イエケルの息子エイシクが夢をみた。 
それは、プラハ王宮の橋のたもとに宝物が埋まっている、という夢だった。 
同じ夢をつづけて何回も見たので、彼はプラハへの旅にでることを決意した。 
しかしプラハに着いてみると、王宮につうじる橋にはつねに見張りが立っていて、そこを掘ることはむずかしかった。 
毎日橋のたもとにでかけ、一日中、その辺りで時を過ごしていると、守衛頭がエイシクに気づいて、彼に話しかけた。 
エイシクがプラハへ来ることになった夢の話をすると、守衛頭はあきれた様子で、笑いながら言った。 
「夢のおつげを信じて、ここまでやって来たのか! 
そんな夢を信じるなんてばかげたことだ。 
似たような夢なら私も見たことがあるが、それにしたがうなら、クラクフに行って、イエケルの息子エイシクの家を探し、その暖炉の下にある宝を掘らなければならない。 
だけど、考えてごらんよ。クラクフでは住民の半分がエイシクで、残りの半分がイエケルという名前だ!」 
エイシクはていねいに礼を言って、家路についた。 
そして、自分の家の暖炉の下を掘って、宝物を手に入れた。 

 

 

最近、友人にすすめられて「アルケミスト」という本を読んだ。 
それは、羊飼いの若者が、夢のおつげを信じて、スペインからエジプトまで宝をさがしにいくという物語りだった。 
エジプトに着いて宝の埋まっている場所を掘っていると、盗賊に身ぐるみはがれてしまう。そのとき、盗賊の首領が若者に自分の見た夢の話をするのだ。 (続く)

 

 

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瞑想は真の自分につながる最良の道であり、この味わいがわかると日常のなかにスピリチュアリティの質をもちこむことになります。そうするとあなたの現実世界が少しづつ変容されていくでしょう。

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