1年前のちょうど今頃、親父が死んだ。
俺は昨日の夜から1年前の今頃、どんな状況だったかを思い出していた。あの時の感覚、音、匂いなど。親父が夢枕に立ってくれることを期待しながら、眠りについた。
忙しい日々が続く俺は、夢は滅多に見ないが、昨日は久々に夢を見た。どんな夢かというと、何故か母親と何かについて言い争っていた。そして、夢の中で俺は精神的に追い詰められ、半ば発狂気味に「何でわかってくれないんだ!?もういい加減にしてくれ~~!」と叫んでいた。これは、学生時代、実際親父との喧嘩でたまにあったことだった。本当は発狂などしていない、だがこうでもしないと収拾がつかなくなる時によくつかっていたテクニックだ。
そんな夢を見て、明け方にうなされて起きた。起きた瞬間、周りを見渡したが、親父はいなかった。心の中で、「居るなら出てきてくれ!」と叫んだ。そして再び眠りについた。
その後、起床し、期待と正反対の夢見の悪さを恨みながら朝支度をしていると、嫁のヒステリーが始まりそうになった。結果的には、ヒステリーにはならなかったのだが、1年前の今頃の嫁との関係を思い出した。1年前、嫁から離婚を前提とした別居を言い渡され、俺は実家にいた。俺に対する接し方は散々なものだった。そんな嫁に対して、顔色を常に伺いながら媚びへつらって接する俺の姿も相当情けないものだった。親父がなくなる前日も、親父のベッドの横で嫁のヒステリーのことばかり考えていた。
1年前に限らず、嫁のヒステリーは昔からあるが、両親と仲直りする前などは、「これで離婚したら俺は天涯孤独だ」ということをよく考えていた。
そんなことを思い出せるために、親父は俺にこんな夢を見せたのかもしれない。
親父が作った遺言状のせいで母親とはこれから再び不仲になる可能性がある。嫁は俺が難病にかかっていることがわかってからは改心したが、はっきり言っていつまで続くか分からない。
しかし、例え孤独になったとしても人に愛されることに依存して生きていくことはもうやめる。自分の信念を守りながら日々一生懸命生きていれば、常に新しい出会いがある。恋愛にせよ、友達にせよ、仕事にせよ、信念を貫いて生きていけば、どこかに必ず愛してくれる人がいる。だから、愛されることに依存するのではなく、自分の信念を貫くことに全精力を注ぐ。
そんなことを考えさせるための夢だったのだと意味付けしたい。
