いわゆる五大都市圏の中心都市のひとつであり、なおかつ札幌よりも大きな都市圏を持っているのにもかかわらず、都市人口がちょっと少ないんじゃないか?というTwitterでも散見されるいちゃもんに近い思い付きで、そうだ、福岡市を広げてみよう、という妄想ネタを考えてみた。使い古されたネタかもしれないけどね。とにかく、これは遊びなので、あまり深いツッコミはなしでお願いしたい。目指せ、200万都市。

 

市域

まず、今の福岡市に加えて、どこまで増やすか。これは線引きが難しい。

人口200万を目指すといったが、あまり面積を増やしすぎるのも感心しない。では、どこまでなら増やしてもよさそうか。

これが、現在の政令指定都市(と東京23区)の面積だ。赤が福岡市、橙が他の五大都市圏の中心都市、黄色がその他の平成の大合併以前からある政令指定都市、青が平成の大合併でできた政令指定都市だ(京都と広島は平成の大合併で1町編入したのでこの表記とした)

まあ、1000km2を超えた分を超えた市は無視していい。札幌市は古くから広い市域を持つが、これも北海道だからしょうがない、という感じだ。となると、グラフの橙と黄だけ読む限りでは600km2前後までは増やしても問題なかろう。という風には言えそうだ。

 

というわけで、福岡市を増やしていこうと思う。

福岡都市圏(ここでは行政上の、朝倉地区を除く福岡地方としよう)には以下の市町村が含まれる(Wikipedia調べ)

福岡都市広域圏
福岡市
筑紫地域(筑紫野市、春日市、大野城市、太宰府市、那珂川市)
糟屋地域(古賀市、宇美町、篠栗町、志免町、須恵町、新宮町、久山町、粕屋町)
宗像地域(宗像市、福津市)
糸島地域(糸島市)

 

そして、中心となる福岡市役所(ちなみに天神にある)からの距離を調べてみる。直線距離を信用していいのかわからないが、まあ、硬いことは言わない。これは先ほどツイートしてきた。大体、2.5km刻みでカテゴライズしてみる。

7.5:志免町、粕屋町

10:春日市、大野城市、須恵町

12.5:那珂川市、宇美町、篠栗町、久山町

15:太宰府市、新宮町

17.5:筑紫野市、古賀市

20:糸島市

22.5:福津市

27.5:宗像市

 

さて、これらを順に福岡市に付け足していってみよう。

まずは、これがオリジナルの福岡市。

人口1,588,924人(2019/6/1現在の推計人口、以下同じ)、面積343.39km2

 

まず、最も近い位置にある志免町と粕屋町を足してみる。

これはかなりしっくりいく形だ。むしろなぜ福岡市にならないのか、と言いたくなるレベルだ。

人口1,682,237人、面積366.21km2。たぶん、元の福岡市より人口密度高くなってる。

お次は10km圏の2市1町だ。

うわあ。これは歪だ。那珂川市が気になる。まあ、今回、あくまで市役所の位置で測ったことが原因だ。那珂川市役所は市街地の奥の奥にあり、正直市街地はバリバリ10km圏内だからなあ。。。まあしょうがない。

人口1,922,674人、面積423.56km2。ここで面積が400突破。那珂川市のこともありまだ増やしたい。

ということで、続いて12.5km圏内。那珂川市だけではなく、新宮町を除く糟屋郡がすべて入る。

これも糟屋郡のでっぱりが気になるが、先ほどまでではなかろう。

人口2,015,638人、面積605.09km2。ここで人口・面積ともに目標値を達成。

 

もうちょっと試してみよう。続いて15km圏。

これは正直、形的にはさっきより自然になったんじゃなかろうか説。

人口2,120,469人、面積653.62km2。増やしても増やさなくてもいい感じ。

まだまだ増やしてみる。17.5km圏。

明らかに元の市域より倍増している。そして、面白いことに、西側は全くもって増えていない。

人口2,281,779人、面積783.42km2。名古屋市の人口とほぼ同じになる。増やしすぎた感。

…だけどもう少しだけ増やしてみる。20km圏。

始めて西側の市域が増えるが(というか糸島市しか足してない)、明らかに膨れ上がっている。

人口2,379,862人、面積999.12km2

はい、打ち止め!これ以上はやばい。

 

