暮れに取り寄せた「本」の中の表が私の論文の、まったくの「盗用」ということがわかって今、出版社と掛け合っています。幸か不幸か、執筆者(私より5歳年下)はすでに昨年亡くなっており、その「本」の出版は2016年です。私が2004年6月に『15年戦争と日本の医学医療研究会会誌』(第4巻・第2号)に刊行された論文「15年戦争と国民の『体力』 『国民体力管理制度』審議過程に表れた国民の『体位・体力』問題の本質」に掲載した「表-1 壮丁の不合格者数の変遷」をそのまま「盗用」しているのですから言葉がありません。

 まあまったく知らない「仲」でもない執筆者なのでどうしたもんかと迷ったのですが、やはりここは筋を通しておくべきだと思った次第です。「死人に口なし」ですが、出版社にも責任があると思ったわけです。通常、「表」とか「図表」というのは出典を明記するのが「常識」だと思うのですが、引用も参考文献もいっさい挙がっていないのです。

 以前に「スポーツと平和」をめぐって書いた「雑誌論文」の一部が私の許可もなく改作されて出版されたときには弁護士を通じて「意義申し立て」をしたことがありますが、その時は出版社がかなり大手の出版社で向こうも弁護士を立ててきました。最終的には「雑誌」に「詫び」を掲載するということで事実上は「和解」という形で「和解金」も弁護士料を負担する程度で終わったのですが、後味の悪い「結果」でした。

 そういうこともありましたので今回もなるべく穏便に済ませようと思ったのですが。今イチ、回答をよこした(しかもメールで)内容が納得できないので再度、正式の文書で返事を寄こすように要請しました。果たしてどういう「回答」が来るのか、待っているところです。