キーワード「環境収容力」
猫と関係なさそうで関係のある用語です。
例えば、
「佐渡島にトキは何羽生息できるのか?」
これを言い換えると、「佐渡島のトキの環境収容力は?」
新潟大学の研究によると、1,000羽程度とのこと。
このように自然界に生きる動物たちには、生息数が頭打ちになるポイントがあり、それが環境収容力です。
餌や生息適地が限られているため、ある一定数以上は増えません。
ですが・・・
アメリカの研究で、猫は、在来捕食動物(アライグマ、スカンク、コヨーテなど)の環境収容力を遥かに上回ることが分かりました。
研究対象地に、在来捕食動物が2〜4頭(1〜2ペア)だったのに対し、猫は34頭ほどと推計されました。
なんで限られた資源の中、猫はこんなにたくさん生息することができるのでしょうか?
それは、人に餌をもらっているからです。
餌は人からもらうので、自然界の限られた資源の影響を在来捕食動物ほど受けないのです。
そのため、捕食動物の餌となる野鳥や小型哺乳類は、在来捕食動物よりも猫による捕食圧の方が圧倒的に大きいことが分かります。
猫は、食べるためだけでなく、日和見的に狩りをして野鳥や小型哺乳類を殺します。
猫による野生動物への影響が非常に大きいのは、そのためです。
猫を室内で飼育することは、私たちが暮らす地域環境の保全・改善に直結します。
是非、猫は室内で飼育しましょう。
1頭を完全室内飼いにすることで、本当に多くの野鳥や小型哺乳類を救うことができるんです。
カモでも狙いに行くのでしょうか。
護岸を歩く猫。
参考:
トキの野生復帰のための放鳥個体群・里山の管理手法と持続可能な地域社会モデルの研究_成果報告会
平成30年度_環境研究総合推進費成果報告会(4-1606)
ネコ・かわいい殺し屋
http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1580-1.html