市販の化粧品はお水を含め、食品と同じような成分が多く含まれています。食品に添加物や防腐剤を入れて保存をきかせているのと同じで、化粧品にも添加物と防腐剤が入っているということですね(腐っちゃうからね)。一般的に化粧品は、“未開封で3年間品質を保持させる”という規定があるので、3年間腐らず品質を保てるだけの保存料が入っているというわけです。食べ物と同じで保存料を少なくすればその分使用期限は短くなるので、そのような製品は○年○月○日と使用期限など記載が印字されています。が、9割以上書いていないと思います。

 

これは私の常勤先のクリニック(肌のクリニック麹町https://koenji.clinic/)で院内調剤している化粧水ですが、保存料をできるだけ少なくしているので使用期限が短く、こんな感じで処方日をシールで貼り付けています。冷蔵保存で使用期限は処方日から2ヶ月(ものによっては3ヶ月)と決めています。食品を冷蔵庫に入れて賞味期限内に食べるのと同じ感覚ですね。

 

また、よく“パラベンフリー”などの表示を見かけたりしませんか。「お、この化粧品は防腐剤を抑えて作っているんだ!肌に優しいのかな。敏感肌の私にいいかも?」なんて感じたりすると思います(私も皮膚科医になるまでそう思っていました)。でもこれは化粧品3年保存の法則から考えると、パラベンを使っていない分、他の防腐剤や保存料を増やしているだけなのです。。つまり、“パラベンフリー”はパラベンにアレルギーがある人のための表示であり、肌に優しいとかそういう意味ではありません。ちなみに化粧品の防腐剤で一般的なパラベンとフェノキシエタノールですが、意外とアレルギーをもっている方は少ないのです。

 

防腐剤など保存料には少なからず毒性、アレルギー性があることはご存知と思います。でも多少は入れないと腐ってしまう。本当は数日おきに化粧品を手作りすれば良いのですが、実際忙しい日常の中でそんな手間や時間をかけられないですよね。結局は自分の肌に合ってれば何を使ってあげてもいいのですが、私は自分のクリニックで調剤している化粧品(化粧水+クリーム)を使っています。あとはベネフィーク、クレ・ド・ポーボーテが好きなので、化粧水とクリームの間にその辺の美容液を使ったりもしています。

 

結局日持ちとか金額とかメリット・デメリットを総合して、自分のお肌と生活に合っているスキンケアを見つけてあげるのが良いと思いますね。