私が皮膚科医になってから、スキンケアや日常生活で自然と気をつけるようになったことがあります。それは“肌をこすらない、摩擦しない”ということ。これを気をつけてあげるだけでお肌は変わってきます。保湿クリームは多めに、擦り込まずに、さっと塗ってあげてください。

 

これは自分の腕にヒルドイドクリームを塗ったところですが、こんな感じで白く残るくらいがちょうど良い外用量です。肌に置くようなイメージでペタペタ塗るのがいいです。慣れるまでは「こんなにベタベタで気持ち悪い!」って感じるかもしれませんが、数分すれば肌になじんでしっとりします。

 

十中八九、皆さま保湿クリームを塗る量が足りなければ塗り方も間違っています。擦り込むようにさすさすしちゃってます。よく「擦り込んだ方が浸透する気がする。」と言われますが、皮膚の表面を擦って成分が浸透するわけでもないですし、角質層を傷つけてお肌のキメを粗くしてるだけです。。

 

肌を摩擦するのが日常になりすぎて、擦ってるっていう自覚がない方が多いのです。皮膚科医の感覚からすれば、例えば電車で隣に座った女性がハンドクリームをちょっと出して手に刷り込んでさすさすさすさすやっているのを見ると、うわぁぁん、やだやだぁ。゚(゚´ω`゚)゚。って思っちゃいます。そうやってハンドクリームを使ってる人に、もちもちの手の方はいらっしゃらない気がします。

 

手は年齢が出ます。高い保湿クリームを使う前に、まず肌を擦らないこと。お金を注ぎ込まなくても心がければ出来ることで、これはスキンケアで一番大切なことです。擦らないことを心がけるだけで肌はきれいになっていくし、強いお肌になります。