「ガラスの海を渡る舟」寺地はるな | よさこいの夏

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2023年12月からこちらへ引っ越しました。

Img_20220129_0001 若い魅力的な作家さんが登場しているんですね。

 

祖父の後を継いで、吹きガラス工房を動かしていく姉弟の物語。
ADHDの障害を抱えながらも自分より芸術的な作品を生み出していく弟への嫉妬のような思いを抱える姉。
作品を作る以外は、何をしても上手くいかない弟は、教室を運営したり、商品管理を姉に頼るしかない。
自分の目で確かめたもの、きちんと分かりやすく説明してもらったことしか理解できないながらも、表現したいことを貫いていく弟。
兄弟だからこその葛藤や、家族だからこそ守りたい思いや、
たくさんの心の中の苦しさが、姉側、弟側から語られる。
溶解炉の中で溶けるガラスを海に例えて、作品作りへと漕ぎだしていくその感覚が素敵です。
言葉の使い方も文章もとても共感できました。

 

他の作品も読んでみたくなりました。