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改行をいれたところで止まっておりました。再開しましょう。

良秀|これも今は昔絵仏師良秀といふありけり

定番の出だし。

火 |家の隣より出で来

風 |おしおほひ

火 |せめけれ

 主語が『火』→『風』と変わっていて、”『て』では主語が変わらないの法則”が破れています。見方を拡張しましょう。
 この3行は『て』でつながれていて、主語は保持されていて、途中で一瞬『風』が主語になりますが、また『火』に戻るのです。
 このリズムはまたあとで出てきます。『主語の強制遷移からの復帰』と呼んでおきます。
 
 『おしおほひて』は漢字を当てて『押し覆ひて』でいいと思われます。だから漢字で書けと母さんあれほど・・・。
 
 さて、『せめければ』です。『せめ』ってなに?だから漢字で書けと(以下略)。
 
1.一文字語の組み合わせ『す+め』
   (『す』(する)の未然形、『め』は推量の『む』の已然形)
   せ|し||する|すれ|せ / 〇|〇||む|
 これは、ない。『む』は終端助動詞だったです。続く『けり』は連用形から続くので、ここは已然形にはなれません、きっと。
 
2.『攻める』
 現代語の”攻める”⇒『攻む(せむ)』。活用は
    め|め|む|むる|むれ|めよ
 これは、ここに書いた、現代語の/eru/,/iru/に注意すべし、というやつですね。
3.『迫る』
 むむ、現代語の”迫る”⇒『迫む(せむ)』になるらしい。
 とはいうものの、これはパターン化できないかも。”光る”は『ひく』にはならないす。とはいうものの、/aru/,/eru/,/iru/には注意です。
 
 意味的に、3番目の『迫る』と思われます。2番目の『攻める』としても、大勢に影響は無いようです。そして、『迫めけれ』で、次、主語が変わります。明示されていません。
 
良秀逃げ出で
〃 |大路へ出でにけり
 
『て』で主語は変わらず、最後、『けり』が付きました。