東京バレエ団「白鳥の湖」 | バレエ・コンサート三昧

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東京バレエ団「白鳥の湖」

(4/26, 4/27, 4/29/2024  東京文化会館)


ブルメイステル版
「白鳥の湖」 全4幕


4月26日(金)18:30
オデット/オディール:沖 香菜子
ジークフリート王子:宮川新大


4月27日(土)15:00
オデット/オディール:中島映理子(初役)
ジークフリート王子:生方隆之介(初役)


4月29日(月・祝)15:00
オデット/オディール:榊 優美枝(主役デビュー
ジークフリート王子:柄本 弾


指揮:アントン・グリシャニン 
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


公開リハーサルや公開レッスン、ファンミーティングなど盛りだくさんな「上野の森バレエホリデイ」の舞台として上演された「白鳥の湖」全幕公演をゲネプロ+3回鑑賞。


ブルメイステル版の白鳥はとてもドラマティック。3幕各国の踊りが悪魔ロットバルトの手下達で華やかな舞台にワクワク。

ハーピーエンドなのも感動的。

全体に華やかで温かくてグイグイくる舞台。

好きだなぁ。

チャイコフスキーの名を冠するカンパニーにふさわしい素晴らしいプロダクション。

他の版と曲の配置がいろいろ違うけれど、こちらがオリジナルに近いらしい。

とても新鮮感のある白鳥。

ブルメイステルさんはチャイコフスキーさんのご親戚だとか。


まず特筆すべきは2幕4幕の群舞の素晴らしさ。夢の様に美しい幻想的な白鳥の世界。

4羽、3羽の素晴らしい踊りを含めて、あの舞台を観るだけでも劇場に観に行く価値がある。


初日の沖香菜子さんの白鳥は美しさに憂いが増してとても素敵。

いつの間にかベテランになった香菜子さんの深い踊りが心に響く。

オデットは、深い憂いと長く柔らかな手足を活かした美しい踊り、

オディールは、大きな目から放たれる眼力がパワーアップ!

王子の宮川新大さんもスケールの大きな品格ある踊り。ダイナミックな踊りが素晴らしい。


初日はパドカトルの女性二人が秋山瑛さんと足立真里亜さん。

かぐや姫のお二人、ジュリエットのお二人が並んで踊るのを観られるのは嬉し過ぎる。

瑛さんは何とたくさんの幸せを運ぶ踊りだろう。いつまでも観ていたい眩しいほどの笑顔と美しい踊り。

愛らしい真里亜さんも心の込められた丁寧で美しい踊り。

このお二人が並んで踊るのを観るのは、お二人で踊ったあの「ハミングバード」以来か・・・


真里亜さんの美しい4羽、瑛さんの妖艶なナポリも素晴らしかった。

瑛さんは、パドカトルの時の笑顔とナポリの時の笑顔がまるで違う。こんなに質の違う笑顔で踊れるなんて、自由自在だなぁ〜

千秋楽の真里亜さんの生き生きとした美しいナポリも、誘惑オーラ全開の魅惑的な笑顔が素敵!


瑛さんは、次回は是非是非、オデット/オディールを踊って欲しい。

絶対に素晴らしい白鳥になる。

今回は、どうして〜?

と思う人も多かったのではないだろうか。


スペインの伝田陽美さんのカッコ良さ!

チャルダッシュは衣装が可愛い。応援している富田翔子さん、栗芝みなみさんの躍動的でチャーミングな踊りが素敵。


2日目、中島映理子さんの白鳥デビューも素晴らしかった〜

素晴らしいだろうな〜とは思っていたけれど、あそこまで磨き上げられた白鳥を観せてくれるとは。

切ないオデット、

何と美しい、何と清らかな白鳥。

長い手足を活かした美しい踊りが感動的に素晴らしかった。

妖艶なオディールはガラッと表情を変えて、誘惑オーラがすごい。

生方隆之介さんも、若さあふれる王子。役柄上ちょっと情けない感じの王子だけれど、その雰囲気の出し方がうまい。パワーある清々しい踊りも素敵。白鳥王子デビューおめでとう。


花嫁候補の中では、米澤一葉さんの明るく輝く踊りがとても素敵。

一葉さんは、これからいろいろな役を踊って欲しい期待のダンサー。


千秋楽の榊原優美枝さんの主役デビューの白鳥も素晴らしかった。

主役デビューの舞台とは思えない完成度の高い極上の白鳥。

しなやかで清らかで柔らかな踊りが、その憂い深い表情と共に白鳥にぴったり。

びっくりするほど素晴らしかった。

こんなに白鳥にぴったりのダンサーだったとは・・・

オデットもオディールも極上!

優美枝さんは、踊りの素晴らしさに加えて、物語を伝える力が強いから、グイグイ舞台に惹き込まれて感動してしまう✨

主役デビューであそこまで踊れるダンサーはなかなかいない。

主役デビューがいきなり白鳥というのは本当に大変だっただろうけれど、東京文化会館の観客にたくさんの感動か届けられたから、その苦労が報われたのではないだろうか。

スター誕生の瞬間に立ち会えた幸せ!

柄本弾さんの安定感あるサポートによるところも大きい。


オケピの東京シティフィルはチャイコフスキーの名曲を好演。

ゲネから初日、2日目、・・・とどんどんクオリティが上がって千秋楽は特に名演だった〜♪♬

弦は10-8-6-5-4編成。もう少し弦の厚みがあるとさらに良かったかな〜という感じ。