ブグローの「小川のほとり」 | さむたいむ2

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ウィリアム・アドルフ・ブグローの「小川のほとり」(1875年)を紹介するのを忘れていました。単に美少女の絵ではなく、ブグローの写実の確かさです。写真ではなく絵画です。

森のなかの小川のほとりの岩に少女が腰かけている何でもない絵です。

素足の彼女は左足をくみ、その足首をもち、右足は地面に下ろしています。その土、あるいは小石の冷ややかな感触が伝わってきます。そして私たちは彼女の瞳に注視します。ブグローを見つめる少女の瞳にです。

もしかしたらブグローのアトリエで模写しているのかもしれません。けれど画家の想像力は小川のほとりにあるのです。もうすでに写真術が発明されたころです。しかし画家はあくまでキャンバスに筆を運んでいます。

絵画の素晴らしさを見事に伝える一枚ではないでしょうか。