【会報28号】中村三奈子さんをさがす会 | 中村三奈子さんをさがす会のブログ

【会報28号】中村三奈子さんをさがす会

特定失踪者と拉致問題を考える市民集会(2021.10.10)
この思い届け!お母さんが待ってるよ 三奈子さん


【ご挨拶】
今日はお忙しいところ集会においでいただき、ありがとうございます。

娘の三奈子は、1998年高校を卒業してまもなく、その朝「予備校に入学金を納めに行くんだね。」と言う私に、「うん。」と返事をしたままいなくなりました。

その後、韓国に渡ったということがわかり、いろいろ調べました。

旅行社に女性の声で「急いで航空券が欲しい。」と依頼しながら、取れたという連絡に「忙しくて行けない。」と答えるなど、18歳の娘の対応とは思えない出来事があったことがわかってきました。

2011年、韓国に住むフリーのノンフィクションライター菅野朋子さんが、月刊『文藝春秋』に三奈子のことを記事にしてくださいました。

そして今年はインターネット「文春オンライン」に続報を書いてくださいました。

私も2年に1回、ソウルの日本大使館や鍾路(チョンノ)警察署を訪ねたり、スーパーなどへチラシを届けたりしてきました。

そんな時いつも菅野さんがそばにいて私を支えてくださいました。

もうお一人、1999年からいろいろ助けていただいている金明子(キム・ミョンジャ)さんがいらっしゃいます。

2年前、韓国KBSテレビ「歌が好き」という番組に出演した時には2週間、金さんのお宅に泊まらせていただき、一生懸命韓国語の歌を教えてもらいました。

また、お知り合いの会社や仲間の方たちにお声がけくださり、本当に力をいただいています。

今、拉致問題が先に進まない状態です。

国民の声を聞くという岸田首相のもと、一刻も早く拉致問題が解決することを願っています。

「行ってきます。」と出かければ、「ただいま。」という声が返ってくる。

そんな当たり前の生活が拉致被害者の家族にも実現できるよう、皆様からのご協力をよろしくお願いします。


中村クニ


【韓国からの報告】

~菅野朋子さんオンライン講演~

こんにちは。韓国ソウルを拠点に活動しているノンフィクションライターの菅
野朋子です。よろしくお願いします。

韓国からの捜査状況などについてお話します。
韓国での三奈子さんの捜査を担当しているのは、ソウル市内の鍾路(チョンノ)警察署です。

ここ数年間は「女性・青少年課」所属でしたが、2021年8月に「刑事課」所属(失踪課)となりました。初動捜査でスピードを持たせるためとのことです。

鍾路警察署では、クニさんの指紋とDNAを採取して韓国全土の様々な施設に照会作業を行っています。該当者は今のところ出ていません。
また、韓国からクニさんに電話した番号からその人物を割り出して、捜査もしています。

そんな中で一つ、捜査が大きく動いたことがありました。

1998年4月7日三奈子さんと同じ新潟発韓国行きの飛行機に搭乗し、隣の席に座っていたAさんと、Aさんの知り合いのBさんに話を聞いています。

Aさんには日本の警察も捜査されたと聞いております。
結局、AさんとBさんの証言はあいまいで確かなものではないという判断になっています。
私もクニさんもAさんとBさんに会っていますが、やはり話に信憑性に欠けるかなという気がしました。

