Quelqu’un A;Qu’est-ce que c’est ?
Quelq’une B ; Est-ce que c’est notre reine ?
A ; Elle porte un négligé !
B ; Mais non ! Incoyable !
誰かA ; なんだ、これは!
誰かB ;これが私たちの王妃なの?
A ;部屋着を着てるじゃないか!
B ; とんでもない!信じられないわ!
これは、1783年8月25日に
Vigée – Lebun 夫人の描いた
王妃の肖像画が公式に
Louvreルーブル宮殿に飾られた時に、
その装いを見た人が
言ったかもしれないフランス語です。
王妃は白いレースのドレスで
宝石はまとわず、
麦わら帽子をかぶって
腰にリボンを結んだだけの
リラックスした装いでした。
現代の私たちからしたら、
素敵なファッションですが、
当時はコルセットもしていないような服装は
パジャマ姿のようなもので、
人前に堂々と
さらすような姿ではなかったようです。
プライベートなところでは
それでもよかったでしょうけど、
これを公式のポートレートとして
出してしまったのが
よくなったようで批判が集中して、
今で言えば炎上してしまいました。
このポートレートはあわてて、
同じ構図の正装姿のものと
差し替えられました。
とはいえ、
最初のレースのドレスは流行して、
同じような肖像画を
多くの貴婦人が残しています。
これはAntoinetteの親友の
ポリニャック伯爵夫人です。
あのDu Barry夫人も
Antoinetteと全く同じ装いで
Vigée – Lebun 夫人に
描いてもらっています。
いつの時代でも
やったことないことをする人は
批判されるものですね…。
Alors, nous allons étudier .
文法事項としては
もうすでに勉強したことですが、
詳しく見て行きましょう。
Quelqu’un A; 誰かA
Quelq’une B ; 誰かB
どちらも
誰か
ですが、違いは分かりますか?
Aさんは ~‘un
Bさんは ~‘une
となっていますどちらかが女性です。
どっちでしょう?
正解は
Bさん
です。
‘e’が付いてるからわかります。
Qu’est-ce que c’est ?
それ /これ/あれ は何ですか?
est-ce que が付いていると、
この文は疑問文であることを示しています。
とはいえ、
このまま丸覚えしてしまったら
いいと思います。
C’est quoi ?
と言い換えることもできますが、
Qu’est-ce que c’est ?
の方が丁寧だと思います。
Est-ce que c’est notre reine ?
これは私たちの王妃ですか?
10.の日の出を見たくて…や、
6.趣味について言ったかもしれない…
などで勉強した疑問文です。
Est-ce que~
先ほども出てきましたが、
これが付いていると
この文は疑問文です。
特に訳しませんが、
~ですか?にあたると
言ってもいいかもしれませんね。
c’est~
これ/それ/あれ は~です。
もう何度もでてますね。
notre reine
私たちの王妃/女王
notre ~
私たちの~
7.の屈辱的なフランス語
で勉強した所有を表す語です。
Ce n’est pas ma volonté .
これは私の意志ではありません
でした。
reine
王妃/女王
Elle porte un négligé !
彼女は部屋着を着ている
Elle porte ~
彼女は~を身に付けている/持っている
porter 身に付ける/持っている
という動詞のelleの活用です。
ちなみに 主語を 私にすると
Je porte un Kimono
私は着物を着ています。
と言えます。
un négligé
部屋着/ネグリジェ
無造作な、と言う意味もあります。
男性名詞なので un が付いています。
Mais non ! Incoyable !
とんでもない!信じられない!
Mais non
とんでもない
26.ルブラン夫人が筆を落とした時に…で覚えましたね。
Antoinette ; Laissez-moi faire .
Madame Vigée-Lebrun ; Mais non !
Antoinette ;私がやるわ。
Madame Vigée-Lebrun ;とんでもありません!
覚えていましたか?
Incoyable !
信じられない!
ワンちゃんが
お留守番している間に
ドッグフードを見つけて
袋ごと引っ張り出して
散らかしちゃった現場に
帰ってきた飼い主さんが
言ったりします。
Bon,
では今回は疑問文の復習をしましょう。
今回の疑問文は
Qu’est-ce que c’est ?
Est-ce que c’est notre reine ?
ですね。
どちらも
という疑問文のしるしが入っています。
これが聞こえたら、
なにか質問されているということなので、
聞かれた人は
なになに?と聞く体勢に
なります。
他に今までに
est-ce que
を使っている疑問文は
6.趣味について…
のところで、
王太子の趣味に困惑したAntoinetteがした質問、
Est-ce qu’il y a autre chose ?
ほかになにかございます?
12.王の病気を知った時・・・
LouisⅩⅤが天然痘になった時に病状を聞いた…、
Est-ce que c’est grâve ?
深刻なのですか?
というのがありました。
覚えていますか?
est-ce que
の後は
主語・動詞
の順で言えばいいので、
何か質問したい時は
これを文頭に付ければ
なんでも質問になります。
今回出てきた、
Qu’est-ce que c’est ?
は、文頭の
Que
が、「何 」と言う意味です。
英語のwhat です。
省略されている意味はもうお分かりですか?
そう、次の単語estが母音だからです。
この
Qu’est-ce que c’est ?
それは何ですか?
と
Est-ce que 主語・動詞 ?
の質問ができれば
だいたいの分からないことが
聞けると思いますよ。
答えてくれたフランス語が
分かるようにしておかないといけませんね。。
参考文献
A・フレイザー「マリー・アントワネット」ハヤカワ文庫
B;ヴァンサン「ルイ16世」 祥伝社
H . DELALEX 他 「Marie-Antoinette」 CHÉNE
P.クリストフ編「マリーアントワネットとマリア・テレジア秘密の往復書簡」岩波書店
森本英雄他「新・リュミエール」
石井美樹子 マリー・アントワネットの宮廷画家