今、韓国・江原で冬季ユースオリンピックが開かれている。大会は1月19日~2月1日だが、

HPで検索すると、ARMs(Athlete Role Models)28人の中の一人として小平奈緒さんが選ばれている。小平奈緒さんと言えば2018年の冬季オリンピック平昌大会で女子スケート500メートルで五輪三連覇の期待がかかった李相花選手を破って金メダル獲得したが、李選手がスタートに着くときに唇に指を立てて「静かに」と観衆に注意をし、彼女をリスペクトしました。そればかりでなく惜しくも金メダルを逃した彼女を労わるようにゴール後泣き崩れる李選手を国旗で抱き包むようにして「がんばったよ」と声をかけ彼女に寄り添ったのでした。多くの観客、テレビでその場面を見た日韓をはじめ世界中を感動させてくれたのでした。

 問題はなぜ今、彼女が江原に居るかということです。春日良一さんのコラム「スポーツ思考」(Vol.496,1月29日)で知ったのですが、今月19日から2月1日までこの地で開かれている冬季ユースオリンピック大会のARMs(Athlete Role Models)の一人として江原に滞在中なのです。そこで李相花さんと再会したというわけです。

 残念ながら日本のスポーツジャーナリズムもJOCも誰がメダルを獲ったということしか伝えないのでこういう「いい話」が報じられないと云うわけです。このARMsは2010年のシンガポールでのユースオリンピックから始まったということですが、ユースオリンピックこそ真のオリンピック精神を伝える重要な役割を担っています。さきのARMsは「競技場で若いアスリートたちに声をかけるだけでなく、教育活動やワークショップを企画し、キャリア管理、怪我の予防、オリンピックにおける連帯など」を支援しています。

 JOCのHPを見ましたが、こういうことは何も出ていませんでした。日本の、日本人の「オリンピック好き」というのは単なるオリンピック競技大会の競技成績や活躍にしか関心がないということでしょう。春日さんは「編集好奇」に札幌が「このユースオリンピックからチャレンジしてはどうだろう」と書いています。もし本気でオリンピック理想を追うならば私も大賛成です。