心のバランスは腸で整える? | 相模原「タナココ」です

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「明日、誰かに話したい!」

そんな、心と体の健康に役立つ研究論文をわかりやすくお伝えします。

心や体の不調が気になっている人は「タナココ」までご相談ください。

 

〜プロバイオティクスがもたらす「心」と「腸」の不思議な関係〜

🧠 「こころ」と「おなか」の意外なつながり

なんとなく元気が出ない、やる気が続かない──そんな日が続くと、つい「自分は大丈夫かな」と心配になるものです。でも、病院に行くほど深刻ではないし、誰にも相談しづらい。

そんな「ちょっとした気分の落ち込み」が、実は体の「おなか」、つまり腸と深く関わっているかもしれない──その視点で調べたのが、今回紹介する研究です。

 

今回紹介する研究では、うつ病と診断されるほどではないけれど、日常生活にちょっとした支障をきたす「閾値下うつ病」と呼ばれる状態に注目しました。

 

気分と腸内環境の関係、そして「善玉菌」のサプリメントがどんな影響をもたらすのかを調査しました。

 

そしてこの研究を「西洋医学」とは違った角度──つまり「中医学」の視点でも考えてみたいと思います。からだ全体のバランスを重視した視点で、腸と脳の深い関係を捉えてみます。

 

中医学との繋がりを考えることで、まだ知られていない「心と体の秘密」がこの研究から見えてきます。

 

どんなふうにしてこの研究が行われたのか、その裏側を詳しくみていきましょう。

 

必読です。

 

 

 

🔬 「プチうつ」と「腸内環境」

「うつ」と聞くと、どうしても心の病気というイメージが強いですが、最近は「おなかの状態」──つまり「腸内環境」が心の健康にも影響することがわかってきました。

この研究が注目した「閾値下うつ病」は、まだ本格的なうつ病とまではいかないけれど、気分の落ち込みややる気の低下で日常生活がちょっとだけしんどくなる──いわゆる「プチうつ」とも呼べるような状態です。

 

この段階でケアを始めることで、本格的なうつ病への進行を防ぐことができるのではないか。そんな想いからこの研究は企画されました。

 

 

 

💊 毎日続ける、善玉菌サプリのシンプルな実験

今回の研究では、オーストラリアに住む大人39人に協力してもらい、12週間、1日1粒の「善玉菌サプリ」または偽薬(プラセボ)を飲み続けてもらいました。

サプリに入っている善玉菌は、ヨーグルトにも含まれる4種類で、1粒あたり40億個というしっかりした量です。

 

研究チームは、参加者の気分の変化をいくつかの質問票で調べると同時に、血液を使って「セロトニン」などの気分の安定に関わる物質の変化もチェックしました。

 

どれくらい気分が明るくなるのか、体の中でどんな変化が起きるのか、しっかり検証したのです。

 

 

 

📈 善玉菌サプリがもたらした変化

さて、サプリを飲み続けた人たちの「気分」にどんな変化が起きたのでしょうか。

結果は──

 

12週間後、善玉菌サプリを飲んだグループでは、「気分の落ち込み」が明らかに軽くなっていました。質問票を使った評価でも、気分が前向きになった人が多く見られたのです。

この「閾値下うつ病」の人たちにとって、毎日の小さな習慣が心の調子に良い影響を与えていたことが数字にも表れています。

 

 

 

⚖️ この研究の限界

今回の研究では、「善玉菌サプリを毎日飲むことで、気分の落ち込みが少し軽くなった」と感じる人がいたことが分かりました。これは、ふだんの生活に取り入れやすいケアの一つかもしれません。

 

研究で血液中の「セロトニン」量も測定していて、善玉菌のサプリを飲んだ人と、偽薬(プラセボ)を飲んだ人で差はありましたが、これが本当に心の調子の良さにつながっているのか──ここは、まだよく分かっていません。

 

サプリを飲んだ人のセロトニンの動きが、抗うつ薬(SSRI)を使ったときの現象と「ちょっと似ている」という点は興味深いですが、「だから薬と同じくらい効く!」とは言えません。

また、この研究は、参加者が39人と少なめで、しかも12週間という短い期間しか観察されていません。

 

つまり、「善玉菌サプリが心の健康を守る力になりそうだ」という可能性は見えたものの、「なぜそうなるのか」「どんな人により効果的なのか」を知るには、もっと多くの人と長い期間で、さまざまな角度から研究を重ねる必要があります。

 

 

 

🌿 中医学でみる「脾胃」と「心」のつながり

中医学では、私たちの元気や心の安定は「気(き)」と「血(けつ)」によって支えられていると考えます。その「材料」を生み出すのが「脾胃(ひい)」つまりおなかの働きです。

 

もし脾胃の機能が弱まると、食べ物から十分な「気血(きけつ)」が作られにくくなります。そうすると「心」に送られる「血」も足りなくなり、「心血虚(しんけっきょ)」という状態になります。

 

この「心血虚」は、気分の落ち込みや不安、不眠といった「心神不安」を引き起こしやすくなる──というのが中医学の考え方です。

 

今回の研究で注目された善玉菌サプリは、腸(脾胃)の働きを助けて、体と心に必要な「気血」をしっかり生み出すサポート役。

 

つまり、「おなかの調子を整えることが、気分や心の安定にもつながる」という理論と、現代科学のデータが重なり合ったといえます。

 

 

 

🎁 心とおなか、どちらも大切に

今回の研究は、ちょっとした気分の落ち込みや元気のなさに、善玉菌サプリという新しいアプローチが役立つかもしれないことを示してくれました。

 

おなかの健康が心の健康と深く関わっている──これは中医学でも古くから伝えられてきた知恵です。

 

今後、より多くの人を対象にした研究や、さまざまな角度からの検証が進めば、腸から心をケアする方法がさらに広がと思います。

まずは、日々の食事やおなかの調子を大切にすることが、心の健やかさを守るための第一歩になるかもしれません。

 

 

 

🙇 お読みいただきありがとうございます 🙇

 

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