鍾路警察署では2019年、40歳になった三奈子さんの画像をコンピュータで作成しています。この制作費用は、韓国側がすべて負担しています。

こうした韓国の警察を動かした力は、中村クニさんにあります。

クニさんは三奈子さんがいなくなってすぐ、新潟市の駐日韓国領事館に相談されています。

三奈子さんが韓国に入国したという有力な手がかりとなっている入国カードは、この領事館を通じて韓国に照会作業を行い、出てきたものです。

また、クニさんは訪韓され、ガイドの方に案内されながらソウル地方警察庁に飛び
込みで入られたそうです。

その後、知り合いの金明子(キム・ミョンジャ)さんの紹介でソウル地方警察庁に話が届き、鍾路警察署失踪課が正式に捜査を担当することになったということです。

クニさんは訪韓するたびに日本大使館、新潟県ソウル経済事務所、鍾路警察署に行って話を聞いています。

クニさんの絶大な支援者は金明子さんです。

「歌が好き」という番組出演時には、金さんのお宅で韓国語の難しい発音を大きな紙に書いて練習し、「釜山港へ帰れ」を歌いあげました。

残念ながら、この後の新しい情報は入っていないということです。

三奈子さんが韓国に入国した根拠となっているのは、金浦空港に提出した入国カードの存在です。クニさんはカードの筆跡は三奈子さんのものだと確認されています。

当時の金浦空港の防犯カメラは削除されてしまっており、もし残っていれば誰と入国
したかわかるはずでした。

韓国に入国しているのになぜ連絡が取れないかを考えると、例えばある団体に入って地方の奥深い所で暮らしている場合などが考えられます。
その場合は韓国の日本大使館に在留届けを出さないと把握できない状況です。

三奈子さんは拉致の可能性が排除できない特定失踪者に認定されています。

日本・韓国それぞれの捜査関係者は、北朝鮮に行ったのであれば、韓国からではなくて日本から連れ出される可能性が高いということでした。

そうなると、韓国に入国したのは別人になります。

いずれにしても、三奈子さんの行方の鍵を握るのは、三奈子さんに最初にパスポートを取得するよう促した人物です。

それを突き止めることで韓国の捜査も違ってきます。

この第三の人物は誰なのか。それを突き止めることに尽きると思います。
三奈子さんが一日も早く大好きなご家族と一緒に過ごせるよう、私もがんばります。

【リンク】文春オンライン(「韓国行きの航空券がほしい」新潟で18歳少女が謎の失踪…不可解な足跡にちらつく“ハスキー声の女”)
https://bunshun.jp/articles/-/45271



~オンライン対話~
(司会)2011年から10年経った今、今回の取材の意味について聞かせてください。
(菅野さん)月刊『文藝春秋』の編集長との話から、改めて三奈子さんの取材をしました。記者であれば、探すお手伝いをしたいというのは当然のことです。

(司会)会場の皆様からご質問はありませんか。
(質問者)韓国人拉致被害者に対する韓国政府の取り組みを聞かせてください。
また、韓国政府は日本人の拉致被害者について取り組んでいますか。
(菅野さん)韓国政府は、まずは北朝鮮との対話、次に拉北者(韓国から北朝鮮に拉致された人)の問題。
韓国政府が日本人を助けないかといえばそんなことはあり得ませんし、日本政府と韓国政府が今後も情報交換していくべきだと思っています。

(陶山元新潟県ソウル経済事務所長)新潟県ソウル経済事務所は縮小されて私も日本に帰ってきましたが、鍾路警察署とは今までのように定期的にやり取りして、協力していきたいと思います。
(司会)ありがとうございました。

詳しくはこちら(動画)
(「 特定失踪者と拉致問題を考える市民集会 2021.10.10」)
https://youtu.be/JZHvjduvc1s




【活動報告 令和3(2021)年3月〜】

令和3(2021年)
3月 27日 アニメ「めぐみ」上映会 川崎コミュニティセンター
4月 6日 韓国行き飛行機欠航のためチラシ配り中止 新潟空港
5月 20日 新潟県市長会へ拉致問題についての支援願い 新潟県自治会館
5月 26日 新潟県町村長会拉致問題についての支援願い 新潟県自治会館
7月 22日 署名活動 山古志闘牛場
8月 2日 コロナウイルス感染予防のため署名活動中止 山古志闘牛場
9月 19日 署名活動 山古志闘牛場
10月 10日 中村三奈子さんをさがす会 集会アオーレ長岡
10月 23日 署名活動 山古志闘牛場
11月 14日 県民集会 新潟市芸術文化会館
11月 27日 横田めぐみさん再会を誓うコンサート 新潟市音楽文化会館
12月 5日 北朝鮮人権映画祭 新潟市民プラザ
12月 10日 人権同和教育授業 川崎小学校6年生
12月 14日 人権同和教育授業附属 長岡小学校4年生
12月 22日 与板ライオンズクラブ集会参加・支援金受領 新潟大栄信用組合与板支店

