残念ながら東京2020大会は来年に延期となってしまいました。選手たちのモチベーション維持には相当なストレスもありますが、私も帯同する身として、あと一年しっかりと練習が積める期間だと思って頑張ってもらいたいですね。

 

生まれて50年余りの人生を振り返ってみると、私的に最も印象に残っているオリンピックは1984年のロサンゼルス大会です。後々、この経験が私の人生の全てを決めたと言っても過言でもない最高の三週間となりました。


当時、私は日本体育大学の一年生で、同級生、諸先輩方や先生方が、日本代表として世界の舞台で戦っている姿に深く感動しました。その夏は足の骨折でリハビリに励んでいて、ようやく軽いジョギングができるようになった矢先に、ロスアンゼルス在住の父親の友人から国際電話があり(今ならLINEで簡単に済むのでしょうけれど・・)
「いろいろチケットがあるから遊びにおいで!」という誘いにのり、当時1ドル240円のご時世に気がついたら飛行機に乗っていました。
今の時代では考えられないフットワークの良さ・・・ 振り返れば、これも人生を変える千載一遇のチャンスでした。

「流れを変えたければ、まず自分から動いてみよう」。良く授業や野球の指導で使っているフレーズです。


開会式でのジョン・ウイリアムズ指揮による、オリンピック・ファンファーレ。気分が高揚してきますね!

 


 

 その後、開会式で歌われた、ヴィッキー・マクルーアの Reach Out 。アメリカのエンターテイメントさに驚愕すると同時に、未だ心に刻み込まれているシーン。会場で身震いしながら涙が出てきたのを鮮明に覚えています。



 

大学卒業後、「アメリカ留学」という進路を決定づけたのが、ロングビーチ・スポーツアリーナで行われた男子バレーボール決勝、アメリカ対ブラジル戦。カーチ・キライ、スティーヴ・ティモンズ、パット・パワーズなどスター選手が勢揃い。圧倒的な強さでアメリカがこの競技初の金メダルを獲得しました。
残り3ポイントから大観衆は興奮で総立ち状態。ダスティ・ドゥボラックのブロックで勝利を決めた瞬間、キャプテンのクリス・マーロウがアメリカ国旗を翻して、観客のいるスタンドを駆け上がってきました。
私の目の前を駆け上がってきたクリスを見て、「よしっ!卒業後はアメリカ留学するぞ!」と燃えたぎる何かが背中に走ったのを記憶しています。


 

 五輪最終日、閉会式会場のオリンピック・コロシアムのスクリーンで見た男子マラソン。

瀬古さん、宗兄弟の三人で表彰台を独占するかに俄然注目が集まりましたが、マラソン敵なし、あの瀬古さんが30km過ぎで先頭集団から離れていく姿は、後日自分の髪の毛に初めて白髪を見つけるほどのショッキングな出来事でした。


 

 閉会式。さすがエンターテイメントの国、アメリカを象徴する演出。最後にはあのライオネル・リッチーが1000人ものブレイクダンサーを引き連れて、名曲「オールナイトロング」を熱唱。こんな最高の一日・・終わって欲しくないな・・

東京2020大会も、後世まで語り継がれるほどインパクトのある演出に期待しています。

 

 

 もう30年以上も前のことですが、若い頃に感じたこと、得た経験というのは、いつまでも色褪せないと思います。

いま小学生の息子にも将来的な青写真になるような経験をして欲しいなぁ・・・

楽しみは来年に持ち越されましたが、オリンピック・パラリンピックは平和の祭典。コロナも終息を迎え、世界の経済も上向きになった状態で、笑顔で開催されることを祈っています。

 

 

 

8年後の2028年、オリンピック・パラリンピックは再度ロサンゼルスに・・

メインスタジアムは既に完成済み。相変わらず何をやってもアメリカは行動が早い!

 

 

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元巨人・佐伯院長のスポーツ治療室