おとなげない大人が
よろこびをまき散らす!
相模の風THEめをとのダンナ
いしはらとしひろです。
東北と相模の風THEめをと。
仙台を中心に開催される音楽イベントに「とっておきの音楽祭」というイベントがあります。
障がいのある人ない人も一緒に楽しもう、という音楽イベント。
障がいを持っている方が、外で音楽を発表する機会というのは少ない。
でも、この音楽祭の会場ではそういうことに関係なく、音楽を楽しむ人で満ちあふれています。
2001年から開催されていますが、僕は2010年から参加し始めました。
めをとを結成する前年です。
この時は僕もかみさんも、お互いソロシンガーとして参加したのです。
久々に訪れる仙台。
とっても気持ちのよい天気の下、仙台の町のあちらこちらにある仮設ステージ(今は30箇所以上)。
ちょっと歩くとまた違うステージから歌声が聞こえてきます。
初めて歌うとっておきの音楽祭。
前日の夜、新幹線で前乗りしたのですが、新幹線の中でちょっと考えてしまいました。
『こんなオレがそういうイベントに参加していいのだろうか?』
だって、僕はそれまでは、特別そういうことに関心がなかったし、若い頃にちょっとだけ知的障害を持っている方と一緒に遊ぶ、というボランティアをやっていたことはあるけれど、それ以後数十年そういうことには関わっていないし。
せいぜい目が不自由な方が近くを歩いていて、あぶない方へ行きそうになった時に、手を貸したことがあるくらい。
それに、その頃の僕は音楽に対してちょっと厳しい基準を持っていて(自分のことは棚に上げて)「素人さんもいっぱい出るわけだから、なんか締まりのない音楽を聴かされたらイヤだな」なんて言う、今から思うと ナニ思い上がってんの?と11年前の自分を叩いてやりたくなるようなことを思っていました。
すべて杞憂でした。
案ずるよりも~、というやつです。
とっても気持ち良くうたえましたし、何かが届いた気がした。
20分ほどの短いステージの最後に「よろこびのうた」という歌を歌ったのですが、そのよろこびを仙台の町に解き放つことができたような気がしました。
自分は午前中の早い時間に歌ったので、その後の時間は他の方の歌を聴いて回ったのですが、それも素晴らしかった。
特に一番心を打たれたのが、ストレッチャーの横になったままで歌っている、青年を見たときです。
体を動かすことはほぼできない状態、ということですよね。
カラオケで自分の好きな歌を歌っていました。
もうなんの歌を歌っていたのか忘れてしまいましたが、そこには歌うよろこびが満ちていました。
その当時の僕の音楽基準から言ったら、一番ダメなパターンのはず。
音程もリズムも取れてはいない。
純粋に音楽として聴いたらちょっと痛い。
でもそれがどうした?
こんなよろこびをまき散らしているんだ。
感動しました。
だから、彼がナニを歌ったかは忘れてしまったけれど、彼が放っていた音楽するよろこびは強烈に覚えています。
僕はとっておきの音楽祭というイベントが大好きになりました。
そしてこのイベントを毎年開催している仙台という町も好きになりました。
仙台という町は音楽イベントにとても積極的な町のようで、市内のあちこちの公園や商店街で、しょっちゅう音楽イベントが行われています。
町の合意として、こういうものは大事だから、と思っているのが伝わってきます。
これをきっかけに、翌年からは相模の風THEめをととして、このとっておきの音楽祭に参加するようになります。
障がいがあろうがなかろうが、友だちも仲間も増えていきます。
あの時思い切ってとっておきの音楽祭に参加したのが、今につながっているわけです。
この二年は残念なことに、新型コロナの影響でリモート開催。
でも来年こそは。
僕らを東北ラブにするきっかけを作ってくれた、素晴らしい音楽祭。
そして素敵な町 仙台。
ありがとうございます!