カルダモンは私のもっとも好きなスパイスのひとつです。
毎日、チャイを作るのに使ってますが、サフランライスを作るときにも使います。
インドの料理では、シナモンと一緒に特別なスパイスとしてよく使われ、カシミリ・プラオとかビリヤニにも入ってますね。
ツーンとちょっと鼻をさすような独特の香りがなんとも言えません。

カルダモンは、日本名を小豆(しょうずく)といい、しょうが科の植物で、高さが2-4mになります。緑白色で中央が紫色の花が咲き、果実は長さ2cmくらいの長楕円形(写真左)で、3室に分かれ、黒褐色の趣旨が10数個はいってます。

カルダモンという名前は、カルディア(cardia=心臓)の形をしたアモーマム(amoumum=生薬)というところからきているそうです。
香り成分として平均5%の精油をふくみ、「香りの王様」とも呼ばれます。
 
カルダモンの原産地はインドで、紀元前千年以上前から生薬やスパイスとして使われました。
紀元前4、5世紀頃には泌尿器系の病気を直し、脂肪をとる生薬として、また上流階級の人々はビンロウジの葉に包んで食後に噛むと、だ液の分泌がよくなるこ とから、消化吸収の助けになると言われてきました。今日でもカルダモンの実が口臭を清めると考えられ、食後に噛む習慣が残っています。

古代エジプトでは「聖なる香煙」として、神殿での祈祷の際にたかれるお香の中に使用されました。
スカンジナビアではアルコール臭を消す口臭剤としてよく使われ、スウェーデンではカルダモンの一人当たりの消費量はアメリカの50倍以上あり、ノルウェーではクリスマスのシーズンになると、国中にカルダモンのにおいが立ちこめると言われています。

カルダモンは、古代の王たちを毒殺から守る解毒薬としても用いられ、王室づきの医者たちはスパイスの防腐性、殺菌力に注目し、解毒剤の調合を研究したようです。
カルダモンには疲労回復、整腸効果があり、体温を下げるはたらきもあります。
 インドではカレーの基本食材のひとつとして使われ、アラビアにはカルダモン・コーヒーというものがあります。

カルダモンの使い方は多種多様でが、私がもっとも気に入っているのは、チャイの香辛料としてシナモンなどと一緒に使うことです。一日のはじまりにカルダモンの香りをかぐと、なにか新鮮な一陣の風が、私の心のなかで吹くような気がするんです。



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南インド(ケララ州)のカルダモンは、サフランロードの店から入手できます。