ここまでやってみて、適切な規模に収まったのは、12.5km圏もしくは15km圏までを含めた場合であるということが分かった。

したがって、12.5km圏はマスト、15km圏は状況を見ながら、ということになると思う。

状況、というのは、色々あると思うが、私が考え付いた限りでは福岡市に入らない側と比べて、どちらとのつながりが深そうか、という話になってくると思う。これについては、該当する太宰府市と新宮町、それぞれで考える必要があると思う。

 

今回は先に新宮町の話をしたい。

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東部の立花山は微妙だが、市街地は、東区和白地区と連続しているように見える。たぶん、これは古賀じゃない。地図を見てもわかるが、私は和白出身の友人がいて、彼にも聞いたことがあるのだが、新宮は和白の勢力圏なんだそうだ。これは、新宮町は福岡市扱いしたほうがいいと思われる。

 

お次は太宰府市だ。

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大野城市(こちらが福岡市に編入される側になる)とのつながりが薄そうとは言わないが、どうみても大野城か筑紫野かで言えば筑紫野寄りだ。残念ながら地図では省略されているが(線路の分岐点の付け根と思ったらいい)、西鉄二日市駅をよく利用する太宰府市民もかなり多かろうと思う。

ただ、一つ微妙なのが、御笠川右岸地域だ。肝心の御笠川が見えにくいのだが、要はおおよそ西鉄の線路より西側で、九州道も走っているあたりだ。こちらに限ってはむしろ大野城とのつながりが深そうだ。県道も走っており、福岡市へのアクセスも多いものと思われる(私もこの道路は何度も通行したことがある)。そして、丁度この部分で、筑紫野市杉塚が楔状に入り込んでおり、太宰府市としてはくびれる形になっているのだ。

もし差支えがなければ、この部分だけ福岡市に分割編入するのもありなんじゃないかと考えている。残りは筑紫野市に入るもよし、ぶっちゃけこの部分を除いても5.6万ほどの人口はいるので、残りだけで太宰府市を続けるのも全然ありだと思う。

ということで、市域は決まった。正確には算出できないが、人口約206万人、面積約630km2。まあまあいい感じに仕上がった。

 

行政区

そして、今度は、政令指定都市である都合上、行政区について考えなければならない。

ここでの行政区の人口は5~30万に収めるものとしたい。5万人いなければまず市の人口条件にも合わないし、政令指定都市の区の人口は大体10~20万が普通で、25万で多い、30万で多すぎと言われるレベルになってくるものだ。まあ、今回は30万を超えるものについて処理し、新しく作る区は25万を超えないようにする方針で行こうと思う。

 

さて、福岡市には現在7区がある。Wikipedia調べでこのようになっている。

1 東区 317,679 20 69.36 4,580
2 博多区 242,712 15.3 31.63 7,673
3 中央区 201,161 12.7 15.40 13,062
4 南区 263,176 16.6 30.98 8,495
5 西区 211,967 13.3 84.17 2,518
6 城南区 132,509 8.3 15.99 8,287
7 早良区 219,720 13.8 95.87 2,292

左から、人口、人口割合、面積、人口密度らしい。人口に着目すると、30万ごえは東区だそうな。

東区は面積も3番目に多く、それより大きな区として西区と早良区がある。これら2区は出張所が設置されている(東区には出張所はない)。

したがって、東区については分割は絶対条件とし、西区と早良区は出張所管内が分割に足る規模があれば分割ということにしようと思う。

これについては結果をさらりとお伝えするが、西区の西部出張所…早い話がいわゆる伊都地区である。こちらはなんと現在7万人もいるらしい。ここは将来まだ人口が増える可能性もかんがみ、分割としたい。そして、早良区の入部出張所。これは最も遅く福岡市に入った旧早良町の区域なのだが、こちらは3万人にも満たないようなのだ。よって、こちらは分割はしない。

