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 1文ずつ行きます。
用光 |用光が相撲の使いに西の国へ下りける
『に』=『とき』
白波 |吉備国の程にて沖つ白波立ち来
『て』の後は主語が代わらないはずだったのですが、次の文節?で主語が代わっています。
命/?|ここにて命も絶えぬべく見えけれ
ての用法
 『て』は、単純な接続、原因理由、逆接の確定条件、補助動詞の導きの4つの働きがあるそうです。『補助動詞の導き』は別にして、主語について予想してみました。しらんけど。
  • 単純な接続 主語:代わらない。〇して◇して・・・
  • 原因・理由 主語:代わる。Aが〇するのでBが◇する。
  • 逆接の確定条件 主語:どっちでもいい。Aは〇だがXは◇、XはAでもそうじゃなくてもよさそうです。
 本文の場合ですが、白波が来たので・・・という感じで、原因・理由でしょう。主語は代わります。
命/(用光)|ここにて命も絶えぬべく見えけれ
 文の形の上では、『命』が『絶えぬ』で主語は『命』でいいんじゃなかろうか。でもそのあとの『見えければ』の理解の仕方がよくわからん。少なくとも『白波』はもはや主語ではありませんw。これはもうほたっといて、
命も絶えぬべく
から読んでいきます。
 
1.命も絶えぬべく
 『命』が主語で『絶え』が動詞。わかります。が、『絶え』の終止形は?と問われるとうっかり『絶える』と答えるさだのおかであった。それは現代語。そうではなく、古語は、『絶ゆ』。ヤ行下2段動詞ですね。
絶(た)  + え|え|ゆ|ゆる|ゆれ|えよ
今回は連用形『たえ』なので、現代語の『絶え』と同じで事なきを得ておりますが、『絶ゆ』がひらがなで『たゆ』と出てきたらやっかいです。さすがに漢字で書いてくれるよね、と思った時期が私にもありました・・・。
 『も』はもう深入りしませんw。
 
2.命も絶えべく
 『動詞(未然形or連用形)+ぬ』です。『ぬ』だけでピクッとしますね。してくださいw。意味的には、打消しの『絶えない』と完了の『絶えてしまう』の2つの可能性がありますが、助動詞『べく(べしの連用形)』に続いているので、打消しはないですね。これは実はさくっとわかりたい。
 
打消しの助動詞『ず』
ず |ず |ず| |ね |〇
ざら|ざり|〇|ざる|ざれ|ざれ
『未然形→ず』なので、『絶えず』はOKです。でも、次に助動詞が来るときは補助活用となるので、『絶えぬべく』は、ナシ。『絶えざるべく』ならOKだったのです。終止形がない活用とか、終止形ではなく連体形とかって、何かあったですよね。
ピンとこなかった人はブログの形容詞のところを読んでください。
 
完了・強意の助動詞『ぬ』
な|に||ぬる|ぬれ|ね
『連用形→ぬ』なので、『絶えぬ』はOK。『終止形→べし』なので、『ぬべし』もOK。
 
動詞『寝』www
ね|ね||ぬる|ぬれ|ねよ
寝|寝|寝|寝る|寝る|寝よ
 これ、意外といけますwww。動詞が二つつく場合、前の動詞は連用形となります。『絶え寝』で問題なし。意味は『そら寝』をヒントに『死んだふりをする』あたりにしておきましょうか。『寝』の終止形は『ぬ』なので、『べし』で受けられます。意味は、
 『海賊が来たので、死んだふり(絶えぬ)をすべし。』www
誰か試験の答案に受け狙いで書いてみてください。で、論陣を張ってください!
 点を取るより笑い取れ!
 
 以上の検討の結果、完了・強意の『ぬ』ですね。よゐ子は正解を書きましょう。
 
3.命も絶えぬべく
 助動詞『べし』です。
 接続は、終止形(ラ変は例のやつで、連体形)から。
 活用は補助活用があって、ほぼ形容詞な活用です。命令形はないです。『べし』がそもそも命令的な意味を含んでいるので、命令形はいらないっしょ。
べく |べく |べし|べき |べけれ|〇
べから|べかり|〇 |べかる|〇  |〇
 意味はたくさんありますw。
 現代語の『~すべき』→ should で理解しておくと、強めの推量『~にちがいない』『~はずだ』あたりまでカバーできます。
 ただ、手元の表では意思や可能もあるので、be to doで押さえるのも一興です。be to doは、おおざっぱに言うと『~することになっている』、細かく言うと『ギヨウカイ』(義務、予定、運命、可能、意思)という意味です。
 
 この場合は、『命が絶えてしまう運命にある』という感じでしょうか。
 
 『ぬ』は完了ではなく強意で、『べし』は単純な推測のようです。『べし』で『きっと~するだろう』と訳すのが正解のようです。『わろかりむ』と同じです。
 
 続きを読みましょう。
命も絶えぬべく見えければ
 『絶えぬべく』『見えけれ』と、2つの動詞句が連打されております。この『べく』は連用形ですね。次に動詞『見え』につながるので。
 で、連用形には、副詞になるという働きがありました。
 動詞句の連打は、前のやつはもはや副詞。
どんなふうに見えたかの説明ですね。本体は『見えければ』の方です。
 
次回、『見えければ』に行きます。