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 前回アップの小論文問題の続きです。

 

 さて、どうしましょうか。普通に書くなら、

  • 選択肢(分配の方法)をいくつか提示する。
  • そのなかの一つを選ぶ。
  • つきつめると選択に『根拠』などありえず、個人の価値観に基づくほかない。

あたりで書けば合格点にまでは到達できるでしょう。ただ、それでいいのか?というところがこの課題の悩ましいところです。というか、さだのおかが受験生ならバトルモード全開となります。

 

 何のために自分は理科を勉強してきたのか、医学を学ぼうとしているのか。この設問の状況で『悲惨ですね。しかたないですね。』と誰かを死なせる決定を安易にやらかしますか?せめて『理系の人間』として、魂を見せませんか?ということです。

 

<腎機能>

 仮に尿を飲んだとしても、腎機能がその濃度を超える能力を持っていれば、それは水と等価である。(さらに濃い尿を生成して体内の不要な物質を排出することができる。)

 

<水は作られている>

 人は生きていれば水を生成する。

 C6H12O6+6O2→6CO2+6H2O+686kcal

 これはおもに筋肉量に比例する。年齢とともに低下する。

 

<水は体外に出ている>

 尿・便だけでなく、汗、呼気からも出ています。

 

<宇宙基地は閉鎖系である>

 物質循環は生物で習います。閉じた系です。物質は外に出ていきません。(実は例外がありますが。)

 

<生存には適切な環境が必要>

 宇宙基地は、O2を供給、CO2(濃度が上がりすぎると毒性がある)を除去する装置が必要。さらに、温度、湿度を一定に保つ必要がある。これらは絶対に必要なので、その仕組みがある。なければ、『水が足りない』どころではない。

 

<物質の3態>

 物質は、気体・液体・個体の三つの相を持つ。これらは、温度により変わり、また、溶液では、溶質の量に応じて、凝固点や沸点も変わる。

 

これだけの知識を高校で習います。全員で生還する方法を考えましょう。そして、出題者に一泡吹かせてやりましょう。

 

これが『理系の魂』です。