分量を上げた方がモテますキョロキョロ