令和4年(2022年)
1月 2日 署名活動 弥彦神社

※皆様からいただいた署名(1230名分)を11月14日の県民集会で松野博一拉致問題担当大臣に届けました。
また、募金もご協力いただきありがとうございました。

今後とも皆様からの情報提供や署名などのご協力をお願いします!

活動の様子 〈皆さんからのメッセージ〉

2021年3月27日 アニメ「めぐみ」上映会 川崎コミュニティセンター
川崎コミセンでの「アニメ『めぐみ』上映会」をお手伝いしました。
地域における拉致問題への理解、とりわけ小中学生の関心が深まる機会にしたいとの願いです。
感染防止に丁寧に取り組むことが落ち着きを生みました。
そして、一般参加者20名の中に児童館職員に誘われた小学生4名の姿があり、会場を勇気づけました。
川崎コミセンでは常時、三奈子さんのパネル展示コーナーを開き、広報に努めています。
(川崎コミュニティセンター長 島岡浩二 様)



2021年12月10日 人権同和教育授業 川崎小学校6年生
先日は講演会を開いてくださりありがとうございました。
この講演会で拉致されて日本に帰って来れないなど、当たり前の生活ができない人もい
るとわかりました。
拉致は解決していかなければならないと思いました。
(岩淵 蒼太朗さん)

12月10日は私たちのためにいろいろ教えていただきありがとうございました。
私たちが住んでいる新潟県で拉致をされた人が多いことを知り、他人ごとではなく気を付けるべきだと思いました。
そして今、私たちが当たり前に送っている生活が幸せなことだと改めて実感しました。
(渡辺里桜さん)



2021年12月14日 人権同和教育授業 附属長岡小学校4年生
中村さんの話を聞いて思ったことは、拉致問題はもう終わりにした方がいいということです。
みんなが今日習ったような当たり前の生活をして、笑顔で楽しく元気に過ごせるように絶対にしていこうと思います。
僕はそれに国と国の争いはなくなるようにしたいです。
拉致の被害者は早く、早く帰ってきてほしいです。
だからみんなが当たり前の生活ができるように今からでも募金をしたり、その協力
をしたいです。
新聞からもこういう拉致問題のことを知っていたけど、中村さんのお母さんの話を聞くと、ものすごく悲しいという思いが伝わりました。
(西村健大さん)



【三奈子に届いて~母より】
三奈子 元気でいるよね。
今年も新型コロナウイルス感染拡大で大変な年でした。

9月予定の集会を10月に延期をしていただいて、開催することができました。
皆さんのご協力のおかげです。集会の様子は、さっちゃんの弟さんから、Youtubeで発信してもらいました。感謝です。

先日、幸君の家に行った時、床の間で写真を見つけました。
おばあちゃんのお祝いの日かな?大勢集まったよね。
三奈子のバレーの発表会の日でもあったので、三奈子はみんなの中でとてもいい笑顔でいっぱい話をしていたね。
……なんと、三奈子がその時の私と同じ位の年齢になっているのです。

本当にどこで……どんな生活をしているのでしょうか。
43歳の三奈子を知りたいです。

一緒におしゃべりがしたいです。
どんな出来事でも知りたいです。

病気にかかっていないよね。
大変な中にいるのではないかと心配をしています。

待っているよ 三奈子  

43歳の三奈子へ



会報28号のPDFはこちら
http://sagasukai98.web.fc2.com/kaihou28_20220219.pdf