ヌテッラ事件
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8月28日(月)
朝ごはん。ヌテッラのフタあけて愕然とした。
ほぼなくなっている・・・1/3は残ってたのに・・・。スプーンでぐる~って食べた跡がある。私はこんな食べ方しない、絶対に。ナイフで丁寧に丁寧にビンの横に付いたやつもきれいにするし、最後は表面を平らにならして棚に入れておくくらい大事に大事に食べているのに。。。(やりすぎ?)
一瞬固まって、「あぁ、やられた」と思った。そういえば2週間ほど前も、8月末までいないはずの同居人のヌテッラのビンが洗っておいてあってんなぁ。食べれる唯一の人っていったら鍵を持ってる大家=ジュリアしかおらへん。くっそ~、あのババァ。ええ加減にせぇよ。
次の日ホテルから帰ってきて夕方、メールを送った。控えめに、でもいやみをこめたつもり。
『誰かが私と同居人のヌテッラを食べたようなんですが。もしかしてあなたですか?そうでないといいんですが。とりあえずいい気分はしません。』
『誰か』がって、入れるのあんたしかおらへんけどな。
約2時間後家の電話が鳴った。「もしもし」
『病気なの?しんどいの?』私の「いい気分がしない」を病気やと思ったらしい。違うわ!
『何か問題が起こったのかしら?』
「誰かが私のヌテッラを食べたから気持ち悪くて」
『何か問題あるかしら?また買えばいいじゃない~ははは』
「私のいないうちに誰かが勝手に食べたことにびっくりしただけです」(低い声で)
↓↓以下ジュリアの発言。あまりの勝手な言い分に最後の方は苦笑せずにいられなかった。
『・あなた「誰か」っていうけど、鍵で中に入れるの私だけよ。泥棒じゃないから落ち着いて。⇒そんなんあほでも分かるわ。
・もしかしたら私が食べたかもしれないわ。 ⇒もしかしたら、ってどういうこと?
・よく覚えてないわ。 ⇒よく覚えてないってどういうこと?
・家の掃除いっぱいして疲れてたから、多分食べたかもしれないわね。 ⇒多分って・・・
・疲れてすごくお腹がすいてたのは確かよ。だから多分食べたかも。 ⇒まだ言うか。
・でも中身ほとんど空だったじゃない。 ⇒ってやっぱりお前かよ。
・ビンもちゃんと洗って置いておいたし。 ⇒ちゃんと覚えてるんやんか。
・重大な問題なの?もし欲しければ私が買うわよ。 ⇒ってそういう問題じゃない!!
・とにかく、泥棒じゃないから安心してね。』 ってそんなん始めっからあんたやってわかってるわい。お金取らずにヌテッラだけ食べる泥棒がどこにおんねん。
『ほしければ私買うわよ』って、だからそういう問題じゃなくってさぁ~。ほんま呆れる。
「自分で買います!ただ気持ち悪かったからどういうことか知りたかっただけですから。」
『他のものは何もさわってないわよ。』って言う時点で、ヌテッラには触ったのね、って感じ。でも実際他の物もちょこちょこ無くなってたり移動してたりするんですけどね。。。
いい大人のすることかよ!って腹立つんですが、ヌテッラを食べるところがイタリア人というかなんと言うか。
しかもヌテッラごときで文句言ってる私の方が悪いんかよ、って思ってしまうくらい「自分悪いことは何にもしてませんよ~」感を漂わせてた。くっそー、ばばぁ。
ちなみにジュリアは最後まで『確かに自分が食べました』とは言わなかったし、『ごめんなさいね』と謝りもしなかった。
シフォンケーキを焼く②
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普通なら焼きあがったシフォンケーキはしぼむのを防ぐためにすぐ逆さまにして冷ます。でも今回は型が違うのでそれができない。。。「どうしよう~。」となってると、マッシモがおもむろに
『これでいいやん』とふつーに天板の上にひっくり返した。
やー、別にそれでええっちゅやええねんけど、ケーキの表面がくっついてべちょってなるやん、べちょって。水分こもるやん・・・。
まぁええか、ここイタリアやし。
冷めてから型から外すときが一番緊張する。生地が柔らかいので、傷つけないようにパレットナイフで慎重に慎重にはずしていく。
