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 尿が凍結したところからの二つ目です。狙いはフリーズドライです。フリーズドライは、凍結させて、真空下において氷から水蒸気へと昇華させるという乾燥のさせかたです。
 
・・・と書いて、ふと気が付いたのです。氷の昇華に関しては知識や実感が足りな過ぎて、あまり書くことがないwww。昇華スピードが知りたいですね。
 
 というわけで、800字に押し込んでみましょう。ここまでに書いたやつ?下書きwww。
 まず、全員が生きることを考える。水の再生が可能かどうかを実証実験し、結果に基づいて水の分配を決定する。水の再生方法については、次の三つが考えられる。
 ① 尿を電気ポット等で沸騰させる、または真空下の常温で沸騰させて水蒸気を発生させ、水蒸気はエアコンで回収する。
 ② ①で真空を用いた場合、尿はその多くが凍結する。この凍結塊は水の結晶の小さな粒と、尿素、イオン結晶等の個体の混合物である。徐々に融解させつつろ過すると、尿素や電解質が解けた部分が凝固点降下により凝固せずに滴下し、氷の粒が残る。これを繰り返す。この現象は、飲料入りのペットボトルを凍らせ、融かしつつ飲むと体感できる。
 ③ ②の破砕片を再び真空下に置き、氷の粒から水蒸気を昇華させる。発生した水蒸気はエアコンで回収する。この方法はフリーズドライ法として、実際に乾燥食品の製造に用いられている。
 ここで、エアコンでの除湿、基地と外部を連絡する部屋の真空化は、基地の機能として不可欠であるため、少なくとも②③は可能である可能性は高い。
 必要な再生量は次のように概算する。人の1日の基礎代謝を1500kcalとする。グルコース1molの代謝で、6molの水と686kcalが得られるので、人は1日あたりおよそ240mlの水を生成している。宇宙基地は閉鎖系であるから、最終的に破棄される尿の量を240ml以下にすれば水量の平衡は保たれる。これは1日の尿量の1/4~1/5であり、上記の方法で、十分に可能であると考えられる。
 上記方法が可能であると判断される場合は、水は均等配分でよい。不可能と判断されれば、生き残る人数を最大にするように水を配る。優先順位は、高い順に、脱出等に必要な設備の操作ができる者(その情報は無く、決定で
きない)、医療従事者C、若い順にA、Aが小児であるため、心理的ケアのために母親経験のあるD。以後は若い順とする。
(1行20字なら40行)
 一行目でケンカ売ったったwww。
 ムリクリ800字に押し込んでいるので、マニュアル的な文章になっております。良くないと言われる文もあります。けど、しかたない。
 凍ったペットボトルとかフリーズドライとかは、実用的であることを採点官にアピールするために加えております。『具体例』が小論文のキモでもあるので。
 
 さて、出題者が書いてほしかったことは書いていないかもしれませんが、問題文で提示された条件は完全に満たしています。

あなたの判断では、水をどのように分配することがもっともこの状況にふさわしいと考えるか。分配の仕方と優先順を含めて、800字以内で書きなさい。

 「この問題はそういう問題ではない」という意見もありましょう。ご説ごもっともでございます。そこをあえて踏み込むかどうか、ということなのです。平均点を狙うか、ハイリスクハイリターンを狙うか、こうなるともはやテレビで見ている『水の分配を判断する問題』ではなく、現場で、当事者として『得点の配分をどうするかを判断する問題』になり果ててしまいましたとさwww。共テを失敗していれば、勝負に出るしかないです。

 

 以前、センター失敗からの後期試験で『温暖化対策で化石燃料を燃やすことを減らす必要はない』という論陣を張った子、国立大工学系に通りました。ポイントは、理科の教科書に書かれている用語・概念を根拠として論を構築するということです。この宇宙船問題でもふんだんに盛り込みました。