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 尿の濃縮と水の精製その2です。精製法その1で凍ってしまうので、凍ったところからスタートです。ここからさらに2つの方法に枝分かれします。

 今回用いる手法は、ペットボトルの飲料を凍らせて融かしながら飲むと、最初は味が濃く、だんだん薄くなり最後はほぼ真水になるという、アレです。これを応用して、凍らせて、細かく砕いて融解させつつ、ろ過します。ろ過は、綿シャツ等でくるんで絞ればいいでしょう。

 真空下で尿が凍結した場合、2つの方法が考えられる。一つ目は、氷のろ過である。

 水溶液が凍結する際、水分子は、水分子同士で溶質を追い出すように結晶構造を作る。その凍結過程においては、小さな氷の粒と、溶質の濃度が高まったつまり、凝固点が下がり液体のままの分部とが混在した状態を経過する。逆に、全体が凍結した状態から融解させていくと、この逆の過程がおこり、濃度の高い部分がまず融解する。よって、凍結状態で粉砕し、温度を少しずつ上げながらろ過することで、氷の粒と濃度の上がった溶液に分離しうる。

 ろ過は、綿シャツにくるんで絞るといった作業で行える。ろ過される溶液部分の味をみて、真水に近づいた時点で氷を取り出せばよい。これにより、真水を得る。残りの溶液部分は、再び真空下において、凍結させ同じ作業を繰り返し行う。溶液の量がもとの尿の1/4以下になるまで繰り返す。

 なんか、助かりそうな気がして来た。ペットボトルを凍らせるという、身近なところに生き残る道が潜んでいたなんて。

 

 ただ、さらに濃度が上がった場合、沸点上昇と凝固点降下は真空下に置いたときにどう影響してくるんだろう?

 

凍結に関して補足。
 ガスコンロで水を沸騰させるとしましょう。沸騰中は100℃で一定になるわけですが、このときのガスの火力はほぼ全て沸騰するために使われています。言い換えると、『沸騰している状態を一定温度で維持するには、コンロと同等の火力が必要』ということですね。たとえ常温での沸騰であったとしても、です。やはり電気ポットがないと凍ってしまいそうですね。