『ふーっ、ふーっ』
ダビデが『カナエ、集中しろよ』と言いながら横から息を吹いてきた。にらんでやった。
失敗したらあんたのせいやからな。
自分の焼いたケーキが朝食に並ぶことになるなんて、なんか不思議。でもおいしいと言ってくれて、作る機会をもらえたのがすごい嬉しくてやりがいがあった。
ホテルの宿泊客が食べるんやんなぁ~、どきどき。
シフォンケーキを焼く①
バニラシフォンケーキを家で焼いたので、マッシモとダビデにあげた。日本でいつも作っていたお気に入りのレシピなのできっとおいしいはず。。。
マッシモは『すごく柔らかいなぁ。それにすごくおいしい』と言ってくれた。
ダビデはケーキをぷにょぷにょ触りながら食べて『材料と作り方教えて』と言うので、たどたどしいイタリア語で説明。
数日後、マッシモがいきなり『カナエ、あのケーキを焼くんだ。朝食のビュッフェに置こうと思う。すごくおいしかったから。』と言い出した。「え?は?」いきなりのことに首を前に出して聞き返してしまった。。。
「でもあのケーキを焼くには、シフォンケーキ専用の型がいるねんけど」
『どんな型?』
というので、紙に絵を書いて「こんな形で真ん中に穴があいてて~・・・」とたどたどしいイタリア語で説明。
『他の型で焼いてみたらいい。似たようなチャンベッラ型(真ん中に穴のあるエンゼル型)もあるし。』
「でも他の型でやったことないから、ちゃんとできへんかもしれないけど」
『とにかく焼いて』
と言うので、チャンベッラ型とパウンド型と普通の円型で焼いてみることにした。
材料はいいものが揃っているのでうれしい!いつもはバニラエッセンス使うのに、ここでは贅沢にバニラビーンズ1本使えるし~。黒のぷつぷつが贅沢な感じ、いい匂い、ふふふ。
材料を量って用意する私を、左にダビデ、右にマッシモがじーっとずーっと見てるからめっちゃ緊張した。ダビデは材料と作り方をレシピ帳に書き書き。そんなに見んといてくれ・・・
出来上がったふわふわの生地をダビデが人差し指にとって、ぺろっ。どうなんやろか、どきどき。
型に流し入れてオーブンに。約35分後、いい感じに焼きあがった、ほっ。
ふくらまないザバイオーネ
「パスティッチェリーア、コマンダ(パスティッチェリーア、オーダー)!」
って言ってウェーターが注文を書いた紙を持ってくる。それを見てデザートを盛るんですが、この日は2回ザバイオーネ(卵黄とマルサラかビンサントっていうワインを火にかけながら泡立てたソース)とビスコッティの注文がきた。
そしてなんと、2回とも失敗・・・(!!)
鍋に材料をばばっと入れて、泡だて器を手にコンロまで駆けていく。火にかけながらひたすら『かしゃかしゃかしゃかしゃ・・・・』ひたすら泡立てる。
泡立った!やった~と思ったらすぐしぼむ・・・おーい。。。戻って来てくれ~。
ダビデに「これあかんよなぁ。」と聞いたら難しい顔で無言の返事。忙しいのにダビデがやり直すはめに。
あぁ、ごめん、ほんとにすいません。
うぅ、へこむ。『鍋すぐに洗ってまた材料入れて』と言われて鍋をごしごし。失敗して鍋を洗ってる時ほどむなしい時ってないで。
「ほんとにごめんなさい」と謝っても『よく起こることだから、心配しなくていいよ』と言ってくれる。
その優しさがまた逆に悲しかったりむなしかったり。。。
ダビデが使った鍋を無言でごしごし洗ってると、横から『ザバイオーネは男の方が成功しやすいよ、力があるから』と声をかけてくれた。「う・・・ん・・・」
『寝る間に泡立てる練習やで』と笑いながら言って気遣ってくれるダビデに感謝。
あーあぁ!!!自分のばか!この右腕だけでも男だったら。。。
大学時代の友達と。
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8月18日(金)
旅行の添乗員をしている大学時代の親友とフィレンツェで会った。今回で3回目。
イタリア旅行の添乗をしたときは、フィレンツェでいつも自由時間があるのでその時に会うことにしている。
この日は亀田のサラダせんべいと、JALの機内のおつまみ、都すこんぶを持ってきてくれた。わーい、ありがとう!!
