A ; Quelle magnifique cérémonie !
B ; Oui, vous avez raison .
Mais ce bébé n’est pas Dauphin.
C’est une fille .
A ; C’est ça .
Cette cérémonie est trop décorée.
A ; なんてすばらしい儀式でしょう!
B ; そのとおりですね。
でも、赤ん坊は王太子ではない。
女の子だ。
A;それね。
この儀式は飾り立てすぎているわ。
これは、Mairie-Antoinetteが
娘の誕生を記念するミサのために
Parisのノートルダム寺院まで
パレードした時に
誰かに言われたかもしれないフランス語です。
この時、
群衆の中にドレスを作ってくれた
ローズベルタンを見つけて
手を振ったそうです。
結婚7年にして
はじめて授かった子ですから、
国王夫妻は
それは嬉しかったことでしょう。
まるで王太子の洗礼か
と思うほど盛大にお祝いしたのでした。
でも後継者の
男の子ではなかったことは
国民をがっかりさせました。
そのころになると、
Antoinetteが
仲の良い友達ばかりと
一緒にいることや、
賭け事、ファッションへの浪費、
とイメージダウンなことばかりが
噂となって広がっていて、
しかも子を産んでも女の子、
ということで人気が落ちていました。
国民や、パリの市民が
そんなことを知る情報源は、
新聞でした。
とはいっても
その頃の新聞は
人権も何もないですから
言いたい放題、
嘘も売れるなら平気でした。
今も王室や皇室の話題は
関心が高いですが、
娯楽の少ないこのころは
もっとだったことでしょう。
では記事を書いていた人たちは
どこから情報を得ていたのしょう?
きっと宮廷の内部と思われます。
Antoinetteの取り巻きに
近づけない貴族や、
Petit Trianonに入れてもらえない人が
ねたんで言ったことが
大きくなって記事になったのかもしれません。
国王の悪口は言いにくいので、
王妃の方を攻撃して
満足したところもあると思われます。
以前の王ならMadame Du Barry
デュバリー夫人のようなmaîtresseがいたので、
そっちが攻撃されて、
王家は傷つかずに済んだのですが、
LouisⅩⅥはmaîtresseを
持たなかったので、
攻撃は王妃に向かってしまいました。
それはつまり王家への攻撃。
王政への反発に
つながってしまったと考えられます。
Alors, nous allons étudier .
今回もさほど難しい表現はありません。
Quelle magnifique cérémonie !
なんてすばらしい儀式でしょう!
cérémonie
儀式
女性名詞です。なので、
quelleも magnifique も
女性の形になっていますね。
Quelle ~ !
なんて~なのでしょう!
magnifique
すばらしい
このセリフは
14.のルイ16世の戴冠式で
言ったかもしれない~で
Antoinetteが言ったセリフと同じです。
覚えていましたか?
Oui, vous avez raison .
はい、あなたは正しいです。
avoir raison
は正しい
という構文です。
avoirは覚えていますか?
ここではvousが主語なので
それに合わせた活用になっていますね。
Mais ce bébé n’est pas Dauphin.
でも、あの赤ん坊は王太子ではない。
Mais
でも/しかし
英語のbutです。
ce この/その/あの
次に来る名詞が
男性名詞なのでこの形です。
bébé
赤ちゃん/赤ん坊
不思議ですけど、
常に男性名詞です。
n’est pas
~ではない
être のilの活用を
ne~pasで挟んで否定しています。
n’ と省略されているのはpourquoi ?なぜ?
Paruce que なぜなら
estが母音ではじまっているからです。
Dauphin.
王太子
フランス王室の王位継承者はこう言います。
本来の意味はイルカです。
以前もでてきましたね。
C’est une fille .
それ/あれ/これ は女の子だ。
fille 女の子/娘
当然ながら女性名詞なので
uneが付いています。
ただ単に「一人の女の子」
と言っているので不定冠詞です。
これがもし
「~さんの女の子」
のように限定されていたら
定冠詞laになります。
C’est ça .
それだ/そういうことだ
C’estを使った構文です。
よく言います。
最近、日本語では
「それな!」と言いますね。
Cette cérémonie est trop décorée.
この儀式は飾り立てすぎている。
この/その/あの
次に来る名詞が女性名詞なのでこの形です。
cérémonie
儀式
女性名詞です。
日本語でもセレモニーと言いますね。
est
être 動詞のil/elleの活用です。
trop ~
~すぎる/多すぎる
décorée.
飾られた
形容詞なので
cérémonie の女性名詞に
合わせてeが付いています。
Bon, 今回は
「この/その/あの」
と言っているところを見ましょう。
Mais ce bébé n’est pas Dauphin.
Cette cérémonie est trop décorée.
今回はこの2文です。
以前には4.の夫としたかもしれない会話で
Antoinetteの子どもの頃、
クリスマスのプレゼントをもらった時の
家族の絵を見ている時に、言ったセリフで、
Cette poupée est un cadeau de Noël.
と言うのがありました。
意味は分かりますか?
このお人形はクリスマスプレゼントです。
でしたね。
「この/その/あの」と言っているのは
ce
cette
です。
同じ意味なのに形が違うのはpourquoi ?
Parceque ,次に来る名詞の
性数に合わせているからです。
…ということで、
ce 男性名詞
cette 女性名詞
ちなみに
「これらの/それらの/あれらの」は
ces ~s
複数なので名詞にはsが付きます。
お気づきかと思いますが
フランス語では話し手からの距離感は出ません。
その時その時で臨機応変に理解しましょう。
参考文献
A・フレイザー「マリー・アントワネット」ハヤカワ文庫
B;ヴァンサン「ルイ16世」 祥伝社
H . DELALEX 他 「Marie-Antoinette」 CHÉNE
P.クリストフ編「マリーアントワネットとマリア・テレジア秘密の往復書簡」岩波書店
森本英雄他「新・リュミエール」
別冊宝島「マリー・アントワネット華麗なる激動の人生」
など