マンガ版については、以前すでに書いています。2019年10月8日付け。
原作は、123ページ(本文にページ数記載がないのて、wikipediaのデータ)ほどの短めの話ですが、実写版では2時間の映画サイズ。
随分、話をふくらませています。
改めて原作を確認すると、テレビ版のレギュラーである編集者、泉京香(飯豊まりえ)がでてこない。
いきなり露伴の独白、回想から始まる。
概して映画版は、情景描写に重きをおき、マンガ版の描写を拡大している。
17歳の露伴は、祖母が経営する元旅館のアパートで、マンガの構想を練る。その時、目撃した美女、奈々瀬が、本編の準主人公。
マンガ版では、
こんな感じ。
マンガ版では、普通の平家っぽい家屋ですが、実写版では、
階段が複雑に続く、かなり大きな旅館っぽい。
奈々瀬と露伴のやりとりも、
こんな対比ショットを用いたりして、なかなか文学的でした。
マンガ版で似たシーンをさがすと、
こんな場面ぐらいです。
一方、ルーブルに場面が変わってからは、
ガラスピラミッドの入り口から、
各翼のギャラリーに、
モナリザの前でのショットなど、原作には無い、観光案内的場面もあり。
多少、重なるのは、
サモトラケのニケ像前の階段ショット。
実写版では、ここでルーブル第一の事件が起きます。
また、マンガ版のための取材で、ルーブルの古い地下倉庫に案内される作者、荒木飛呂彦氏の写真がマンガ版巻末に掲載されていますが、
この見聞が反映されたような場面もあり。
ルーブルほど大きな博物館では、作品は空調の整った収蔵庫に保管されていますが、歴史があるだけに、使われなくなった古い収蔵庫、古い地下室があったりします。
ワタシは、たまたま機会があって、東京や京都の博物館地下通路に入ったことがありますが、こんな感じでした。
実写版では、話をふくらませるため、「黒い絵」を競り落とすオークションのエピソードや、その絵を強奪しようとする謎の人物、ルーブルに元の「黒い絵」をもたらした人物など、原作にはない伏線を付け加えています。
特に編集者、泉京香とのやりとりは、実写版らしさが横溢。
いかにもパリロケしましたという、説明的ショットにもかかわらず、ストーリーにいい雰囲気を出していますね。
この高橋一生と飯豊まりえが、この共演を機に結婚したようなので、こうしたショットは外せなかったかもね。
役柄とはいえ、泉京香がどれだけ岸辺露伴に冷淡に扱われようと、献身的に尽くそうとする姿に、結婚の報道を聞いて、あ、なるほどね、と納得したのでした。
ちなみに、上のショットで露伴がかけているサングラスは、彼の祖母が使用していたものだということが、実写版を見て分かりました。
(^_^)☆