日本でいたらなかなか会おうってことにならないのに、イタリアにいる3ヶ月の間に3回も会えるなんてすごい不思議。
しかもめちゃ久しぶりやのに全然時間の距離を感じないこの不思議さ。。
添乗員の仕事はやっぱり大変のようで、『ほんまに食欲もぜんぜんないわ~』とだいぶ疲れてた。
でも頑張っている友達。そんな友達をみて「私もなんとか(適当に)がんばるわ!」と言ってお別れした。
何かを頑張ってしている人をみたら元気をもらえる。ありがとう。
うなされる。
26歳にして初めて「これがうなされるってことか・・・」とわかった夜。
この日も忙しいにも関わらず、何もできない自分がいやになってずどーんとへこんで帰ってきた。
マッシモは「カナエ、落ち込む必要はないんだぞ」「ゆっくり覚えていったらいい」て言ってくれるけど、でもやっぱりへこむもん。
帰って「明日行きたくない、うぅぅ、私何もできへん~」ってうじうじ考えながら寝たせいか、うなされた。
「うあぁ!苦しい!」と思って起きたら、顔と首、胸元が汗でびっしょり、そしてすっごいぐったり・・・
時計みたら夜2時、まだ1時間しかたってないんか・・・1時間寝て逆にこんなに疲れてしまった・・・
悪夢を見たんじゃなくて、うなされた・・・明日からどうなることやら。
初めての夜出勤とイタリアのフェスタ。
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8月15日(火) Ferragostoフェッラゴスト聖母被昇天祭
この日はイタリアの祝日で、町のお店はヴァカンスシーズンも重なって殆どしまってた。。
でも当然のごとく、ホテルは開いてるので今日も研修。
しかも今日から夜仕事。小心者なので朝からどきどき。。。
5時半から大体11時半まで。ディナーを食べてデザートが一番最後になるのでパスティッチェリアは最後まで残ってないといけない。一番遅いオーダーはだいたい11時半くらい。
そんな遅くにもうデザート食べなくてもいいやん、太るで・・・。
仕事内容もがらりと変わって、朝に仕込んだものを、夜使うという感じで、デザートメニューの注文にしたがって、お皿にデザートを盛る仕事がメインです。
さすがに初めて見る皿盛りデザート、何がなんやらわからん。
しかも一番忙しい時期ということもあって、マッシモとダビデはすっごい忙しく働いている。私にいちいち教えてるひまなんかないぞ、これは。。。
何もできず見ることしかできない自分が悲しい・・・「初日だからしょうがないやんな」って何回も自分に言い聞かせてもやっぱり無力な自分がむなしい・・・
ほんまに見ることしかできへん~。これは見て取り敢えずデザートがどんなんかを覚えるしかない、ってことで、めっちゃ見てメモに書き書き。
初日はこんな感じやった。
仕事後、シェフ(コックさんのトップ)が働いてる人を食事に招待してくれたので、みんなで乾杯、パスタやらリゾット、肉肉しいステーキがいっぱい、デザートもどれもおいしかった。
その後『みんなでディスコに行くぞ!!!カナエも来るよなぁ、なぁ、なぁ』としつこくしつこく誘われたけど、「ごめんやけど帰る~」っておとなしく帰った、だってすでに2時、私には無理や~。仕事後でも、明日朝から仕事でもみんな元気だ・・・。おいしくて楽しい、イタリアの素敵なフェスタ。恐るべしイタリア人。
サノちゃんの親に紹介される。
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8月15日(火)
前のアパートの同居人のサノちゃんのご両親がフィレンツェに旅行にきた。
一緒にウッフィツィ美術館めぐりをさせてもらった。
想像通り、とってもやさしいお父さんと、かわいらしくてきれいな奥さんやった。
『あ、さこさんですね』名乗る前に言われてしまった。。。
「そうです、さこです。よろしくお願いします。」
って私はサノちゃんの彼氏か。。。
美術館の後お昼も一緒に食べて、とっても楽しい時間をすごせました。ありがとう、サノちゃんとご両親。
