Oupes !
Marie-Antoinette
Attention !
Excusez- moi , Majesté.
Marie-Antoinette
Ce n’est pas grave .
Madame Vigée-Lebrun
Je vais débarraser ,tout de suite.
Marie-Antoinette
Attendez ! Laissez-moi faire !
Madame Vigée-Lebrun
Mais non !
あっ!
Marie-Antoinette
気を付けて !
Madame Vigée-Lebrun
申し訳ございません、陛下。
Marie-Antoinette
いいのよ。
Madame Vigée-Lebrun
すぐに片づけます。
Marie-Antoinette
待って!私がやるわ !
Madame Vigée-Lebrun
とんでもありません!
宮廷画家の
ヴィジェ-ルブランVigée-Lebrun夫人は
Antoinetteの肖像画を多く残しています。
(冒頭の肖像画の人です。
Elle est belle .美しい人です。)
これは彼女が
うっかり筆を落としてしまった時に
言ったかもしれない会話です。
この時Lebrun夫人は妊娠中で
機敏な動きができませんでした。
それを察したAntoinetteが、
彼女が大きなおなかで
床にかがまなくていいように、
落とした筆を自ら拾ってあげたのです。
当然、王妃が
床にかがむなんてことは
あってはならないことで、
Lebrun夫人はびっくりしたのです。
Antoinetteは
そういうことはよくわかっていましたが、
そんなことよりも
妊婦の体を心配したのでした。
Lebrun夫人は
このことをずっと覚えていて、
のちに回想録に記しています。
一般的には
Antoinetteのイメージとして、
高飛車でわがまま
というのがあると思いますが、
いろんな文献を読む限り
Antoinetteは
とても気さくで優しい女性だったと思います。
召使の間ではアイドルだったと言います。
人懐っこくて
かわいらしい性格だったのでしょう。
そして楽しいことが大好きで
退屈は嫌いだったのは間違いなさそうです。
Alors, nous allons étudier .
今回の表現は
ちょっとした言い回しの連続ですね。
文法がどうのこうの、
と言うよりも
丸覚えしちゃっても
いいんじゃないかと思います。
Oupes !
あっ!/おっと!/きゃ!
以前、馬車が壊れた時にも言ってましたね。
やっぱり「ぷす」ってなんや?って思ってしまいます…。
気を付けて !
英語にも似た言葉がありますね。
注意!
と言う意味で、ペンキ塗りたてのところとか
危ないところの看板に
書いてあることがありますよ。
Excusez- moi , Majesté.
申し訳ございません、陛下。
これも英語に似てますね。
自分に非があって謝る時に言います。
ちょっとした
「ごめん」
くらいなら、
Pardon
と言います。
Ce n’est pas grave .
いいのよ。/大したことではありません。
Ce n’est pas~
それは~ではない
否定文ですね。
grave 重大なこと
以前、12.王の病気を知った時…
に出てきた単語です。
Louis XVが病気と知った時に
Est-ce que c’est grave ?
と、Antoinetteが尋ねました。
どんな意味だったでしょう?
深刻なのですか?
でした。
今回はそれを否定して言う表現で、
Pas grave
大したことはない
となります。
Je vais débarraser ,tout de suite.
すぐに片づけます。
Je vais ~
~のところに動詞が原形で入っていますので、
私はこれから~します。
という近未来になります。
débarraser
片づける
tout de suite
すぐに
3語で一つの意味です。
Attendez ! Laissez-moi faire !
待って!私がやるわ !
Attendez !
待ってください/待ちなさい
vous あなた/あなたたち に対しての命令法です。
Antoinetteはほぼ常に丁寧語を使っていたと思いますので
Attends ! 待って/待て
ではなく、
Attendez !
にしました。
Laissez-moi faire !
私に任せて/私がやります
Laissez-moi~
私に~させて
これも命令法です。
Laissez-moi!
とだけ言うと、
ほっといてください!
と言う意味になります。
また、
と言うと、
あなた(たち)を放っておきます
となりそうですが、
「私もう失礼しますね。」
と言う意味になります。
その場を去りたいときにどうぞ。
Mais non !
とんでもありません!
これも馬車が壊れた時に言ってましたね。
覚えていましたか?
Bon,今回の表現は
文法はしいて言えば
命令法と近接未来ですが、
日常でよく使う表現ですので、
このまま丸覚えしちゃいましょう。
Attention !
気を付けて !
誰かがこけそうになった時
誰かが熱い飲み物を飲もうとしてる時
小さい子がミルク満タンのコップを
そぉっと運んでいる時
などに言ってあげましょう。
あぶない!
と訳してもいいですね。
Excusez- moi
申し訳ありません。
誰かの足を踏んでしまった時
寝坊して遅刻した時
などに言いましょう。
Pardon
ごめん/失礼しました
ちょっとあたってしまった時
聞き取れなかった時
などに言いましょう。
悪口を言われて
カチンときて眉をひそめて
「なんやて?」
と低めの声で
ゆっくり言う感じの時も言えます。
Ce n’est pas grave .
大したことはないですよ。
Excusez- moiと言われて
許してあげる時
心配されて安心してもらう時
などに言いましょう。
口語では
C’est pas grave .
と、ne を省略することが多いです。
言いやすくなりますね。
tout de suite
すぐに
何かを頼まれてすぐにしてあげる時に
返事として言いましょう。
本当にすぐにするかどうかは別です…。
Café で店員さんを呼んだ時に
こう言われることあります。
すぐに来てくれるか
どうかは分かりません…。
Attendez ! 待ってください
Attends ! 待って/待て
バスに乗り遅れそうで叫ぶ時
何か信じられないことが
起こって冷静になりたい時
などに言いましょう。
Caféの店員さんが
Attendez ! Tout de suite !
と言ってくれることもあります。
Laissez-moi faire !
私に任せて/私がやります
先生に褒めてもらおうと
前の授業の黒板を消す時
年配の人が
針に糸を通そうと頑張ってるのを
代わりにやってあげる時
などに言いましょう。
Je vous laisse .
お先に失礼します。
話が途切れないけど
その場を去りたい時
仕事がまだありそうな人を
残して帰る時
などに言いましょう。
Mais non !
とんでもない!
全力で拒否したい時
ありえないことがあった時
などに言いましょう。
日頃から使い慣れていると
とっさに出てきやすいですよ。
日本語に混ぜて使ってしまいましょう!
参考文献
A・フレイザー「マリー・アントワネット」ハヤカワ文庫
B;ヴァンサン「ルイ16世」 祥伝社
H . DELALEX 他 「Marie-Antoinette」 CHÉNE
P.クリストフ編「マリーアントワネットとマリア・テレジア秘密の往復書簡」岩波書店
森本英雄他「新・リュミエール」
石井美樹子 マリー・アントワネットの宮廷画家