雪舟展 | sabのゆったり茶館

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ようやく雪舟展に行けました。




26日までなので、展示も後半。





それほど展示替えは多くなかったので、見逃した作品は数点。






これは図録です。




何より雪舟の基準作(研究者の誰もが認める雪舟の名品)6点が、全期間展示されていたのが、うれしかったです。





何と言っても京博のオリジナル企画展なので、ほかに巡回はしません。



見たいなら京都へ来いという、ある意味高ビー(死語?)な企画展ですが、作品が移動すると保険料が上がるので、スポンサーがいなければまず無理。




単館の企画予算では、今回の企画でも良く通ったなと、学芸の力量を褒めるべきでしょう。






雪舟展ではなく、雪舟伝説展と銘打ったのは、雪舟展にすると怪しげな作品も展示せねばならず、議論が沸騰するため。




その意味でも、雪舟作は名品のみにしぼり、以後雪舟がいかに手本となり、神格化されていったかが分かる、現在雪舟展をしようと思ったらこうせざるを得ないだろうなという、とても良心的な企画です。




長谷川等伯や、狩野山雪の名品、曽我蕭白もかなり出ていたので、近世絵画に興味のある方にも見ごたえがあります。





それでもワタシ的には雪舟。



これは図録の山水長巻部分。

直線をパキパキと折り曲げたような、独特の樹木や岩の輪郭線が、雪舟!


グラデーションが少ないのも特徴ですね。






閉館間際には人出も減って、閑散とした中でじっくり見られる山水長巻は、展示期間ごとの巻送りで最後しか見られませんでしたが、落款も含めて見ごたえ十分。



あまりゆっくり見たことのない、四季山水図4幅対も、堪能。


なかなか満足できました。









ひとつだけ難を言えば、17:30閉館で、ギリギリまで粘るとカフェがすべて閉店し、ゲッソリ疲れた足で帰らねばならないこと。



前田珈琲さんも、せっかくチケットなしで入れるようになっているのだから、閉館後1時間ぐらいは営業していてほしいものです。





あの周辺って、あまり入りやすいカフェがないのですね。





やむを得ず疲れた足を引きずって、京都駅のイノダコーヒーで休憩しました。




日本の美術館、博物館は、一日中楽しめる施設にするために、レストランやカフェを充実させるべきという、アミューズメント・ミュージアムに対する考え方が、なってないです。




消防法や指定品保全のため、火を遠ざける規定は理解できますが、敷地を離せば済むこと。


お役所仕事的判断で、観覧者のアメニティを犠牲にしているのです。





もう少し見る人の立場になって、考えてほしいものですね。





(^_^)☆