まとめると、現7区のうち東区と西区が分割対象になるので、元の福岡市は9区になるということだ。

難しいのは東区をどう分けるかだ。…ひょっとして、分割論が出るのにいまだに実現しないのは、そもそもこれが原因じゃなかろうか、と思えてくる。東区のおおよその地区分けと人口はこのようになっている。

かなりバランスよく分けられそうに見えるが、この多々良と香椎は市街地が一体化しているので、正直分けるのが困難なのだ。

箱崎地区だけではいくらなんでも少ない(5万人以上入るが、あまりにバランスが悪すぎる。ちなみに、多々良川より南側の多々良地区を足しても6.8万人ぐらいにしかならない)。

最もベターな案としては、和白と志賀島だけを独立させる案かもしれない。こちらも、合わせて6.6万人と少ないのだが、面積も加味すると、郊外である分面積が大きめになり、割といい感じになると思うのだ。一応、この和白+志賀島を仮に「北区」とし、残りを東区としようかと思う。

あと、これは深く考える必要がないのでさらりと済ませるが、西区の伊都地区は伊都区にする。

 

したがって、旧福岡市の区は東区、北区、博多区、中央区、南区、西区、伊都区、城南区、早良区の9区となる。

 

さて、新たに福岡市となる3市10町+αについて考えなけらばならない。

3市については、春日、大野城は既に10万人を超えているため、合併の必要はない。ただし、大野城については太宰府市の西部地区を編入することにはなるが。那珂川はやっとこさ5万人だが、こちらは面積が大きいので、これもまた単独でいいと思う。

したがって、それぞれ単独の春日区、大野区、那珂川区となる。大野城はそれそのものが固有名詞として定着してしまったが、個人的には市制前の旧称にこだわりたい。

さて、問題は糟屋郡だ。これは地図を見ながら考えたい。

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スペースの都合で見切れてしまったが、まずは新宮町。やはり、どうみても「和白領」だ。ここについては和白に合併させた方がいい。というわけで、新宮町は旧市内である北区に編入とする。これで、北区の人口はほぼ10万となった。なかなかいい感じに収まった。

 

さて、のこる6町の規模は、人口20万弱、面積146km2。伝わるかどうかわからないが、人口はさておき、面積はダントツで大きくなってしまった。これまで議論してきた12区のうち最も大きい早良区の1.5倍だ。

元々6町に分かれているだけあって、これは何とかしてせめて2分割したい。ここからさえんばの挑戦が始まる。

 

まず、意外と市街地が連続しているのが、志免町と須恵町だ。そして、糟屋郡最南端で、志免と須恵と市街地が連続しているような、両者とも一歩引いた位置にあるような微妙な感じの宇美町がある。ただ、宇美町を独立させることは不可能なので、以上3町はまとめて1つとすることは確定だろう。

では、粕屋町と篠栗町、久山町で1区か。実は私の意見は微妙に違う。粕屋町に注目してほしい。

確かに国道201号沿いは篠栗矢久山とのつながりが深そうに見えるが、南部、仲原や酒殿のあたりはむしろ志免町と連続している。

そして、私はこの粕屋町を車で南北に突っ切ったことがあるのだが、正直、通過はしにくい。

この実体験込みで、この粕屋町そのものを分割したほうがいいんじゃないかと思った。

というわけで、迷った結果、便宜上、大川小学校区を北部、それ以外を南部として分割した。正直、大隈と江辻だけを編入と言う形でもよかったのだが、それでは人口5万人を達成できないことが発覚したため、少々拡大して、このような形にした。ちなみにだが、三方を取り囲まれることになる東区蒲田もこの際だから編入した。

以上を粕屋北区、粕屋南区とした。

これが分割図である。…流通センターは東区にまとめたほうがいいような気がする。

 

東区、北区、博多区、中央区、南区、西区、伊都区、城南区、早良区、春日区、大野区、那珂川区、粕屋北区、粕屋南区。以上14区が新しい福岡市の区である。

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町字

ここまでくると、一般の人にはおまけ、という感じになってくるので(正直、この記事自体が一般人向けではないが)、正直、あまり見なくてもいいと思う。ただ、これは私の趣味なのでやっておく。

