ビートルズ リボルバーのリミックスには驚いた! | 音楽でよろこびの風を

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ビートルズのリミックス盤に驚くの巻!


こんにちは。

相模の風THEめをとのダンナ

いしはらとしひろです。


今の音、に生まれ変わった〜ビートルズ「リボルバー」2022リミックスを聴きました。

いやあ、色々とびっくり。




去年の秋にリリースされて、かなり話題になった、ビートルズのアルバムのリミックス盤です。


この「リボルバー」というアルバムは、僕の大好きなビートルズのアルバムランキング第2位です。

ちなみに第1位は「ザ・ビートルズ〜ホワイトアルバム」

オリジナル盤が出たのは1966年(僕は2歳だった。バブバブ)ですから56年目のリミックス。

もう56歳なんだぁ。


このリボルバーについてだけでも、何ページ分でも書けてしまうのだけれど、今回はリミックスに絞って。


今回のこのリミックス。

その仕上がりはお見事!


元のテイストは維持しつつ、より現代的に聴きやすくなりました。凄いなと思います。


リミックス作業に取り組んだのは、ジャイルズ・マーティンとサム・オケル。


ここでリミックスってなに?というのを簡単に説明しておきましょう。


音の定位(配置)と各楽器の音質、音量を変えること。

必要とあらば、イコライジング(音の周波数調整)、各種のエフェクト(音を変調させる)などを加えて、音の感触を整えます。


今回のリミックスの場合、音の素材に変更はありません。

オリジナル盤では入っていないギターソロがリミックス盤には入っている、なんてことはないわけです。

音の居場所(定位)や、音色や音量が変わっているわけですね。


例えば一曲目の「タックスマン」

オリジナル盤では音の定位がかなり偏っています。

左側のスピーカーにドラム、ベース、リズムギターが全部詰め込まれています。今の感覚でいったら相当変わった音の定位!


リミックスではこれが、ドラムは中央にやや開いて。開いてというのはスネアやタムが狭い角度ではあるけれど左右に振られているということですね。

ベースも中央に。こちらには音色の加工もされています。

ベースの下の音域はふくよかに、上の音域も少し足してあるようで、音の輪郭、切れ味が良くなっています。オリジナル盤はこれに比べると、モコっとした音に聴こえます。


もちろんモコっとした音にだって、良さはあるのだけれど。


今回のリミックスでは、全体に音色がブライトになり、各楽器のセパレーションが良くなり、個々の音の輪郭もはっきりした。というところでしょうか。

特にベースは音の太さもあり、輪郭もよりくっきりした印象です。


演奏内容自体は変わっていないのに、上に書いたようなことが変わるだけで、聴いた印象が随分と変わります。


一言で言うと今っぽいミックス。

音楽歴の浅いリスナーが聴いても、違和感がないのでは?


オリジナルミックスを聴くと、なんでヴォーカルが右チャンネルからしか聞こえないの?とか、ドラムが左に全部寄っていて、しかも広がり感がないので変、と思う方もいるかもしれません。


いや、変でも魅力あるミックスはいくらでも存在するので、変なのはそれはそれ、と思うんですけどね()


このアルバムが作られた1966年、ステレオというものが、まだあまり普及していなかったのです。

モノラルの方が基準だったようなのです。


ビートルズ本人達も、モノラルのミキシングの時は立ち会うけれど、ステレオミックスはプロデューサーやエンジニアにお任せだったようです。


ステレオはまだ過渡期だった。

ゆえにステレオミックスも、色々と実験の最中だった。

そういうことだと思います。


今回のリミックスで特に良くなったな、前より魅力が増したのでは、と個人的に思える曲を三つ挙げます。

1 Got to get you into mylife

2 Taxman

3 Here,there and everywhere


音の艶やかさ、ヴォーカルを包み込む楽器やコーラスの配置。

見事です♪

元々良い曲、良い演奏がさらにもう一段魅力が引き出されたように思います。


Got to〜のホーンセクションの配置の仕方と音色、音量。

これはとても良いですね。

惜しいのは、オリジナル盤ではうっすら聴こえていた頭打ちのリズムギターが、ほぼ聴こえなくなってしまったこと。

これはもうどちらを活かすか、ということだったのでしょう。ジャイルズチームはホーンセクションが美しく迫力ある音に仕上がることを選んだ。そういうことだと思います。


Taxmanも自然な楽器配置。

そしてベースが半歩前に出てくることで、曲全体が締まる。

こういうファンキーな曲はベースの音の太さやどこまで前に出るか、も重要ですしね。

快感度数が上がりました。


Here,there〜はこの艶やかなメリハリある音が、曲の美しさをより引き立てています。

聞き惚れる。


しか〜し。

昔から耳タコでこのアルバムを聴いてきたオッさんとしては。


この曲はオリジナルミックスの方が好きだ、というのも挙げておきましょう。

あ、あくまで僕の好みの問題ですからね。良い悪いではないっす。


オリジナルの方がの3曲

1 Tomorrow never knows

2 Love you to

3 Elenor Rigby


このアルバム中一番の問題曲、Tomorrow〜の魅力は混沌の魅力。

そのカオス感が整理されてしまって、ヤバい感じ、訳わかんないけど引き込まれる、が薄れてしまった氣がします。

ベースラインがとてもはっきりと出てきているのだけれど、この曲に関して言えばオリジナル盤のもこもこいってるベースの方が良かったということになるかもしれません。

Taxmanの場合とは真逆ですね。

敢えて言ってしまえば、ベースが少々うるさい(あー、言ってもうたぁ 笑)


音のセパレーションや抜けが良くなったことで、いい音かもしれないけれど、かえってばらけてしまったように感じます。


難しいですね。

せっかくいい音になったのに、そのいい音が魅力を減らしている、などという難癖をつけるオッさん()

ジャイルズさん、ごめんなさい🙏


とはいえ、アルバム全体で見たらとても良いリミックスだと思います。

少なくともオリジナルミックスとこの2022リミックスがあって、それを選べる、というのはとても良いと思います。


これからビートルズを聴いてやろうという、特に若いリスナーには、このリミックス盤を先に聞くことをお勧めします。違和感なく音の世界に入れると思います。


元々素晴らしいアルバムから更なる魅力を引き出したジャイルズ・マーティンとサム・オケルに感謝。


そしてオリジナルミックスのプロデューサー ジョージ・マーティンとエンジニアのジェフ・エメリックに敬意を。


こういう形で父の仕事を引き継げたジャイルズさん、良かったなぁ。