不器用な子供にしないで!
子育てアドヴァイス(幼稚園児編)<5>
「3つ子の魂百まで」
幼いときの性質や培った習慣は、老人になっても変わらないというたとえ
私はこの先人の残した言葉に心から感銘を受けます。子育てをしていて、「なるほど」と頷かずにはいられません。
加えてもう一人私の尊敬する幼児指導の達人T先生の言葉を思い出します。
「3歳で出来ることをすべてやり遂げる力を身につけてから4歳のことを学ばせなさい」
この先生の教室では、ドリルや文字を教えるのではなく、お箸の持ち方や、ひもの結び方、挨拶の仕方や、電車の中でのバランスのとり方など…
実際の試験では出るはずのない言わば子供の持つ潜在能力を引き出すトレーニングを中心に行っています。
「小学校お受験時代」がやってきて、お母様方の子供に対する関心度が高まる一方、成長のバランスという面では時々?マークを感じてしまいます。
文字の読み書きができるのに紙おむつを履いている。
英語が話せるのに母子分離が出来ない。
大人顔負けの口調で話をするが、ボタンが掛けられない。
3分とじっとしていられない。
保育室を見渡すとこのような問題が山積みです。
実は器用・不器用などはこの3歳児の時代の経験に大きく影響を受けます。
お受験テストの点数よりも大切なことがあるのです。
衣服や靴の着脱
トイレの習慣
食事のマナー
お箸やペン、はさみの正しい持ち方
相手の目を見て話すこと
自分の荷物の管理(自分で持つこと、忘れないこと)
正しい姿勢(立ち方・座り方)
声を出してあいさつをする
30分集中して1つのことを続ける
基本的には以上のことが身につけば決して不器用な大人にはならないと思います。
逆にこれらが身に付いていなければ、運動にしても、勉強にしても、人付き合いにしても、
後にいくら努力してもなかなか進歩しません。
人格はもちろん、運動神経や集中力はこの時期に身に付けた器の大きさこそが基本となります。
技術はそれに適した年齢に達した時に、鍛えればいいのです。
背伸びをして3歳児の時期にテクニックや知識だけを詰め込んで、ちょっぴり人の先を歩いている気分になったとしても、必ず追いつかれてしまうからです。
お子様が夢や目標を見つけて、進むべき時が訪れた時、大きな可能性を持ち、広い視野で進むことができるよう、バランスの良い「3つ子の魂」を養ってあげることがお母様方の大切な役目なのです。