昔々 | 迷子の舞子の夕忌さん私のお家は…

迷子の舞子の夕忌さん私のお家は…

「exカーニバル」

元V系バンドマン。

ギターを弾く人でしたが解散により終了。

現在はゲーム実況者。

ブログはお絵描きを中心にふざけてます。
読んだあなたがほくそ笑んでくれることが目標です。



その昔、ある雪国の小さな村のお話。



その村は、田舎の貧しい時代にしては珍しく、旅人が訪ねてくると、優しく迎え入れたそうな。


寒い中凍えている旅人を家に招き、暖かい湯豆腐でもてなしたといいます。





ある晩、この冬もまた、1人の旅人が訪れました。

息を切らし寒さに震える旅人を村の男が見つけ、自宅に招きました。


「さぞ寒かったでしょう、こんなものしかありませんが、体が暖まりますよ。」


村の男はいつものように、湯豆腐でもてなしました。



ところが、



「豆腐しかないのか!!こんなしけたもの腹の足しにならん!」



旅人はあろうことか湯豆腐を外に放り投げて、村人の厚意を踏みにじったあげく、ふて寝してしまったそうです。






なんて非道な心の冷たい奴なんだ…!







怒った村人は、朝方になって外に捨てられたキンキンに凍った豆腐で、寝ている旅人の顔面をぶん殴りました。  




旅人は、凍った豆腐で執拗に顔を攻められたため、歯が全部砕けたそうな。



旅人は歯を失い、もう豆腐ぐらいしか食べられません。


「ふいまへんめひあ(すいませんでした)ほうふはへはへへふははい(豆腐たべさせてください)」 



 溶けかけの冷たい豆腐を食べた旅人は言いました。

「ほえ、ふはふへ?(これ、美味くね?)」 

冷たい豆腐を冷たい奴が食ったら美味かった。

そうしていつしか冷たい豆腐を「冷奴」と呼ぶようになったと私は思いたいです。