演奏する曲、作曲家の得手不得手、ないし好き嫌いは演奏者、聴衆にとって大きな影響を持つ。
そもそも得意不得意は誰が判断するのだろうか。
演奏者が主観的に「得意だと感じている」から得意と定められるのか、聴者の評価によって定められるのだろうか。
これが一致する場合は話は簡単だが、実はそうでもないことが多いように思う。がまあ、これに関しては考えても仕方ない。よっぽどでない場合、聴者の意見は様々だし、想像することはできないから。
さて、得意な曲を弾くことはいいことだろうか。
この問題もまた、答えが出ることはない。一人一人答えが違うことだし、その個別の答えが出る時は演奏をやめるとき…ですらないかもしれない。
ただ、どのような信念を持って曲を選択していくかはとても大事な問題だ。
私は常に、得意と感じるものが最終的に最も良い状態になるために、どんな曲を選択していくべきか、と考えている。
「得意だ」と感じているものは基本的に自分の範疇で処理できるものが多い。それ故に、厳しく自分を見つめない限り、自分の範疇を超えていくことは難しい。
苦手だと感じるものはその逆で、自分の範疇で処理できない故に、その曲、作曲家を理解しようと努めることが自然と新しい見聞、感覚を深めることに繋がる。それにより得意と感じていたものに別の世界が広がる可能性がある。
ただ、常に正解はない。
有限の人生、振り返った時に後悔のない曲選択を続けていきたい。