映画の脚本執筆に限らず、小説を書く時でも役者さんやモデルさん、または知り合いの
姿形、言動を思い浮かべながら物語を構成して行くのは、作家さんたちが日常的にやっていること。
脚本の世界では当て書きと言う。

この間「だからと言って脚本家はキャスティングディレクターじゃないんだから、
脚本に身体的特徴を書きすぎるな」って話しを教授がしていた。

「まぁ、自分の頭の中のキャスティングはいくら奇抜だろうが金がかかりそうだろうが自由だけどね。
ロバート・デニーロとクリント・イーストウッドを戦わせようが、どんなハリウッドスターを使おうが勝手だから、
大いに想像力を働かせたら良いよ」と。

そんなこと言ったら。私の作品の主役はゲイリー・オールドマン
(私、14の時から大ファン)なんだけど。 その時点で制作費がっ。叫び
いやいや、教授の言う通り頭の中のキャスティングはタダだからね。目
5つの課題のうちやっと、悲劇コメディーの続編案の2つが出来上がって、課題提出の前に教授に指導を仰いだ。

教授最初から最後まで速読。シーンとした空気の中赤ペン持った教授が
私の作品を読みながら
「うん、いいね。くすっ。うん、いいね。くすっ。うん、いいね。くすっ。うん、うん。面白い。良く構成されてる良い作品だね。」
って評価されました。前回Cだったから、笑いとオリジナリティーのツボに入った所で
BかAもらえるかしら。う~ん。単位の結果は来月でます。

単位でAを取ると、その作品でコンテストへの応募や出版を勧められるんだけど
どうなんだろう。今の所先のことは良く解らない。

しかし、「クラスでただ一人の留学生だから」と特別扱いされていないのが嬉しいやら大変やら。
完全に他のネイティブと一緒に戦わされてます。でも反応は良いので残りの3つもがんばりまっす。

そんなわけで久々に何もしない週末を過ごそうと思って、大好きな作家の金城一紀さんの
ブログ、帰ってきた「映画日記」 をまとめて読んでみる。

金城一紀さんは若手作家の中では1、2を争う、映画やドラマの脚本も書いている直木賞作家。
小説「GO 」 の原作者で、この作品は2001年に、デビューして間もない柴崎コウさんと、
ジャンプ事件の前で最高に才能が開花していた時期の窪塚
洋介さんで映画化 されて
大ヒットした作品。

あとは小説の「フライ ダディー フライ 」も岡田准一さん主演で映画化されて、
最近は脚本を担当しているドラマの「SP」も映画化されて大忙しな作家さん。

金城作品はすべての作品において、在日朝鮮/韓国人の差別とかコミュニティーの中での3世の葛藤とか
扱っている題材は重いんだけど、恋愛や第三者の悩みを大軸にすることで
コメディー、エンターテイメント性のある作品に仕上がっているのが大きな特徴。

私が今書いている作品も、ガン、生と死、老いと性、スターとストーカー、
二世タレントの悩み、遺伝性精神疾患、家族間の虐待の連鎖とトラウマなどなど
重い題材だけ羅列するとアート系フランス映画かラース・フォン・トリアーの映画並みに重い。

でもそこをセックスシンボルであることが全ての人生を生きてきた老いたロックスターの
話しにしてみたり、オジー・オズボーンの家ような、崩壊してるんだけど家族愛でなんとか持ってる
家の話しにした所でコメディー、エンターテイメント性が生まれたと思う。

今の私の目標は、英語で執筆する金城一紀さんみたいになることだなー!

一つの架空のキャラクターを作り上げると言うのは、当然学術的なリサーチが必要な作業。

この間教授が犯罪スリラー物の物語を書いてる生徒にアドバイスした話しが面白かった。
「人が人を殺すとき、そこに憎しみがあると必ず犯人は顔に近い所を攻撃する。」だと。

つまりこうゆうこと。
ここに5年付き合っていたカップルが居ます。
彼女が浮気したのを許せない男性が彼女を刺し殺そうとします。
その時男性は絶対に足を刺したり、腕を刺したりしません。
顔、首、または体の前方、恋愛のこじれなら特に子宮、卵巣のあたりをグサッと刺します。

犯罪心理学では、顔はその人のアイデンティティー。
殺すと言う行為はアイデンティティーを消し去る行為なので、
殺す相手が憎ければ憎いほど、逆に言うなら殺す前までの感情が親しければ親しいほど
死体は首無しになったり、顔をめちゃくちゃにされたりするんだそう。

だからそうゆうキャラクター設定でフィクションを書く時は、「首無しの遺体がどこかで発見された」
と言う所から始めると良い、とのこと。

私はスリラーは書いたこと無いし、科学捜査物が好きな反面、
相当勉強しないと自分が思うような物は書けるとは思わないけど、
犯罪心理学の学位持ってる教授の犯罪心理学に基づいた話しは、なるほどーと思いましたね。

たしかに最近のバラバラ死体事件の犯人は、だいたい夫か嫁だもんねぇ。叫び