L’abbé de Vermond ;
J’ai une nouvelle d’Autriche , Majesté.
Marie-Antoinette ;
Qu’est-ce que c’est ?
Quelque chose sur ma mère ?
L’abbé de Vermond ;
Oui . Je suis trop désolé ,
mais …L’impératrice est décédée ,
il y a une semaime , le 29 novembre.
Marie-Antoinette ;
Non...mais non !
Ce n’est pas vrais !
Qu’est-ce que vous avez dit ?
Je ne la crois pas !
ベルモン神父;
オーストリアから知らせがあります、陛下。
Marie-Antoinette;
なんですの?
母に関することですか?
ベルモン神父;
はい。大変残念なのですが、
女帝陛下はお亡くなりになりました。
1週間前のことです。11月29日でした。
Marie-Antoinette;
そんな…まさか!
うそです!
何をおっしゃったの?
私はそんな知らせは信じません!
これは1780年12月6日に
Marie-Antoinetteがベルモン神父から
母の死の知らせを受けた時に
言ったかもしれないフランス語です。
ベルモン神父と言うのは
Antoinetteが嫁ぐ前から
フランス語の先生としてそばにいた人で、
フランスに来てからは朗読係として
引き続き仕えていました。
神父様なのでいろいろと
相談にも乗っていた人でした。
LouisⅩⅥはオーストリアからの
この知らせを自分がするよりも、
ずっと彼女を支えてくれている
神父から聞く方がいいと思って
その役目を託したのです。
厳しくも愛情豊かな母の死は
Antoinetteにとっては衝撃で
しばらくの間、
立ち直れずに自室には
家族とポリニャック伯爵夫人
ランバル公妃以外は入れませんでした。
知らせを聞いて4日経って
ようやく兄のヨーゼフに手紙を書いています。
母からの手紙は
11月2日のAntoinetteの
25歳の誕生日を祝うものが最後でした。
待望の王太子の誕生を
見ることはありませんでしたが、
この10数年後の末娘の不幸も
見ずに済んだのは幸いだったと
言えるかもしれません。
63歳でした。
Alors, nous allons étudier .
J’ai une nouvelle d’Autriche , Majesté.
私はオーストリアから知らせを持っています、陛下。
J’ai~
私は~を持っています
avoir持つ のjeの活用です。
英語のhave
une nouvelle
知らせ
女性名詞なのでuneが付いていますね。
d’Autriche
オーストリアからの
d’~ ~から/~の
de の省略した形です。
省略されているのはpourquoi ?なぜ?
次の単語が母音ではじまるからですね。
Autriche オーストリア
言わずと知れた、Antoinetteの故郷ですね。
Qu’est-ce que c’est ?
それはなんですか?
疑問文ですね。
疑問文のしるしのest-ce que
もあります。
Qu‘ は que の省略ですね。
何 と言う意味です。
つまり英語のWhat is this ? です。
このまま丸覚えしてもいいと思います。
Quelque chose sur ma mère ?
母に関することですか?
Quelque chose 何か
sur~ ~に関して/~の上に
ma mère 私の母
女性名詞なのでmaになってますね。
Oui . Je suis trop désolé ,
はい。大変残念なのですが、
Je suis~ 私は~です
être のjeの活用
英語のbe動詞ですね。
trop~ ~すぎる
とても~ と言う意味ですが、
「とても」よりも強いイメージで使えます。
C’est trop amusant !
おもしろすぎる!
C’est trop triste !
悲しすぎる!
désolé
残念だ/困惑した
女性が言うと
désolée
となります。発音は同じです。
これだけで「すみません」
という訳すこともあります。
ちなみに、日本語では謝罪の言葉ですが、
フランス語では言った本人に
謝罪の気持ちはないように思います。
「そんなことになって残念に思います。」
と言う感じかと…。
自分に非はない、と言うか…。
mais …L’impératrice est décédée ,
女帝陛下はお亡くなりになりました。
mais でも
L’impératrice 女帝
est ~
~です
être のil/elleの活用
英語のbe動詞です
décédée
亡くなった
13.ルイ15世の臨終を聞いて…の時は
Le roi est mort !