まあ、基本的に大字と住居表示実施の町というフォーマットは今後も続けていくことになる。あえてここで変えることはない。…変えたい箇所もいくつかあるが、今回は不問とする。

まずは、現福岡市の町字について。これもWikipedia出典だが、福岡市の町字の一覧である。…まあ、この記事編集したの私だけどね。

さて、これを新・9区にするとこんな感じだ。

そして、これらは新・福岡市の町名一覧である。

さて、福岡市については住居表示すべきところはおおよそ実施されている。筑紫地区についても(一部は住居表示ではなく地番整理だが…)だいたいそうだ。ところが、糟屋郡については自治体によって進捗がちょっとばらつきがある。

宇美町や志免町はおおよそ完了しているように見えるが(ただ、宇美町の早見工業団地は住居表示実施していい気はする…)、粕屋町や新宮町はまだ整備の余地があるし、他の3町に至っては全く手つかずの状態だ(篠栗町は今年から始まるようだが)。

したがって、これらの町については他の市域と遜色ないほどの町名整備を行いたいと思う。

ということで、粕屋町と新宮町の状況である。青が実施済み、赤が私が提案する新町名町界案である。なお、酒殿は今秋住居表示実施予定で、町界は発表済みであるが新町名が未発表なのでこのように表記した。

さて、この新宮町を見ていて気付いたことがある。新宮町が北区になったとして、「新宮」がつく地区がものすごく減ると言いうことだ。現在の地名で言えば新宮東と大字新宮(おおよそ図中「新宮本町」)だけだ。…うーむ。これはあんまりじゃないか。それに、「中央駅前」も新宮が町名にあることが前提じゃなかろうか(駅名は「新宮中央」)。ということで、今回は、ある程度中心にある町名は「新宮」を付けることを提案したい。今回、該当町名は緑ヶ浜、中央駅前、下府とする。新宮東は元々「新宮」があるし、新宮本町と新宮湊は予め「新宮」を入れておいた。

なお、同様の事例についてだが、志免町と宇美町は、既に中心のいくつかの町に自治体名が含まれているし、粕屋町に至っては、郡名の借用である上に、粕屋の名前も区名として残るため除外とした。あとの町についてはこれから言及していくものとする。

 

次は篠栗町である。こちらは既に住居表示実施事業が開始と言うことになっており、中央と彩り台については町名も決定している。住居表示を実施する区域については事前に指定がされており、あとはそれに町名を付けていくだけである。

そういうわけで、篠栗町の原案に勝手に町名を付けたのが下の図になる。

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大体、現在使われている行政区ごとに町名を付けている。しかも、一部を除いた大半の地区が大字と同じになっている。したがって、その通りそのままに町名設置を進めていけば十分と考える。これについては、中央と上町だけ「篠栗」をつければいいかと思う。

 

次は須恵町。こちらは住居表示の計画は一切なされていない。

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これは行政区に基づいて町名を付けてみたものである。個人的にはなかなか自信作だ。

これについては、大字須恵もしくは上須恵の地区に「須恵」をつけるか。上須恵はそのままでよかろうが。むしろ、須恵に中央とかそんな感じの名前を付けるかなあ…。

 

最期は久山町だ。正直、最も市街化が進んでいないので、あまり考えていなかった。もし久山町単独であったなら、住居表示は時期尚早と考えていたところだが、福岡市になるのなら話は別だ。少し考えてみたい。ちなみに、前もって言っておくと、久山という名前は久原と山田の合成なので、今回、久原と山田を残すことを考え、「久山」を残す対策は特に講じないことにする。

…まあ、全体的に薄味だが、これはしょうがないだろう。

さて、糟屋郡の変更を反映した結果は以下の通りだ。

そして、最後に、これらを、前述の通りの区分けに従い、14区に振り分けたものがこちらである。

こうしてみると、違和感なく福岡市と言える。

もう合併しちゃえば←

 

追記)今後、他の政令指定都市についても再編計画を考えてみることにした。ということで追認と言う形ですがシリーズの第1弾と言うことで、タイトル変更しました。本文はシリーズ化を決定する前の文章なので、少し違和感があるかもしませんが、そのままにします。