春の路地の踊り子「ヒメオドリコソウ」の食べ方と効果

 

 

こんにちは、つゆ草日和です。
春の訪れとともに、庭先がにぎやかになってブログの更新も忙しくなりそうです。
今日は花満開のヒメオドリコソウを採集してお茶にするために干した残りをおひたしにして食べてみたので感想をシェアしたいと思います。
あちこちの空き地や路地で見かける他愛もない草ですが、日本に伝来してから歴史が浅いため、単なる雑草扱いで意外と原産地ではハーブとして重宝されていたことは知られていないようです。
海外ではどのように使われていたのかもお伝えしていこうと思います。
ヒメオドリコソウ

 

 

  ヒメオドリコソウとは

学名:lamium purpureum
科名:シソ科 オドリコソウ属
分類:越年草

ヒメオドリコソウはシソ科の越年草。草丈10~20cm程度。
3~5月に淡いピンク色の唇形花(花びらが上下に開いた独特のフォルムをした花)で上唇片は兜の形をしていて下唇先は2裂している。下の花弁には小さな濃いピンク色の斑点があるのが特徴。


明治時代中期にヨーロッパから帰化した外来種で今では日本全土でみられます。
日本では渡来後歴史が浅いため、薬用の認識はありませんが、欧米では薬用植物として利用されています。
イギリスでは糖尿病、利尿作用、下剤、発汗作用、止血作用が認められています。
中国の民間療法では「月経不順やや泌尿系疾患にオドリコソウの花を乾燥させたものを煎じて服用する。腰痛や打撲傷には全草を濃く煎じた液で湿布する。腰痛には乾燥したオドリコソウ適量を木綿の袋に入れて薬湯料として入浴する」と記述があります。

 

  花言葉と名前の由来

・花言葉
 「陽気」「愛嬌」「快活」「春の幸せ」
 

・名前の由来
 オドリコソウという白い花を咲かせる植物に似ていることにより、オドリコソウよりもサイズが小さいことから、小さいという意味の「姫」が付いて姫踊子草と名付けられたようです。

 

  ヒメオドリコソウは食べられる?

ヒメオドリコソウはほかのシソ科の植物と同じで食べることができます。ただし、味の好みは分かれやすく、調理法によって印象が大きく変わります。

 

・食べられる部と下処理
 ‣新芽、若い葉が最も食べやすい

 ‣茎は繊維が強く口に残りやすいので、葉中心がおススメ。
 ‣アク(えぐみ)があるため塩茹でしてから調理すると食べやすくなります。
 

・主な食べ方
1、サラダ

 青臭さはあるが香りが立ちシソのような風味。
 塩と油を少量加えると食べやすい。
 生はえぐみが強いという意見もあるため少量から試すのが無難(新芽や若い葉を摘 んで食べると柔らかく彩り程度に使うといいでしょう)。

 

2、おひたし
 
塩茹でしアクを抜き、めんつゆなどお好みの調味料で和えると食べやすい。かつお節や胡麻を加えると風味アップ。

なるべく若くて柔らそうな部分を塩ゆでして刻み、めんつゆと胡麻で和えてみました。
シャキシャキしていて歯ごたえはとても良いです。シソ科独特の風味があるので、こればっかりは好みがわかれるかと思います。


3、天ぷら
 油との相性がよく食べやすさが大幅に向上。葉や茎がしっかりしているため揚げ物に向きます。

4、炒め物

 塩炒めにするとシャキシャキ感が出てシソの香りが引き立つ。
 

5、ハーブティー、入浴剤として
 腰痛に良いとして入浴剤にする(民間療法)。
 香りを楽しむ用途としても使われることがある(ハーブティー)。

つゆ草日和は、腰痛用にお茶にするにも入浴剤にするにも、保存用に洗って干してみました。(作り方は後述します)

 

・味の特徴
 ‣シソ科らしい香り
 ‣生だとえぐみが強い
 ‣茹でると食感が「シャキシャキ」「コリコリ」になる

 ‣「すごくおいしい!」というより野草らしい素朴な味わい

 

  ヒメオドリコソウの薬草的な働き

期待される作用

  • 利尿作用(体内の水分排出を助ける)

  • 浄血・解毒作用(体内の老廃物排出を助けると伝承されてきた)

  • 抗炎症作用・抗酸化作用(ポリフェノールや精油成分による)

  • 収斂・止血作用(軽い出血や皮膚トラブルに外用されてきた)

  • 抗菌・抗真菌作用(精油成分の働き)
     

有効成分の特徴

  • α-ピネン・β-ピネン(香料・医薬品原料)

  • ポリフェノール類(抗酸化作用)

  • フェネチルアルコール、オイゲノールなど(殺菌・防虫)

これらが薬草としての働きに関係していると考えられています。

 

薬草としての使い方

1. ハーブティー(内用)

乾燥させた全草を煎じて飲む方法が伝統的です。 目的は利尿・浄血などの体調サポートとされてきました。

作り方の一般例

  • 風通しの良い場所で乾燥させる

  • 数グラムを熱湯で数分蒸らす

  • 香りはやや青く、シソ科らしい風味

※薬効を目的とした常用は避け、体調に不安がある場合は医療専門家に相談が必要です。

2. 外用(湿布・塗布)

皮膚トラブルに使われてきた伝統があります。

方法の例

  • 生葉をすり潰して患部に塗る

  • 乾燥葉を煮出した濃い煎液を布に含ませ湿布にする

湿疹・かぶれ・軽い傷などに使われたという民間利用が残っています。

 

  注意点

・よく似た「ホトケノザ」は食べられないので誤認に注意

ホトケノザ
春の七草の「ホトケノザ」と一般に指すホトケノザは別物
ヒメオドリコソウは葉の下に花がありますが、ホトケノザは上に向かって花が咲きます。
 

・アレルギーの可能性は否定できないので体質に不安がある場合は控えましょう。
・大量摂取で下痢の可能性があるという報告があります。

 

 

終わりに

 

春の庭先や道ばたでふと目に入るヒメオドリコソウは、ただの雑草ではなく、季節の移ろいを静かに語る小さな存在です。食べられる野草として向き合うと、普段は通り過ぎてしまう景色の中に、思いがけない豊かさが潜んでいることに気づかされます。足元の自然に少しだけ目を向けるだけで、毎日の散歩や外歩きがぐっと深い時間に変わっていきます。

 

料理として味わうことは、自然観察の延長線上にある体験でもあります。どんな場所に生えているのか、どんな香りがするのか、どんな季節に姿を見せるのか。そうした観察が積み重なるほど、ヒメオドリコソウという植物が持つ個性が立ち上がり、食卓にのぼる一皿にも物語が宿ります。

 

春は短いけれど、その短さの中にぎゅっと詰まった季節の気配を、ヒメオドリコソウはそっと教えてくれます。次に見かけたとき、どんな表情をしているかを思い浮かべながら歩くと、春の景色が少し違って見えてくるはずです。