よろこび製造所へようこそ!
相模の風THEめをとのダンナ
いしはらとしひろです。
タケルさん、お盆です。
「おう。それは おばんどす、
のシャレなのか?」
いやいやタケルさん、
そういうことは
ギャグにしませんよ、わたくし。
久々の登場にもかかわらず、
緩い感じのタケルさん。
そう、いつも僕らを
見守ってくださっている、大好きな神様
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)
「このところ2週間に一度の
ペースではないか。
わしゃ、お前以外の皆さまにも
会いたいのだよ。なんとかせぃ」
はい、すいません。
「まぁ、忙しいことは良いことだがな。
やりたいこと、いっぱいあるのだろ?」
はい、お陰様で。
「お陰様で。良い言葉じゃ。
ところで今日はなんの日だ?」
お盆の中日であると共に、
日本人ならばとても大事な日、
終戦記念日です。
「そうじゃのう。
74年もの間、戦争がない、
というのは素晴らしいことなのだぞ。
わかっておるな」
はい。
でも、日本にはタケルさんをはじめ
素晴らしい神様が、強い神様が
たくさんいらっしゃるのに
なぜ負けたんでしょう?
「お前、勝ちたかったの?」
いえ、そういうわけでは。
戦争中のことは
センシティブな問題のせいか、
どちらかに極端に
振れてしまうことが多いようです。
戦中の日本は正しかった。
正義の戦争で、
その目的には間違いがなかった、
というようなことを言う人もいれば、
日本軍はひどいことばかりして、
アジアの人からたくさん恨まれていた
という人も。
どちらが正しい、とか
ここで探るつもりはありません。
「戦に正義なんてない。
戦は戦、そこに戦いがあるだけじゃ。
斬られた方は死ぬ」
おおお。
シンプルだけど、何か深そう。
僕は戦争を体験したわけではありません。
しかし、僕の父と母は、
リアルに戦争を体験しています。
「そうか、父上も母上も
大変な思いをされたのだな」
ええ、そのようです。
父は終戦間際の、
昭和20年8月10日頃に
満州で陸軍に入隊しました。
上官に「ソ連の戦車が来たら
爆弾を抱いて戦車の下に突っ込め」
といわれたそうです。
幸いにして、戦車は来ず
しかし、たったの5日間軍隊にいただけで
旧ソ連軍に捕まりシベリア抑留。
3年間です。
収容所での生活も厳しく
捕虜になっている間に亡くなった
同僚もたくさんいたそうです。
戦争では
自分の意思と関わりなく
暴力的に死がもたらされる。
そして場合によっては
自分が「死をもたらす側」に
なることもある。
母は、横浜大空襲を体験しています。
昭和20年5月29日。
死者8000人。
焼夷弾の煙で、周りが
夜のように真っ暗になったそうです。
逃げる際に、母はなぜか、鍋に水を張って
お皿を何枚かいれて、
家の裏庭の小穴に入れて
逃げたそうです。
その家も焼け、
しかし、その鍋と皿だけは焼けずに残り、
焼け跡に戻ったまだ少女だった母と、
若き日のお婆ちゃんは、その
皿を見つめて苦笑いしたそうです。
幸いにして母の家族は全員無事でしたが、
母の近所の方や、同級生も何人も
亡くなったそうです。
そして親戚を頼っての
居候生活も相当厳しかったようです。
僕は戦争を体験していません。
でも父と母の、この体験を聞けたことは
とても良いことだと想っています。
聞いたことではあるけれど、
これを語り継いでいく義務がある。
「なるほど。
お前の父上も母上も、
本当に大変な思いをされたのじゃな。
そしてよく生き延びた」
ええ、おかげで今、
僕がここにいることができます。
「戦争がいい、などと想うものは
ほぼおらん」
でも、なぜか『おっぱじまる』のですよね。
「そうだなぁ。
お前らはおっぱじめるの、結構好きだな」
タケルさんの頃の戦はどうだったのですか?
