でも、読みさえすれば何でもよいかというと、そういうわけではありません。
自分のレベルに合わない(難しすぎる)ものをいくら読んでも、効果はまったくないか、あってもレベルが合う場合より劣ることが、研究などから明らかになっています。
※それぞれの研究内容については既存の書物や論文にまとめられているため、ここでは割愛します。
例)
英語リーディングの科学 ―「読めたつもり」の謎を解く/研究社
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41bG4N5Qw1L._SL160_.jpg)
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上にあげた『英語リーディングの科学』は、非常に優れた書物のひとつです。
この中で、同じ文章に対して空欄を作り、72%の単語を知っている場合と97%の単語を知っている場合の比較がなされています。
こうした比較をすると、「知らない単語は飛ばして読めば、そのうちわかるようになる」という説が、ある意味では正しく、ある意味では間違っていることなども、見えてきます。
話を元に戻すと、特許翻訳者・学習者なら、明細書を難なくすらすら読みたいところ。
でも、最初は難しと思いますので、まずは簡単な洋書を利用する方法があります。
ただ、そうはいっても、洋書は誰にでも手軽に入手できるものではありません。
近所の図書館で、英語圏の小中学生が使うサイエンスブックを多くおいているという恵まれた例は、むしろまれでしょう。
大型書店なら、たいてい何種類かおいていますが、結構なコストになるため続けるのは難しいかもしれません。
そういうときは、インターネット上の「子ども向けサイエンス」情報を利用する方法があります。
たとえば、Science News for students。
各記事にReadabilityスケールがついており、Readabilityを限定した検索も可能です。
このスケール、自分に合ったレベルを探すのに役立ちます。
Readabilityの絞り方
1.右上の検索窓に何か適当なキーワードを入れて、検索します。
2.検索結果一覧で検索窓のすぐ下に絞り込み条件がありますので、
そこでReadabilityのFromとToを指定します。
3.検索窓に残ったキーワードを消して、Readabilityだけで検索します。
これで、特定のReadabilityスコアの記事だけを抽出できます。
スコアの意味は、
https://student.societyforscience.org/our-readability-scores-target-tweens-teens
に説明されています。
特許以外の分野でも、Readabilityスケールをおいたコンテンツはあるはずなので、いろいろ試してみると良いでしょう。
こういうものを探すとき、キーワードに「ESL」を掛け合わせる検索はよく使われますが、ほかに「for students」も意外と役に立つと思います。