玄関ドア 防犯力アップ
【マンション快適ライフ】「サムターン回し」「こじ開け」対策
マンションの玄関ドアに、防犯機能を取り入れたタイプが登場している。新築物件だけでなく、既存マンションでも防犯性能の高い玄関ドアに交換することが多い。
ただ、玄関ドアは共用部分に当たるため、個人で交換するケースは少なく、大規模修繕などの際にマンション全体で行う場合がほとんどのようだ。
新築に「最新」機能
東京都品川区にある三井不動産のモデルルームを訪ねると、新旧2タイプの玄関ドアが展示されている。新旧での主な違いは、「サムターン回し」と「こじ開け」の対策が施されている点だ。
「サムターン回し」は、玄関ドアに穴を開け、特殊な工具で住戸内にある鍵のつまみ(サムターン)を回して侵入する手口。これに対応するため、防犯ドアでは、鍵のつまみの両面にスイッチボタンをつけ、ボタンを押しながらつまみを回す仕組みにし、工具などで簡単に回せないようにしてある。
また、鍵をかけたときにドアから出てくる「デッドボルト」を鎌(かま)形にしてドア枠部分の穴にがっちりかみ合わせ、バールなどでのこじ開けに強くした。ドリルで玄関ドアに穴を開けて鍵を開けるという手口に対しては、ドア全体に鋼板を用いている。
三井不動産の高橋秀行さんは「最近の新築マンションでは、玄関ドアに最新の防犯機能のあるタイプを導入することが増えてきています」と言う。
既存物件は一斉交換
既存マンションでも、防犯機能を備えた玄関ドアに交換する事例が増えている。マンション管理会社「長谷工コミュニティ」(東京)によると、築10~12年、築20~24年の大規模修繕の際に、新しい玄関ドアを取り付けるケースが多いという。東関東支店の滝沢岳夫さんは「防犯性能向上や気密性の確保、美観の点などからドア交換を検討するようです」と話す。
玄関ドアは共用部分であるため、個人で交換するケースは少ない。マンションによっては、個人でも交換できる管理規約を設けている場合もあるが、マンション全体で一斉に交換するのが一般的だ。大規模修繕の際に、様々な修繕項目の一つとして行うケースが多い。そのため、住民から交換の希望があっても、その他の工事や費用との兼ね合いで断念するケースもある。
1戸当たり20万円前後
玄関ドアメーカーの日本フネン(本社・徳島県吉野川市)によると、ドアの交換は、「カバー工法」という方法で行われることが多い。既存のドア枠を覆うように新しい枠を取り付け、新しいドアを入れる方法だ。ただこの工法では、開口部が上下12ミリ・左右15ミリ狭くなる。同社で施工する場合は、古いドアの撤去処分なども含めて1戸当たり20万円前後の費用がかかる。防犯機能を備えたドアはさらに3万円前後高くなるという。
日本フネン東京支店長の八木隆さんは「新しく取り付けるドアのデザインのほか、防犯や地震対策の機能をどの程度取り入れるか、費用と合わせて管理組合でよく検討してほしい」と話している。
CPマークを参考に
玄関ドアを付け替える際、ドア選びの参考になるのがCP(Crime Prevention)マークだ。警察庁や国土交通省、民間団体などで構成された「官民合同会議」による防犯性能基準を満たした建物部品に表示される。
侵入盗は、ドアやサッシを5分以上こじ開けられないと、7割が侵入をあきらめるとされる。ドアの場合、最近の侵入の手口に5分以上耐えることがCPマークの認定基準だ。全国防犯協会連合会のホームページ(http://www.bohan.or.jp/ )から、認定品の一覧を見ることができる。