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 続きの前に、前回の訂正です。(前の投稿にも、すでに訂正を入れていますがこちらにも。)
命も絶えべく ぬ=終止形
は、
わろかりむと な=未然形
と同じで、完了・強意の『ぬ』+推量の助動詞で、『きっと~だろう』となるようです。『む』は未然形接続、『べし』は終止形接続なので、『なむ』『ぬべし』となります。
 
 さて、続きです。2連続動詞句の後半。
ここにて命も絶えぬべく見えけれ
 『見え』の終止形はうっかり『見える』と言ってしまいそうですが、『見ゆ』です。『見る』ではありません。『見す』でもありません。
 『見*』でこれだけ↓あるのですか、そうですか。意味の違いは下のようになるそうです。
見 |見 |見る|見る |見れ |見よ  :見る/結婚する
見え|見え|見ゆ|見ゆる|見ゆれ|見えよ :見える/女性が〃
見せ|見せ|見す|見する|見すれ|見せよ :見せる/結婚させる
見さ|見し|見す|見す |見せ |見せ  :ご覧になる
 結婚系の意味はおいておいて、見る系を英語にするとこうなるのかな。厳密なことは抜きにして、フンイキだけ。
見る see
見ゆ seem
見す show
 意味の違いは↑こんな感じでいいとして、判別が難しくなるかもですね~。
 
 今回登場の『見ゆ』ですが、自発・可能・受身の意味があるそうです。『きっと命が絶えるのだろうと思われた』なので、自発ですね。
 
 続きを読んでいきたいのですが、もうひとつ脱線。

 さて、この文、『絶ゆ』『見ゆ』とヤ行下2段動詞が立て続けに出てくるという面白い文になっております。ヤ行下2段動詞はもう一つあるそうで、それは『覚(おぼ)ゆ』。意味は、『思われる、思い出される、似ている』。おや、これも自発ですね。

絶(た)
見(み)    + え|え|ゆ|ゆる|ゆれ|えよ
覚(おぼ)
 活用のどこに注意かというと、終止形が現代語の語感から遠いというところです。例えば『絶ゆ』。現代語は『絶える』。漢字で書いてくれていたら問題ないんですよ。問題はひらがなで書かれた場合です。『たゆ』。これが『絶える』であることに気が付かなあかんのです。さすがに漢字で書いてくれるよね、と思った時期が私にもありました・・・。
 
 次回、やっと進みそう。