現在に追いつきます。もう早速始めちゃいましょう。


2020年(令和2年)

今回のテーマは、「中心部をどうにかしよう」だ。まずは、前年時点での市街地の地図をご覧いただきたい。

※市街地版の拡大版はこちら

中心部、古くからの高宮市街地の多くが住居表示未実施のまま残っている。ひとえに、昔ながらの背割り方式の町に対する住民の愛着がうかがえる。一応、市街地のみ抜粋した図もお示ししておこう。

結局、これらは未整理のまま残されているわけだ。これまで、整理するなら住居表示で、という方針を貫いていた当局は、住民が賛成しないのなら未整理で放置するしかないという姿勢を貫いていたのだ。しかし、しないならしないで、番地がバラバラなのでそれによる不便さはぬぐえず、どうにか整理してほしいという声も多かったのだ。

というこどで、当局も重い腰を上げ、町名整理に向けて動き出したわけだ。

 

その方法であるが、実は私、昔、具体的な案について提示したことがある。それが、この記事だ。

 

要するに、昔ながらの町名を維持しつつ、道路方式で住居表示をしようという話なのだ。

町名と通り名の二本立てで、たとえば万屋町の川端通りなら万屋町川端n号という形になるわけだ。(町名と通り名が同一の場合、通り名は省略)

 

これを、高宮市に導入するというわけだ。

ただし、町名は若干の変更がある。また、こういう形の道路方式はおそらく住居表示法でも想定されていないと思われるので、今回、あくまで「地番整理」という形で行うことにした。

たとえば、「ハルうた」で鈴蘭が店を構えていたのは(後に春若に移転)、町名でいえば銀座町だが、きゃろるすとりーと(長崎で言うアルコア中通り)という商店街である。きゃろるすとりーとは、長崎で言う八幡町の伊勢宮の橋を渡ったところが起点になるのだが、その起点から700mの地点にある。起点から見て番地は10m刻みで2ずつ上がり、右が奇数、左が偶数という形になっている。すなわち、700m地点で左側となると、140番地にあたる。ちなみに、この700m地点の左側には建物が2つ並んでおり、起点から見て奥側に位置するので、枝番の2がつく。

ということで、鈴蘭の「リリーベル」の住所は「高宮市銀座町きゃろる140番地2」ということになる。

この住所は、高宮市が自治体名、銀座町が町大字名、きゃろるが小字名、140-2が番地ということになる。

今回の町名整理で、小字を新設する、という形を取ったのだ。九州ではほとんど例がないのだが、愛知県とかではおなじみの、「小字ごとの起番の為省略ができない字名」という扱いになるのだ。住所表記の上では「字」は表記せず、上記が正式な住所になる。

 

ここで、町名の変更について列挙しておく。

・新鎮西町:鎮西町として住居表示されなかった残り。呂花町に編入。

・東中玉調町:玉調4丁目に改称。

・中町:代官坂町に編入。

・新博多町:本博多町が消滅済みの為、「新」を取り博多町に。

・本大工町:同様の理由で大工町に改称。

・新紺屋町:新紺屋町の高島川右岸は市民会館・中央公民館用地の各々半分であるため、もう半分の(本)大工町に編入。左岸はかつての通称から茜町に改称。

・魚ノ棚町:表記変更し魚の棚町。

・本紺屋町:紺屋町に改称。

・北下町・南下町:合併し下町に。

・古瀬寿町・古瀬大町:古瀬町と混同しやすいことから「古瀬」を取り寿町・大町に。

・古瀬川端町:同様の理由で「古瀬」を取る方針としたが、当町を含めた川端通りとの混同を避けるため、町名の調整が難航。この町は高島川に沿う珍しい町域を持っており、昔、高宮大水害で壊滅的な被害を受け、川沿が治水工事で公園化され、町の建物の半分がなくなったこともあり、住民が激減していた。かろうじて自治会は存続していたが、今回、周囲の直交する町に分割編入することとなった。

・東浜崎町・西浜崎町:市内一のアーケード商店街である浜崎銀天街が両町をまたぐことから、東浜崎町の全域と西浜崎町の時雨通り(長崎で言う春雨通り)より北側の区域が合併し浜崎町となる。西浜崎町の残りは俵町となる。

・月成町:飛地部分を俵町の一部に。

・新竹篭町:元々如月通りと通称されていたことから如月町に改称。ちなみに、これまで自治会名は「新竹篭町如月通り会」だったが、改称にともない「如月町自治会」となった。

・漆喰町:東側の一部分が矢萩町として独立。中心部の町としては唯一複数の自治会が置かれており、矢萩自治会部分が独立した形。

・綾織町:中心部への町名整理で編入される予定だった未実施区域。如月町と油屋町に編入。

・茶屋町:同様に未実施のまま残されていた区域。丸岡町に編入。

・剣町:同様に未実施のまま残されていた区域。矢萩町の一部に。

・本竹篭町:竹篭町に改称。旧来から自治会名も竹篭町となっている。

・飛梅町:既に住居表示実施区域もあるが、その部分はそのままで未実施区域に地番整理を施行した。

 

ということで、町名整理の結果を示す。Mapionの長崎市の地図に落書きしたのはご容赦願いたい。

青は通り名の境界、赤は町名の境界、両者が重なる場合紫となっている。

文字は、青が通り名、紫も赤も町名である。紫は通り名を表記する部分(すなわち、通り名が町名と同一)があることを示し、全域が通り名付きの表記となる町名が赤になっている。

なお、緑で囲まれた木挽町だが、住居表示実施地区として廃止されたが、復活できそうなので、桜が丘町と天徳町の各一部を割いて新たに住居表示医実施区域として復活した。旧市域の昔の町としては珍しく、町の区画が街区式になっているため(そのままの形で復活している)、復活しやすいという事情があり実現した。

 

というわけで、最後に、町名整理後のいつもの地図を示す。

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2021年(令和3年)

魁町中心部で、市中心部に倣い地番整理が行われた。ほとんどが、旧来の町名を引き継いだ。この町名は厳密には小字にあたるのだが、この時に正式に町名に昇格した。なお、いくつかの変更があった。

・神仙町のみ住居表示実施。

・寧徳町から西新町が独立。

・汀町が丁目を廃止。

・大字東魁が隣接する町に編入。これをもって高宮市にあった大字が全廃となった。

 

2022年(令和4年)

微妙に残されていた「福岡町」が廃止されることとなり、以下のように変更された。

・伊里浦1~4丁目:「福岡町」のみ削除し、そのまま伊里浦1~4丁目となった。

・事代:当地も伊里浦地区として扱われることが多いため、伊里浦事代町となった。

・本町1~2丁目:福岡1~2丁目に改称。

・協和:福岡協和町に。

 

2023年(令和5年)

南町の以下の町で住居表示実施。一部の町に丁目がつく。

名母里1~3丁目、名母里東田(名母里の一部が分立)、岬1〜4丁目

 

2024(令和6年)

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丸和町梵天丸・黒神町神森江で住居表示実施。いずれも1~4丁目に分かれた。

 

また、造成の都合で住居表示未実施だった越路3丁目で住居表示が実施され、3~7丁目となった。

 

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はい、現代に追いつきました。春若町には現在、新しい住宅地が造成中の為、それも近々住居表示が実施されることになるでしょう。

 

ということで、これで終わりなんですが、私のこだわりで、「番外編その2」を次回やって本当に終わりにします。お楽しみに。