インドの首都、デリーのパハルガンジー界隈。
ここは、世界中からの旅行者が集まっているところです。
私のホテルの前にチャイ屋があり、チャイ屋の近くにラッシー屋があり、そのまえに毎朝ひとりの女性が坐って何かを広げています。
細い棒のようなものが袋の上に並べられている。
これ、なんでしょうね。
私も買ってみたら、一本5ルピーでした。



朝6時。
通りはまだそれほど騒がしくなく、ほとんどの店がまだ閉まっている。
しばらくみていると、ぽつりぽつりと人がやってきて、その棒を一本づつ買っていきます。



実は、これ、ニームの枝なのです。
ニームの枝は、伝統的に、自然の歯ブラシであったのですよ、インドでは・・・。
この枝をかみかみしていると、先のほうがつぶれてくるので、それを歯ブラシとして、歯をみがくのです。
ちょうど向かい側のラッシー屋の前で、ひとりの男性がこのニームの枝で歯をみがいていたので、そっと写真をとりました。



こうやって、5分から10分くらいニームの枝をかみかみしたり、ぐじゅぐじゅしたり、歯ブラシを動かすというよりは、顔全体を左右に動かしながら、歯をみがいています。
私も長年知ってはいましたが、実際にはやったことがなかったので、今回やってみました。
慣れないので、ちょっと枝の割れ方なども理想的ではなかったかもしれないけど、けっこうイケマシタね。

ニームは通常葉を粉やタブレットにして、摂取するものですが、かなり苦いのです。
苦いけど、身体の健康上にはかなりの効果をあげるので、インドでは何にでも良い、と言われています。
「村の薬局」という異名を持つほどです。
世界的には、最近は「ミラクル・ニーム」とも呼ばれています。

粉も苦いけど、新鮮な葉っぱは苦味のなかになんともいえない新鮮さがあって、いいものです。
しかし、この枝はそれほど苦くなく、ちょっと渋みとも、苦味ともつかないような、あと味を口のなかに残して、身体も、マインドも、一次元、きゅっとひきしめられるような感覚がありましたね。

それにしても、この男性、歯磨きをしているというより、何か難しい哲学的な論考を考えているような、、真面目ーな顔してますね。
本当は、何を考えているのか、興味のあるところです。



とにかく、これが歯磨きのさきっちょの部分です。
こういう自然の抗酸化剤で歯をみがくという発見が、すごいですね。
インドにはこういう「発見」がたくさんあるのです。
カレーもそういう発見のひとつですね。
アジアのなかで、ほんとうにオリジナルな料理であるのは、中国とインドだけです。あとは、その影響の下に作り出されてきた亜流だと思います。
インドには、まったく驚くようなオリジナルが、うようよしているのですよ。
閑話休題。

とにかく、もしあなたが日本でニームの木を栽培しているなら、葉っぱを噛んでみることと、枝で歯磨きしてみるとこを、試してみると、古今の叡智に納得するでしょう。

ニームの枝は、こんなかんじです。
これ一本で、20回くらいは、歯磨きができるでしょうね。



ニームの効果・効能と使い方はこちらからどうぞ


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