別れ際に『娘にいい友達ができたことがとっても嬉しいし、安心しました。それだけでも十分です。。』
となんとも嬉しい言葉をかけてくださって、照れくさいのなんのって。。。
でも、本当に、こちらこそいい出会いがあって、本当によかったと思ってます、サノちゃんパパ・ママ。
すてきな出会いに感謝。
やっぱり適当なイタリア人
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やっぱりイタリア人は適当だ。
①フィナンシェの材料を調合してたときのこと、マッシモが蜂蜜25グラムのところを『どぽっ』って45くらい入れてしまった。
「うわっ」って思わず言ったら、マッシモが一応20グラム取り除こうとしてた(ように見えた)けど、約5秒後『これでいい』と作業を続けた・・・
えぇーっ、倍はあかんやろ、倍は!!!と心の中で何回も叫んだ。
②ザバイオーネ(卵黄とマルサラとかお酒と砂糖を火にかけながらあわ立てたふわふわのやつ)の材料調合してるとき、「卵黄2個なのはわかったけど、他は何グラムなの」と聞くと、
『マルサラは、入れた卵黄の卵の殻1.5杯で、砂糖は・・・』って説明しだした。卵の殻って。。。
半分にちゃんと割れへんときかってあるやん!大きさばらばらやん!おおさじ何杯とかにしてよ!
ってすっごい思った。
③物の場所を聞いてたとき、ダビデに「じゃあ、この袋はここの棚に小さいのから順番に並んでるねやんなぁ」って聞いたら『うーん、だいたいね』って返された。
「全部だいたいかよ」って思わず言ったら、『じゃあ日本では?』って聞かれたので、「全部きっちり」って返事したらダビデ苦笑い。
④ある日マッシモが、『かなえ、イタリアと日本の100グラムの違いわかるか?』って聞いてきたから「?」てなってたら、
『イタリアではだいたい100グラム、日本ではきっちり100グラム』
・・・・・なんや、わかってるんやんか。
『だいたい』っていう意味の piu' o meno 一日何回聞くことやら。
ミスをする
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この2週間でわたしがしたミスの数々です。
①スコーンとクッキーの入った容器を、ほんまは常温保存なのに間違えて冷蔵庫に入れてしまった。
冷蔵庫に入った容器をみてシェフ(トップの人)が『なんでこれ、こんなトコに入ってるねん』とそこにいたダビデに言ってた!
ごめんダビデ。。。それ見てるこっちは気が気じゃない・・・
ダビデが「あー、僕が勘違いして入れてた」みたいなことを言って、直ぐに冷蔵庫から出してその場をしのいでくれた。『私が入れた、私が!!!』っていうのを顔で必死にダビデに伝えてたら、ダビデが「大丈夫やで」とウィンク。
あぁ、どきどきした。ありがとう、ダビデさん。
②材料を調合してるとき「イソマルト」っていうのと「グルコースシロップ」を間違えて入れてしまった。。。
「グルコース、グルコース」って思ってボールに足してると、横からダビデが『カナエ、これなーに』と・・・。
自信満々に「グルコース!」って言ったら、『イソマルト』とレシピを指差しながら言われた。
・・・・・
あぁ、やっちゃった。でもダビデは『どっちも砂糖の役割で甘いのにはかわりないから、大丈夫、問題ない』って・・・
えぇ!!!ほんまに問題ないんかい?
まぁ、そう言うんやったらそれでいいけどさぁ。
私が不安そうな顔してると、『心配ないって、何も起こらへんし』やって。
③バニラジェラートを作るのに、材料を調合した時のこと、砂糖900グラムのところを90グラムしか入れてなかった。
「えぇ!これゼロ2個かよ」くらい見にくい字のせいにしてしまいたいわ。
ダビデは『えっ』って一瞬なってから、なべに残り810グラムの砂糖と、水適当にいれて火にかけて溶かして、それを後で加えてた。
「ほんまにごめんなさい」と謝ると、『大丈夫、何も起こらへんから』って返された。
ほんまに何も起こらへんのかい。後で「何か起こるに違いない」って言ったら『大丈夫』やってさ。
まだちょこちょこあったかしら・・・。