「ワシの頃か。
まぁ、今とは人の数も
環境もだいぶ違うから
一概には比べられぬが。
ワシが戦をした時は、こう言うとなんだが
ワシが天皇の息子で
父に「まつろわぬ者どもを平らげてこい」
と命令されたからだな。
それ以上のことは考えもしなかった。
今の価値観で言ったら、ちょいとダメかのう」
いや、タケルさんの頃は
それでも良かったのかもしれません。
でも今は違いますよね。
74年間、曲がりなりにも
戦争に遭わずに過ごせたのは
僥倖としか言えません。
ここから先も
平和を守っていきたいと想います。
「じゃがなぁ、仕掛けられたらどうする?
自分から仕掛けなくても
相手から無理矢理に
戦争を始められてしまうこともあるじゃろ?」
そう、そこなんですよね。
でも、最近想うのです。
そもそも戦争を仕掛けられない国に
なれば良いんじゃないかって。
「ほほう。
大きく出たではないか。
そんな妙案があるのか、カボチャ頭よ」
妙案かどうかはわからないのですが。
文化の力です。
文系へっぽこ男ならではの回答でしょ?
「文化とは?」
僕らが、広い意味で気持ちよく過ごすために
生み出した、生活のスタイルや考え方。
世界をより良くしていく、仕組み。
その生活を楽しむための
あれやこれや。
たとえば音楽。
たとえば物語。
日本が誇るアニメーション。
それが素晴らしいもので
世界中のみんなもマネしたくなるような
そんなレベルまで行けていれば、
戦争なんかに巻き込まれない気が
するんです。
むしろ、優れた文化自体が
戦争への抑止力になるのではないかと。
「あんなカッコイイものを
次々に生み出せる国には
ここからも世界のために良いものを作ったり、
良い考えや生き方を提示してもらいたいなぁ」
ってなったら最高じゃないですか?
「うむ、最高じゃな。
だが、そういうのを甘い、というやつも
いそうじゃな」
甘ちゃん上等です。
僕はそこから、進んでいきたいと想っています。
いや、今日からそういう風に進んでいきます。
「よく言った。
ワシは確かに戦いの神でもある。
人間時代はたくさんの戦をした。
そしてその多くに勝ってきた」
ええ、そこが素晴らしいところでもありますし。
「だが、21世紀の今は、
いわゆる戦争で強い、などに価値はない。
柔らかな戦い方。
あるいは戦いですらない、
皆が気持ちよくなる知恵を使って、
一人でも多くのものが生き延びる方法。
お前の言う、素晴らしい文化を築いて
戦争を起こさない、起こさせない、
というのが、ここからお前たちだからこそ
できるやり方じゃのう。
まぁ、お前は
歌って、それから良き物語を紡げ。
多分それが一番早道で近道だ」
タケルさん、ありがとうございます。
そんな国を作るために
僕らを導いてくださいますね。
「いいとも~」
………
………
………
せっかく良い感じできたのに
なんで最後が軽いかなぁ。
しかも いいともは
何年も前に終わってるしさぁ。
「相変わらずアホじゃな。
この軽さこそが、
新しい時代にふさわしいのだよ」
わかりました。
じゃあ、僕も軽く行きます。
ここからは文化こそが
戦争を凌駕するのだぁ。
おーいえ~~。
最後まで読んでくださって
ありがとうございます!
さすらいのタケルさん その29はこちら
さすらいのタケルさん その27はこちら
※註 この文における
わたくし いしはらと
日本武尊の会話は
すべて いしはらの
脳内で行われているものです。
相模の風THEめをとの
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【相模の風THEめをと ライブ情報】
8月17日(土)大阪北新地LAUSBUB
17時00分開演 2000円 1Dr付き
うさみみスタウト 相模の風THEめをと 他
相模の風THEめをとの出順は3番目
18時過ぎからの演奏になります。
8月18日(日)明石海峡大橋海上プロムナード
13:00〜 入館料310円
出演:坂口徹、Tak-kan、ロッコ☆スター
Fuse、Kazun、
相模の風THEめをとwith手話パフォーマンス美和
8月25日(日)とっておきの音楽祭山形
ほっとなる広場 15:40〜16:10
相模の風THEめをとwith手話パフォーマンス美和
9月23日(月祝)大和市桜ヶ丘インジャゴ
相模の風THEめをと・榎ありさ
ツーマンライブ