と言っていました。
これは実はちょっと失礼な言い方かもしれません。
意味をおぼえていますか?
王が亡くなりました!
と訳していますが、
ニュアンスとしては
王は死んだ!
の方が近いと思います。
日本語でも「死んだ」
というのはちょっと直接的過ぎて
実際は人に対しては言わないほうが
いいですよね。
今回はベルモン神父が
Antoinetteに伝える
という繊細な場面ですので、
こちらを使いました。
il y a une semaime , le 29 novembre.
1週間前のことです。11月29日でした。
il y a ~
~がある
基本的にはこの意味ですが、
「~」のところに
時間的な意味の言葉が来ると
~前
となります。
une semaime 1週間
le 29 novembre
11月29日
日付の言い方はこうなります。
日本語と違って
日にち・月・年
の順になります。
そして日にちには冠詞の le が付きます。
一日だけは
le 1er となって「premier(最初)」と言います
日本語も「ついたち」と特別な言い方をしますね。
月名は後ほどまとめますね。
Non...mais non !
そんな…まさか!
訳し方はいろいろできそうですが、
今回はこんな感じにしました。
mais は「しかし」と言う意味ですが、
こういう使い方をしたら強調の意味です。
Ce n’est pas vrais !
うそです!
Ce n’est pas~
~ではない
C’est ~ の否定文になっていますね。
vrais 真実/本当
Qu’est-ce que vous avez dit ?
何をおっしゃったの?
Qu’est-ce que~
何を~
est-ce que~
は疑問文のしるしです。
この後に続く文は
主語・動詞
の順番です。
Qu’~ は que の省略で
「何」という疑問詞です。
vous avez dit
あなたは言った
avoir のvous の活用と
dire 言うの過去分詞 dit
の組み合わせで
過去のことを言っています。
Je ne la crois pas !
私はそんな知らせは信じません!
ne ~ pas となっているので
これも否定文ですね。
crois 信じる jeの活用です。
la それを
女性名詞のことを指してる代名詞です。
この会話で女性名詞のことというと、
ベルモン神父の最初のセリフ
J’ai une nouvelle d’Autriche
ですね。
なので、
私はその知らせを信じません。
と言うことになります。
Bon、
今回は復習ですがちょっと詳しく見てみましょう。
Je ne la crois pas !
私はそれを信じません!
フランス語では「彼/彼女を」とか
「それを」という代名詞になると
形を変えて動詞の直前にいれます。
日本語の並びと一緒です。
29.フェルセン伯爵に会った時…に、
Est-ce que vous le connaissez ,
Majesté ?
彼をご存じですか、陛下?
というセリフで勉強しました。
今回は人ではなく、ものです。
フランス語の名詞は、
男性と女性と複数に区別しています。
なので、その性や数に合わせて
le 男性名詞のものを指す
la 女性名詞のものを指す
les 複数のものを指す
と言うことになります。
会話の中でどれを指しているのか
分かりやすいかもしれませんね。
今回出てきた単語で覚えたいのは
月名ですね!
日にちの言い方は先ほど説明したとおりですが、
月名は数字で言うこともできますがこの際、
あなたの誕生月だけでも覚えたらいかがでしょうか?
janvier 1月
février 2月
mars 3月
avril 4月
mai 5月
juin 6月
juillet 7月
août 8月
septembre 9月
octobre 10月
novembre 11月
décembre 12月
Antoinetteの誕生日は
Le 2 novembre 1755
です。
年号も言いたいところですが、
数字はとってもややこしいので、
またいつかまとめますね。。
参考文献
A・フレイザー「マリー・アントワネット」ハヤカワ文庫
B;ヴァンサン「ルイ16世」 祥伝社
H . DELALEX 他 「Marie-Antoinette」 CHÉNE
P.クリストフ編「マリーアントワネットとマリア・テレジア秘密の往復書簡」岩波書店
森本英雄他「新・リュミエール」